このブログでもいくつか雪に対策するものを紹介してきました。屋根から落下する雪には雪止め金具、大雪や強風から窓を守る冬囲い、最強の除雪用品である除雪機などです。ただかなり特殊なものばかり紹介してきましたが、実際に大雪が降る地方もあれば毎年そこまで雪が降らない地方など様々あります。
雪があまり降らない場所には当たり前ですが雪止め金具や除雪機などは必要ありません。ただそんな場所でも雪がたまに降ったり、雪止め金具などは必要ないくらいでも毎年ある程度雪が降る場所では雪かきをする必要があることもしばしばです。
今回は雪の量や雪質別につかえる雪かき道具をご紹介していきます。これをみれば雪や降る場所や降らない場所に関係なく降った雪に対して適切な除雪用品がわかって雪かきをしやすくなります。
多くの農業・建築資材を扱う雪国の資材屋で働く管理人が毎年人気のある雪かき用品やメーカーさんきってのおすすめのアイテムをご紹介していきます。
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雪質・雪の量に合った雪かき道具の選び方
雪かきといって真っ先に思いつくものと言ったらスコップやダンプではないでしょうか。実は大きく分けると雪かきに使える道具は以下に分けることができます。
- 除雪ホウキ
- 雪はね
- スノースコップ
- スノープッシャー
- スノーダンプ
- 角スコップ
- 鉄・アルミ製スノーダンプ
- 除雪機
- アイスピッケル・つるはし
聞いたことがあるものもあればないものもあるでしょう。それぞれご紹介していきますがその前に雪の量や雪質に合わせた道具のグラフを貼っておきます。こちらを見ながらそれぞれの説明をしていきます。
雪質の柔らかい硬いというのは雪国でないとわからない方もいらっしゃると思いますが、柔らかいのが新雪で硬いのが水分を吸って重くなって寒さで氷のようなガリガリになっていう雪と思ってください。
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掃除するように雪かきをする除雪ホウキ
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雪にホウキ?と思われる方もいらっしゃると思います。ただ関東などで少し降る程度の5cmくらいまでの積雪でしたらスコップやプッシャーでアスファルトに削らせながらガーガーと雪かきするよりもホウキでサッサッとはいた方が簡単で十分に効果を発揮します。
竹箒などでもいいのですが、プラスチック素材のものである程度丈夫なものがおすすめです。落ち葉などのように雪も掃除する気分で雪かきをしましょう。価格も安く掃除にも使えて揃えやすいのも利点です。
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夜に降った少量の新雪の雪かきには雪はね
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見た目はスノースコップにそっくりですが、プラスチック素材のスノースコップに穴をあけることで更に軽量化して女性でも使いやすくした雪はねです。ポリエチレンやポリカーボネートなどのプラスチック素材なのである程度強いプラスチックです。
とはいえ耐久力はあまり高くありません。大雪の日に少し氷のようになった雪に使ったら割れました。軽くてあまり雪の量が多くない場所や状況に使う軽量化作業性重視の雪かき道具です。
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定番の雪かき道具のスノースコップ
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雪かきといって真っ先に思いつくのがこちらのスノースコップではないでしょうか。雪がある程度たくさん載せられるようにスコップ部分が大きめにできていますが、基本的にはプラスチック素材のものでできているので軽く作業がしやすいようにできています。伸縮性のあるものや折り畳めるものもあるので収納性に優れますが、強度は少し落ちます。
どんな状況でも雪かきには1本は必要でしょう。車に乗せておけば急な降雪やタイヤが雪にハマッたときなどに活躍します。正直体力勝負にはなりますが駐車場の雪を除けることもできます。ただ広範囲になってくると雪を乗せる量にも限界がありその分スコップも重くなるのでダンプなどを使ったほうがいいでしょう。またプラスチック素材のため硬い雪などには突き刺せず不向きです。
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持ち上げずに雪かきするスノープッシャー
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雪かきといえばスノースコップですが、どうしても雪に突き刺して雪を持ち上げて他の場所へ移動するというかなりの力仕事となります。ですが、スノープッシャーは雪を押して移動させるという雪かき道具となります。もちろん押す力は必要ですが、スコップのように腰に来ることは少なくスコップに比べて楽です。
ある程度効率よく雪かきができるので雪の量が多い場所で重宝します。またタイヤ付きの移動しやすいものもあります。ただ雪を持ち上げるようには作られておらず道が平坦でつながっている必要があるため高さが違う場所などには雪を持ち上げられません。そして固くて重い雪の移動には相当な力が必要なため不向きです。
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広範囲の雪かきにおすすめスノーダンプ
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たくさんの雪を一気に移動させることができるスノーダンプは雪かきの定番アイテムです。東北地方などは一家に一台必ずと行っていいほど持っているでしょう。ママさんダンプという通り名で知っている方もいらっしゃるでしょう、ママさんダンプというのはウォークマンのようにあるメーカーの商標ですが人気のある商品でダンプイコールママさんダンプというほど浸透しています。
多くの雪を移動させることに特化しており持ち上げるように使うことはありません。すくった雪をソリのように滑らせて移動させることもできるためプッシャーに比べて移動に力もいりません。
ただかなりの大きさのため収納場所に困るのがスノーダンプの悩みです。折りたたみ式なども見かけますがそれでも雪を乗せる部分がだいぶ大きいため収納スペースを圧迫します。また殆どがプラスチック素材のためそれ自体は軽いのですが、硬い雪をすくうのに苦労し場合によっては割れてしまいます。
硬い雪などには鉄やアルミ製のスノーダンプがおすすめです。重さはありますが、重くて硬い雪でも折れることはありません。ただ有名なスノーブルやクマ武などはとても人気で雪の量によっては売り切れてしまうことがあります。必要そうな場合は早めに見つけたら買っておきましょう。金属製のスノーダンプには雪離れを良くする離雪スプレーと併用することで作業性がアップします。
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恐ろしく人気な高級スノーダンプ・クマ武とは?
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雪国である新潟の十日町で作られている人気のスノーダンプがこちらのクマ武です。十日町は積雪量が多いことで有名で道路の脇に壁のように反り立つ雪の壁が有名です。そんな場所で作られるクマ武は重くて水分を吸っている「しめり雪」に最高のパフォーマンスを発揮するスノーダンプと言われています。特徴としては
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- ステンレス製でサビに強い
- 雪に突き刺さる先が特殊金属
- 柄が短めで雪離れしやすい
説明します。
ステンレス製でサビに強く、あえて重すぎず、軽くしすぎないようにしっかりとした溶接で作られたクマ武はガリガリになった雪にもしっかりと突き刺さります。実は突き刺さりやすいようにダンプの先の部分が別に作られた特殊金属が刃のように溶接されています。
また柄が短く小回りがきき、屋根降ろし用はさらにすこし短くなっています。その柄とダンプ部の角度が計算されつくされていて雪離れの良さも好評なダンプです。サイズは大・中・屋根用の3種類がありクマ武を知ると他のダンプで雪かきはできないと値段は高いものの人気NO1のダンプです。
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角スコップ・剣先スコップ
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スノースコップはどうしても素材がプラスチック素材のため重い雪や硬い雪の雪かきは不向きです。そもそもプラスチック素材のスコップでは雪に突き刺すのにも苦労します。そんなときは角スコップや剣先スコップを使います。
ガチガチに凍った雪を雪かきする場合は金属製のスコップがなくてははじまりません。剣先スコップのほうがもちろん雪に突き刺さりやすくなります。ただ金属製のため重く雪を乗せる面積もスノースコップに比べて小さいため作業性は悪くなります。
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アイスピッケル・つるはし
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ガチガチになってしまって氷となってしまった雪は正直今まで紹介したものではどうしようもできません。そこで氷を砕く道具が必要となります。それがアイスピッケルやつるはしとなります。
力任せに砕いていくのですが、ある程度の力で氷が割れるように設計されていたり、氷の下のアスファルトを傷つけないように設計されているものがありますが、砕いた後の雪などはスノーダンプなどに載せて運ぶ必要が出てくるためこれだけでは雪かきはできません。
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雪国では一家に一台除雪機
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やはり雪かきは除雪機を使えば格段に楽になります。ただ除雪機も馬力によって違いがあり、とりあえず除雪機を買えばどんな状況でもつかえるものではありません。基本的に安価なものは新雪である程度積もったものにしか使えないとうことを覚えておきましょう。
除雪機の選び方はこちらがわかりやすいので載せておきます。
→除雪機の選び方除雪機は基本的に人気のものは時期は来る前に予約販売で売り切れてしまっています。買うことが決まっている場合は早めに予約しましょう。ただヤマハなど有名なものでなければ買えるものもおおくあります。ハイガーなど安めで性能がいいものもありますのでよく調べて購入しましょう。
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雪かきのコツ
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ここで簡単に雪かきのコツをお話します。
知っている方も多いと思いますが、スノースコップや角スコップなどで雪かきをする場合は雪に両サイドに縦にスコップを突き刺し、そして奥に縦に突き刺し、最後に下からすくって形が四角のサイコロにようになる感じで雪かきをしましょう。
そのように小分けにした雪は投げて届くようであればそのまますくい上げて投げ出しましょう。ただ雪を集める場所が遠い場合は大きなソリなどに一回集めてから持っていきましょう。
その雪を集める場所ですが、ダンプなどで雪を運び山になってきたら足やダンプで踏みかためていきましょう。そうすることで崩れにくいしっかりとした雪山ができ雪を集めやすくなります。
体も全体を使ってなるべく腰などに負担がかからないように気をつけましょう。雪かきは意外とテニスをするくらい体力を使うそうです。腰を折り曲げてスコップなどを使わず、腰を低くする体制を作りつつどこか一部に負担がかからないように動かしましょう。
- 雪のサイコロをつくるように雪を小分けにする
- ソリなどに一度集めると運びやすい
- 雪山は時折固く踏み鳴らして作っていく
- 腰を低く体全体を使って雪かき
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まとめ
今回は雪かきに使う除雪用品を雪の量や雪の質でピックアップしてそれぞれおすすめをご紹介してみました。
今回は地面の雪かきをメインに書いていますが、雪国では屋根や車に乗っている途中でも雪かきをしなくてはいけない状況が珍しくありません。そんな状況でも使える雪かきグッツのご紹介をまたいつかしたいと思っています。
今回のまとめは
- 雪が柔らかく少ない場合はプラスチック素材のホウキや雪はねで十分
- 雪がある程度積もるようならスノースコップやダンプで対処
- 硬くて重い雪を雪かきしなくては行けない場合は金属製のダンプやスコップをつかう
- 氷ならアイスピッケルなど割る
- 雪でサイコロをつくるように雪かきをする
というものです。
屋根の雪かき・雪下ろしはこちらの記事へ