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籾すり機が故障!籾が溢れる・詰まりなどトラブルと対処法まとめ

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稲作の集大成である秋の収穫。稲を刈り取ってコンバインからお米になるまでには様々な工程がありますが、その中でもよくトラブルが起きるのが籾すり機です。

以前こちらのブログでも籾すり機の籾摺りロールについての基礎知識や交換時期・交換方法や適正もみすりロールの探し方などを書かせていただきました。

ただ籾すり機で注意しなくてはいけないのはもみすりロールだけではありません。籾すり機を動かしても籾摺りされない、籾がこぼれてくる、明らかにおかしな動きをする、キュルキュル音がするなどたくさんの不調を聞きます。今回はそんな籾すり機の故障かなと思ったトラブルの誰でもできる対処法とメンテナンス・清掃の注意点をまとめました。

農業資材を扱う資材屋に働く管理人が、多くの農業資材メーカーさんの営業さんや技術さんとお話したときのネタや実際に聞いたお話を元にまとめます。これで籾摺機のメンテナンスやかんたんなトラブルの対処法がわかります。

籾すり機の基本的な種類を知っておこう

サタケ・イセキ・大島農機などなど籾すり機のメーカーは数多くありますが、メーカーではなく籾すり機にもいくつか種類があるのを知っていますか。まずは基本知識として自分の籾すり機がどのタイプに当てはまるのか確認しましょう。

籾摺り方法の違い

籾すり機の籾摺り方法は大きく分けると以下の2種類に分かれます。

  • ゴムロール式
  • 衝撃式

違いを簡単に説明をするとゴムロール式はもみすりロールというゴムロールを2つ回転することで籾摺りを行う方式の農機です。2つのゴムロールの隙間に籾を落とし回転で籾摺りを行うため肌スレ米ができることもありますが、籾すり機を使っている殆どの農家さんはこのタイプに思えます。

もう一つの衝撃式とは籾を飛ばしウレタンなどの壁に当てる衝撃で籾摺りをするというタイプになります。水分が高い籾でも籾摺りができますが衝撃を与えるため胴割れが発生することもあります。衝撃式の中でもインペラ式とジェット式に分かれジェット式は会話できるくらい作業音が静かです。

籾摺りを行い消耗するのはゴムロール式はもみすりロール、衝撃式は籾摺りライニング(籾摺りライナー)と言われる部分で摩耗などによって交換する必要があります。

籾殻の選別方法の違い

籾を玄米・籾殻・その他に選別する方式でも分けることができます。

  • 万石式
  • 回転式
  • 揺動式

の3つのタイプに分けることができます。簡単に説明をすると

万石式はフルイのような網目を何層かに重ね合わせ籾を落とすことで選別をします。回転式はロール式で窪みがついた筒を回し玄米と籾の比重の違いで選別。そして揺動式は板に窪みがあり斜めに揺らすことで比重や摩擦係数で選別をしていきます。

よく使われている印象があるのがゴムロール式の揺動式のタイプの籾摺り機です。そのため情報が集まりやすく今回のトラブルは基本的にこのタイプについて書かせていただきました。

籾すり機の主なトラブルと解決法

簡単に対処できる籾すり機のトラブルは大きく分けると以下に分けることができます。

  • 籾摺りできていない籾がある
  • 籾すり機が止まる
  • 籾がこぼれてくる
  • キュルキュルと音がする

それぞれお話します。

籾摺りできていない・籾殻が交じる

籾すり機を回して出てきた玄米に籾摺りができていないものがよく混じっている。その場合はもみすりロールの隙間の調整がうまくできていないかもみすりロールの交換など以下の可能性があります。

  • もみすりロールの隙間調整ができていない
  • もみすりロールの交換時期
  • 選別板の角度があっていない
  • 送風ダクトの風が弱い

もみすりロールの隙間を自動調整してくれる籾すり機もありますが、手動で隙間を調整しなくてはならないものもあります。手動の場合多くの農家さんはロールをくっつけるまでバルブを回しロールがくっついたら1~1.5回転空けるように回します。

またもみすりロールの交換が必要な場合もあります。そのことに関してはまるごと1記事書いていますので、交換時期や交換方法などを御覧ください。

籾すり機に使うもみすりロールとは?交換時期や長持ちアドバイスなど

また選別板の角度があっていない、または選別板が摩耗しているということも考えられます。選別板の角度があっていないとうまく選別されず籾付きの玄米などが排出されて籾摺りができていないということになります。その場合は混合米が排出されて板全体に広がる角度にうまく調整しましょう。板が摩耗している場合は交換が必要です。

送風ダクトの風が弱いと籾殻を吹き飛ばしてくれないため籾殻がよくまじります。強すぎると玄米ごと吹っ飛んでしまいますが、少し強めに風を調整しましょう。

解決方法

  • もみすりロールの隙間の調整
  • もみすりロールの交換
  • 選別板の角度の調整
  • 送風ダクトの風を強くする

籾すり機が動きがおかしい、または止まる

まずはもみすりロールの隙間調整する前にちゃんとレバーを0に下げたかを確認しましょう。一箇所に負荷がかかるだけで籾すり機は止まります。

籾すり機がうまく動いていない場合は基本的にどこか詰まっていると考えましょう。後で説明しますが籾すり機の掃除は必須事項です。それだけよく詰まる機械になります。

とりあえず動きがおかしい場合はどこか詰まっていると仮定して以下のことをしてみましょう。

  • 送風ダクトの設置と強さを確認する→強すぎると詰まりの原因
  • カバーというカバーを開けて掃除する
  • ベルトが詰まって動かない場合は動くようになるまで手動で回す

上でも書きましたが送風ダクトの風の強さを確認してみましょう。風が弱すぎると籾殻が混じってしまいますが逆に強すぎると飛ばす量が多く2番排出口が詰まってしまうことがあります。風量を調節しましょう。選別版と2番排出口に籾殻がなくなるまでの風量が丁度いい風量となります。

ベルトがうまく回っていない場合は手でベルトを回し動きがスムーズになるまで動かしましょう。その後リスタートして動きを見ましょう。その時は籾すり機を止めてコンセントも抜いてから行いましょう。

詰まっているなと思ったとき、思わなくてもカバーというカバーを全部開けて掃除してみましょう。もちろんつまりの原因がわかっている場合はそこだけでも大丈夫ですが、思ってもないところが意外と詰まっていることもあります。私も籾すり機の掃除をしたことがありますが意外に空く場所は多いです。吊りタンクや昇降機も意外に詰まっています。

掃除をしたらしっかりとカバーをはめましょう。しっかりハマッていなくてネズミや虫が入り込んでいることもあります。

解決方法

  • もみすりロールの隙間調整の前にレバーを0にしたか
  • 送風ダクトの風の強さの調整
  • 詰まっている場所を掃除
  • カバーはしっかり閉まっているか
  • ベルトを手動でスムーズに動くまで回す

籾が溢れる

籾すり機から籾が漏れて来る場合または溢れる場合は以下の理由が考えられます。

  • ホッパー内部の隙間テープが摩耗している
  • 唐箕部が古くなり穴が空いている

となります。

まずはホッパー部を外して内部の籾が落ちていく穴の周りのテープが剥がれていることや摩耗して隙間ができている場合があります。その場合は窓などに貼る隙間テープを買ってきてテープを交換しましょう。その時古いものはカッターやヘラなどでしっかり剥がしきりましょう。

また信じられないかもしれませんが、籾摺りをしていると籾で籾すり機の唐箕部分の板が摩耗されて穴が空いてしまうことがあります。その場合は交換しましょう。

隙間テープ
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籾すり機の掃除と点検

籾すり機は故障こそ実は少ないのですが、トラブルが多い機種になります。そのトラブルの多くは上に上げたような理由ですが掃除と点検をしっかりすることでトラブルを減らすことができます。

また使う前と収穫時期が終わってしばらく使わない場合は確実のきれいに掃除をしましょう。掃除をしないとそれだけで詰まったりネズミや虫の巣になりやすくなります。巣になることでやはり詰まりやすくなります。基本的に

カバーというカバーをすべて外してエアーブロアなどで掃除しましょう。見えていないにも詰まっていることが多いのでしっかり口を覗き込むようにして掃除しましょう。

注意ポイントとしては

  • サタケネオライスマスターには返り籾排出ツマミを外すことで開けられるカバーがある
  • 昇降機はネズミが巣を作りやすい
  • 残米レバーや2番レバーを開けて掃除、終わったら閉める
  • スロワや唐箕部などの鉄板に穴があいてないか・ガタツキなども点検
  • もみすりロールやスロワ羽・丸・Vベルトの摩耗
  • 吊りタンクの詰まりやバネの状態
  • ガソリン動力の場合しばらく使わないときは燃料を抜く

となります。

掃除について

とにかく籾すり機はお米などがありとあらゆる場所に散りばめられていてネズミや虫が入り込みやすく住み着いてしまいやすい機械です。虫の巣やネズミの毛などが詰まりの原因となりますのでしっかり掃除してできるだけネズミや虫を避けましょう。中にはネズミを狙ってか蛇が潜り込むこともあるようです。

掃除のときに空ける残米レバーや2番レバーなどは掃除が終わったらしっかり締めましょう。締め忘れると使うときに故障やトラブルの原因やネズミが入り込む原因になります。

基本掃除はエアーを吹きかけるというものになります。エアーコンプレッサーや吹きかけノズルなどを用意しておきましょう。缶のエアスプレーでは足りません。

点検について

籾すり機には摩耗しやすい部分があります。それがもみすりロール・丸ベルト・Vベルト、そしてスロワ羽ゴムです。個々の部分はしっかりと点検し必要であれば交換しましょう。もみすりロールの交換時期どのもみすりロールを選べばよいかは以前に記事にしていますのでご参考にしていただければ幸いです。

丸ベルトはVベルトの奥の方にあるベルトとなります。実はこの丸ベルトは切れていれも籾すり機自体は使えはするため気づいていない人も多いようです。籾を安定的にロールへ送るためのベルトとなるため切れてしますともみすりロールの場所で詰まりやすくなります。切れたら交換しましょう。説明書に型番やサイズが載っています。

籾すり機 丸ベルト
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スロワの羽はゴム部とスロワの隙間が1mmくらいになるように調節しましょう。実はそれ以上空いていても問題なく使えたりはします。ただ摩耗がひどい場合は交換しましょう。

Vベルトも摩耗が起こりやすい場所です。籾すり機が空回りしているような音がしたり点検時にゴムに割れがある場合は交換時期となります。籾すり機に使うVベルトもベルトの型番は大抵説明書に書いてありますが、ゴムを外して裏面に刻印してあったりします。

農機具用Vベルトの種類

農機具でつかうVベルトもいくつか種類があります。大きく分けると

  • 強度
  • 太さ

です。まずは強さは色でわかります。ゴムに印刷してある色が

に分かれていて赤が強度が一番弱く、金色が一番強いゴムとなります。太さは

  • M 幅10mm厚さ5.5mm
  • A 幅12.5mm厚さ9mm
  • B 幅16.5mm厚さ11mm
  • C 幅22mm厚さ14mm

で分かれます。上からMが一番細く下のCが一番太い順番で並べています。もし刻印や印刷が擦れている場合は幅を測って見ましょう。

間違ったものを選ばないように説明書で見るかベルト裏の刻印や幅の太さ、かすれてしまったカラーなどで判断しましょう。またVベルトを切って端から端までメジャーで測りインチで当てはめてもわかります。例えば

LB-52

という型番の場合端から端までが52inchのベルトということになります。

まとめ

今回は籾すり機を使う際によく起こりがちなトラブルとその対処法をまとめました。ただトラブルの多くは

掃除不足

です。きちんとカバーを外して排出口の穴の隅々まで籾殻やゴミを吹き飛ばしましょう。ネズミの毛や虫の巣になって塊ができて詰まってしまっている場合もありますので、虫は難しいですがネズミが入り込まないように使わない間はしっかりとレバーを閉じましょう。

またロールや羽・ベルトなどはきちんと摩耗具合をチェックして必要に応じて交換しましょう。それらが摩耗していると籾摺りがまともにできなくなります。型番や説明書をみて自分の使っている籾すり機にある消耗品を選びましょう。

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