以前雪かきにおすすめの道具をご紹介させていただきました。雪かきには実はいろいろな道具があってそれぞれ適した使い方があるのでまだ読んでいない方は是非とも読んでいただけたらと思います。
→雪かきに使う除雪道具にはどんなものがある?雪質別のおすすめ雪かき道具一覧!
ただ以前は家の周りや道路など地面にある雪を除雪するための道具だったのですが、今回は屋根に積もった雪の対策についてです。以前屋根の雪が下に一気に落ちるのを防止する雪止め金具について書かせていただきました。ですが雪止め金具は雪を屋根にとどめてはくれるものの、ずっとそのままというわけにはいきません。
雪は実はかなり重たく屋根が雪の重さに耐えられず倒壊することもあるからです。カーポートなどはなおさら重さには耐えられません。事実雪国だと大雪が続くと街で押しつぶされたカーポートを見ることはしばしばあります。なので定期的に屋根やカーポートの屋根から雪を落としてあげる必要があります。
今回はそんな屋根やカーポートに積もった雪を下ろす道具と注意点と方法、おすすめの便利アイテムをご紹介していきます。多くの建築資材メーカーさんとお話する機会の多い管理人が自信が働く資材屋での人気を踏まえてお話していきます。これで屋根の雪下ろしについてわかります!
実は危ない屋根の雪下ろし
屋根の雪下ろしは個人でやる方も多いと思いますが、実は屋根の雪下ろしはかなり危ない作業になります。なぜかというと
- 屋根の雪下ろしは高所作業分類
- 死傷事故が多い
- 雪は滑りやすい
などが挙げられます。
まず屋根が高所作業というのは何となく分かるかと思います。以前こちらの記事でも触れましたが2m以上ある場合は高所作業という項目に当たり仕事などでは法律上ヘルメットと安全帯の装着が義務付けられており、6.75m以上はフルハーネスの装着をしなくてはいけないという作業になります。
そして雪国の方だと毎年ニュースなどで見ると思いますが、屋根の雪下ろし作業での死傷者が毎年かなりおり、近々では7年の間に408件もあったとのことです。その理由のほとんどが転落事故。実は屋根の雪下ろしでちゃんと命綱をつけていたケースは3.6%しかいなかったそうです。
そして雪で足を滑らせることは容易に想像がつくと思いますが、雪自体も雪崩のように屋根から滑り落ちることがあります。ですのでどんなに気をつけていても落雪はおこりえるので必ずヘルメット・安全帯・命綱は必要な装備となります。
屋根の雪おろしのタイミングと注意点
ここで雪下ろしをするタイミングをお話すると、雪は水分を含むと1x1x1で500kgほどにもなることがあるようです。ですので積もりすぎる前や大雪、大雪後の雨の前などにやってしまうのがいいとされています。もちろん豪雪地帯での話で雪があまり降らない地方では屋根に登ってまで雪下ろしをする必要ありません。
屋根に雪が1m積もったら危険サインですので、この前に雪下ろしをしましょう。
そして実は気温が高い日より低い日のほうが屋根の雪下ろしに向いています。気温が高いと雪が溶けやすくなり屋根から落雪がおきやすくなったり、溶けた雪で足が滑りやすくなってしまいます。
雪下ろしを始める場合は以下のことを確認・準備して始めましょう。
- 1人ではなく複数人で行う
- ヘルメット・命綱を用意
- つねに足場の確認
- ちょっと疲れたらしっかり休む
- 登るはしごはしっかりと固定する
- 屋根下の雪を残す
- 軒先は下から雪落としを使う
- 水やお湯を使わない
といったものが挙げられます。簡単に説明していきます。
雪下ろしは複数人で
こちらはマストです。ニュースなどでは屋根から滑り落ちて見つかったときにはすでに亡くなっていたというケースが多いです。つまり落ちてから見つかるまでにタイムラグがあるということです。
ですので2人以上で雪下ろしを行い常に相方を確認しあいましょう。近所の方に声をかけておくのももしもの場合に発見が早まる可能性もあります。また携帯電話なども持っておくと、もし滑り落ちてしまっても誰かに直ぐに連絡を取ることができます。
ヘルメット・命綱などを装備して足場を確認
何度も書いていますが、屋根で滑ることを常に考える必要があります。ですのでヘルメット・命綱などは必ず装着しましょう。また滑りにくい靴も必須です。
屋根、特に金属屋根は濡れているととても滑りやすくなっています。できるだけ金属板の上を直接歩かないようにして少し雪を残すなどしましょう。また疲れてくると足を滑らせやすくなります。少し疲れたと思ったら迷わず休憩をして滑ることにとことん注意しましょう。
水やお湯を使わないのも屋根を濡らしたりして滑りやすくなるのを防ぐためです。また寒い地方だとすぐ凍って更に滑りやすくなるので屋根に上る場合は決して使わないようにしましょう。
屋根作業セットのルーフワーについてはこちらの記事で詳しく書いています。
屋根へ登るはしごを固定
実ははしごも落下の原因の一つです。はしごは立てかけるだけですので倒れやすくなっています。
横倒れ帽子の安全ストッパーやラダーキングなどのはしごの安全アタッチメントやロープなどでしっかりと固定したりととにかく気をつけましょう。登っている途中に雪で滑ったり、風で倒れたりも十分に考えられます。
屋根下の雪を残す
屋根の雪下ろしをする場合は屋根下の雪を残しておき、雪下ろしが終わったらそちらの雪を除雪しましょう。もし屋根から落下した場合に緩衝材となり怪我が軽く済むことがあります。ただその雪の中に埋もれてしまったり、すぐに上から落雪してきて生き埋め状態になってしまうことも考えられます。
最初に言ったように必ず2人以上で行い携帯電話などを持っておきましょう。
軒先は雪落としを使う
軒先は少しでも滑ったら下に真っ逆さまになる場所です。たとえ雪落とし作業でも近づかないようにして下から専用のアイテムを使って雪を下ろしましょう。
カーポートにも使える雪落としのおすすめは下でご紹介します。
カーポート雪下ろしの場合
カーポートは基本的には大雪には耐えられません。ですのでこまめに雪を下ろす必要がありますがカーポートの説明書に書いてあることもあります。
ただ基準として
- 湿った雪は10cm
- パウダースノーは20cm
くらい積もったら雪を下ろしてあげましょう。
またカーポートは屋根と違って絶対の登って雪下ろしをしてはいけません。そもそも雪で重たくなっている上にさらに人が乗っかってカーポートが耐えきれなくなります。
そしてカーポートの素材は金属やプラスチック製でかなり滑りやすく怪我のもととなります。脚立や作業台を使って雪を下ろしましょう。
カーポートの積雪予防
カーポートは予め積雪を予防しておくのも手です。融雪剤を巻いておいたり、専用のシートを被せておいたりもできます。
ただ注意しなくてはいけないのがカーポートは基本的に金属を多く使っているため塩化カルシウムなどの塩化系のものは使わないようにしましょう。以前こちらのブログでも融雪剤に付いて詳しく書かせていただきましたが、金属が錆びない尿素タイプの融雪剤も存在しますので、そちらを使うようにしましょう。
また滑雪シートという雪を滑り落としてくれるシートをカーポートにかぶせて雪を積もらせないようにするのも対策の一つとなります。その場合は風などでシートが飛ばないようにしっかりとシートを固定しておきましょう。また滑り落ちる雪が近所の方などの迷惑にならないようにすることも重要です。
屋根の軒先・カーポートの雪下ろしにおすすめの便利アイテム
屋根の軒先やカーポートなどの雪下ろしには屋根まで届くほどの長い棒のものをよく使います。中には先端を変えることで氷柱落としに変化することができるものまであります。
豪雪地方ではマストなアイテムで、毎年品切れが起こるほどの人気商品の数々となります。雪が降る降らないに関わらず豪雪地方の方は1本は早めに用意しておきましょう。
その中で特に人気のあるものをピックアップしてご紹介します。
押すだけ画期的な雪落とし・らくらく雪すべーる
かなり画期的なアイテムでヤフーニュースにも載ったことのある雪下ろしアイテムです。便利ポイントとしては
- あまり移動せず押して引いて雪下ろし
- ヘッドを回転して付け替えるだけで下からも上からも雪をおろせる
- ほとんど平らな屋根にも使える
- たった2.2kgの軽さ
となります。こちらの動画を見ていただくとわかりやすいです。
雪の中を押して引いて雪を刺激して備え付いているシートを伝って落ちてくるというもので、ほかの雪落としのようにクワのように突き刺して引いて落とすのではないため簡単に雪を落とすことができます。
ただデメリットとして新雪のみにしか対応しておらず、雪の中を書き分けられない圧縮された雪や水を多く含んだ雪には使えません。また似たような中国製品もあるようですが、かなり評価が悪いので安いからと言って選ばないようにしましょう。
ヘッドの付け替えて使いみち多数・ホッカイ棒
こちらはヘッドのアタッチメントがたくさんあるホッカイ棒という雪落としです。こちらの特徴は
- 首が曲がっているため使いやすい
- アタッチメントが多く様々な状況に対応
- 1.5kgという軽さ
- 雪国新潟で考えられた商品
となります。実際に使ってる動画を見つけました。
かなりアタッチメントが多くヘッドを付け替えることで
- ビニールハウス用雪落とし
- ワイヤー雪庇落とし
- つららや硬い雪用
などになります。またスペアゴムなどの部品も別売りしているため長く使えるものになっておりとても人気のある商品となります。長さも色々ありますのでよく確認しましょう。
カーポートにもこれ!・おっとせいG
コンパクトなものは1.35kgの軽いおっとせいG。特徴をまとめると
- 楕円の棒で回転しにくい
- ゴム側エッジとアルミエッジで使い分け
- ヘッド変更でお掃除アイテムに
といった感じになります。アールタイプとストレートタイプがありますがアールタイプはカーポート、ストレートタイプは軒先に使いやすいようになっています。
まとめ
今回は屋根やカーポートなど載っかている雪を下ろす作業に注目して注意点やおすすめアイテムを紹介しました。雪下ろしをする際は兎にも角にも
滑らない
ようにするという点を注意して作業を必ず2人以上で行いましょう。
またカーポートは屋根での雪下ろし作業と違います。絶対に屋根と同じ様の上に上がるのは避けましょう。今回ご紹介したおすすめアイテムを使えば登らずとも雪下ろし可能です。
高所作業ということを念頭に置いて気をつけて作業をしましょう。
雪かき用品の雪質・量別おすすめアイテムまとめはこちら↓