雪があまり振らない地域の方はあまりピーンと来ない話題ですが、雪が降る地域での雪対策には様々なものがあります。屋根で雪を落とさないようにする雪止め金具や落雪防止ネット、大雪や台風から窓が割れるのを防ぐ囲い金物、東北や北陸で使われている道路に水をまいて雪を溶かす融雪ホースや消雪パイプなど様々あります。
それらの記事はこちらから
⇒雪の重みで窓が割れる?強風や雪から窓を守る雪囲いとクリアガード
今回は特に寒くて大雪のイメージのある北海道でよく使われている雪対策の融雪マットについてお話します。融雪マットについて知らない方も多いかと思いますがそんな方も読めば融雪マットについてバッチリです。
年間多くの資材展示会に出向く管理人がメーカーさんや代理店の営業さんから聞いたお話と自身が働く資材屋での人気などを含めてお話します。
電気を使ったり電源不要だったりといろいろな種類がある融雪マット
まったく融雪マットを知らない方からするとよくわからない話ですが、融雪マットといえば基本的にはゴムマットの中で電線が走っておりそれに電気を走らせることで熱を発して雪を溶かすアイテムです。ですが実は融雪マットをゴムをつかった雪を溶かすものというカテゴリで考えると
- 電源で雪を溶かす融雪ゴムマット
- 遠赤外線と使う融雪ゴムマット
- 水を出す穴が空いた融雪ゴムホース(ゴム以外もある)
の3つに大きく分けることができると思います。最後はホースなのでマットではないのですが上記の理由で載せておきます。
またそれら融雪マットや融雪ホースは使う想定の場所でも形やサイズが変わってきます。主に使われる場所としては
- 駐車場(主に融雪ホース)
- 玄関
- 階段
- 屋根
- 小路
などがあります。それぞれの場所に合わせたサイズや形になっているので以外に融雪マットは選びやすいです。
それではそれぞれお話していきます。
北海道では常識「融雪マット」や「ケーブルヒーター」
まずは電源を使って雪を溶かすものという前提でお話していきます。
北陸や東北では融雪ホースが駐車場などで水を出して雪を溶かしているのをよく見かけることがあります。また特に新潟の長岡などは道路に水をまくスプリンクラのようなものが予め埋め込まれていて冬の時期になると水をまき雪を溶かす「消雪パイプ」というシステムがあります。
ただ北海道などでは一部では消雪パイプを使っているものの、基本気温も恐ろしく引くため水をまいたら道路がスケートリンクになってしまうため溶かす必要があり道路を電線や温水パイプを埋めて温めて溶かす「ロードヒーティング」というシステムになっています。
それを簡易的にしたのが電源を使った融雪マットになります。実は使う場所以外でも融雪マットは大きく分けると
- 漏電の危険性が少ないゴムマットタイプ
- 透水性があるゴムチップタイプ
の2種類があります。
簡単に説明するとまずゴムマットタイプは普通のゴムマットのような融雪マットは丸めて収納ができるのが特徴で冬にしか使わないマットを片付けやすいのが助かるものの、溶かした雪の水がマット上に溜まるため水を除けるか蒸発するまで発熱する必要があります。ただ防水・絶縁・防炎などに強い特徴もあります。
ですが、透水性のものは丸めて収納などはできないものの基本的にサイズは選べて溶かした雪の水も染み込んでマットを通り抜けるため電気代を節約できるという利点があります。その分防水・絶縁・防炎などの特徴はありません。
ケーブルは基本的に熱を発する電熱線がはいっているケーブルで巻き付けて主に凍結防止に使います。
自分にあったものを選んだあとに場所によって融雪資材を選ぶ形になります。場所別のそれぞれの特徴をあげていくと
- 駐車場用:基本的に融雪マットは車乗り上げNGなので車が乗り上げられる前提のマット
- 玄関用:玄関用といっているが通常のマットなのでサイズによって使う場所を選ぶ
- 階段用:基本的に段ごとにマットを敷くのでコードで連結できる仕様になっている
- 屋根用:マットタイプと電熱ケーブル線タイプがある
- 水道管:水道管に凍結防止で巻きつけるケーブルヒーター
などがあります。
補足説明をしていきますとまずは駐車場につかうタイプのものはかなり数は少ないです。あまり車が乗り上げられるタイプのものはなく基本通路や玄関用が基本となりますので駐車場などに使いたい場合は車が乗り上げられるものかどうかしっかりと確認しましょう。
階段用は必ずケーブルで繋げられるタイプになっています。基本的に通路用や玄関用などはケーブルでマット同士を繋げられません。そこは確認しましょう。
屋根に付ける場合は基本庇や軒先にセットします。屋根用もなかなかないためサイズを確認しましょう。サイズが合わない場合はケーブルタイプのものもありますが、屋根での施工はかなり危ないためしっかりと対策をするなどしましょう。
おすすめの融雪マット「停マットけーる」と「ホットけーる」
ひとつおすすめの融雪マットを上げるとすればとりあえずこの「停マットけーる」です。なかなかない車の乗り上げ可能で面積に合わせて連結もできるというのが一番の売りです。
- サイズ:60cmx101.5cm
- 消費電力:300w
- 防水性IP7
- 重量:7kg
- 電気料金:188円/1日
このスペックで最高40°近くまで熱を発して雪を溶かしていきます。お値段も他の融雪マットより安めで設置もしやすいのでかなりのおすすめ。ただ電源ケーブルは別売りなのとどの融雪マットもそうなのですが季節商品のため必要なときに欠品しているということがあるので早めに買っておきましょう。
またマットほどの面積がいらない場合にはケーブルタイプの「ホットけーる」があります。水道管や屋根の軒先などケーブルを這わせておけば雪を溶かしてくれます。
- 長さ:10m or 20m
- 重量:10m:800g 20m:1480g
- 電源:10m:122-124w 20m:243-248w /100-120V
- 電気料金:10m:77円 20m:152円 /1日
ケーブルタイプなのではわせかたによって様々な場所に使えるのが利点です。
ホットけーる口コミレビュー
年末に、最高気温マイナス5度、一日で1メートルの積雪があったときに玄関前と車庫前に敷設してました。
楽天レビュー星4
さすがに雪に埋もれてしまいましたが、ケーブル付近はそれなりに雪が溶けていて、雪かきする際はいつもより楽でした。
20メートルを購入しましたが、自家用車くらいの広さにクネクネ這わせるくらいの広さに使えます。
電気代が1日150円なら、つけておくと雪かきが楽になるので、今シーズンは付けっ放しにします。
収納は20センチ四方の箱に入るくらいにコンパクトなので良いです。
敷地内の雪を積んで溶かすために使っています。マイナス8度とかの日でも、少しずつ溶けています。
楽天レビュー星5
ケーブルが固くてクセがついてるので画像のようにきれいに施工できませんが、ウネウネ感を残しつつもなんとかジョイント人工芝に結束バンドでつけることができ、雪も解けているのでこれでよしとしました。
施工がめんどくさいのでそういうのが嫌な方は高くてもマット型になっているものをおすすめします。
コンセントは必ず漏電保護がついてるところを使いましょう。
1m×1mくらいの形で設置して極寒の日でもだいたい膝より下くらいの高さに積んだ雪が1日かけて溶ける感じですかね。他社の融雪マットも持っていますが、マットになっているぶんこの商品よりも溶け具合が弱く感じました。
また、灯油で溶かすタイプの融雪機も使ったことあるのですがあれは良く溶けますが、作動音がとてもうるさいですし1時間に15リットルも灯油を使うものです。
それを考慮すると、この安さとこの電力量で雪がこれだけ溶けるのはコスパがいい方だと思いました。
地面の雪を溶かすために購入しました。
楽天レビュー星2
半日ぐらい経ってもケーブルの回りが薄っすら溶ける程度でした。
もう少し溶けるかと期待していたので残念です。
暖かい日であれば屋根の融雪には使えるのかもしれません。
ケーブルはコンパクトにまかれて届くので、伸ばすのが大変です。
電源不要の融雪マット
電源が不要なタイプの融雪マットはあまり多くはありません。基本的に熱がないと溶かすことができないからです。その中で遠赤融雪マットというものが存在します。
その原理は遠赤外線を発する素子がマットの素材として使われており、その遠赤素子が雪を溶かしていくれるというものなのですが、もちろん電源が必要なものと違い融雪効果は若干です。遠赤外線を使った融雪マットには電源が不要なタイプと必要なタイプがあります。
電源を使わないタイプは滑り止めとして使われていて、滑り止めマットなのに雪が溶けるのが早いくらいのイメージで使いましょう。本格的に雪を溶かすというのであれば電源ヒーターの物を使いましょう。
遠赤外線融雪マットですと大雪さんという会社さんのものが出てきます。
主に駐車場などでつかう融雪ホース
こちらは電源ではなく水を使うタイプのマットというよりはホースになります。今回の中では番外的な位置になります。
融雪ホースは基本的には
- ゴム製ホース
- 消防ホースのような散水ホース
- ホースを守る穴あきゴムホースプロテクター
の3種類があります。どれも駐車場で使われることが多く車に乗られても平気なホースとなります。水道代がかかってしまい水道水だと融雪効果も薄いという声もあります。ただ地下水など使っていると水道料金も節約できて若干温度が高いのか雪も溶けやすいそうです。
まとめ
融雪マットには電気で温めるタイプと電気を使わないタイプ、そして融雪マットではないのですが水で溶かす融雪ホースなどがありました。
基本的に融雪を目的とするのであれば融雪マットを選びましょう。ゴムマットタイプとゴムチップタイプが有りそれぞれ特徴が違います。また場所によってサイズなども異なってくるので使う場所専用のものとして買いましょう。
全体的に使うのであれば電熱ケーブルの「ホットけーる」がおすすめです。マットよりは融雪効果は低くなりますが、コードのひきかたで様々な場所に柔軟に対応することができます。
他にも雪対策の記事を書いています。