庭に雑草が生えて見栄えが悪いから防草シートを敷きたいという方や、防草シートを貼って砂利を敷きたいという方たなど防草シートを敷こうと思っている方は多いと思います。
ご家庭の庭や農業用のハウス周りや土木工事での雑草対策として防草シートは多くの場面で使われています。ここ最近では太陽光発電所建設の工事が数多く行われていて、その際の敷地にも防草シートを使うのでさらに土木工事での使用度も増えてきています。
ですが、防草シートと一重にいっても調べてみると星の数ほどでてきます。それで今回は防草シートの選び方の基本をお話します。これを読めば防草シートにどんな種類があって、どの防草シートを選べば良いのかがわかります。
年間数多くの農業系、土木系の展示会に赴き、多くの資材メーカーさんとお話をする機会の多い管理人が、自身で働く資材屋での人気やメーカーや問屋さんの営業さんからきいた情報を踏まえてお話します。
防草シートの選び方を知ろう
防草シートを選ぶにあたっての知っておかなくてはいけない基準があります。どこにどんな状況下で使うかなどによって選ぶ基準は変わってくるのですが、まずはどんな状況下で使うのか、です。防草シートを
- 暴露状態(剥き出し状態)で使う
- 砂利を敷き詰める下地として使う
の2つの使い方が基本となります。それを決めてから防草シートを幾つかのスペックをみて決めていきましょう。それは
- 色
- 素材
- サイズ
- 厚さ
- 耐候年数(剥き出し状態か砂利下の状態かによっても違う)
です。それぞれ詳しく説明していきます。
防草シートの色での違いとは
基本的に防草シートのカラーは4色が思い浮かぶことと思います。それは
- 黒
- 緑
- 茶色
- 白
が一般的ですね。もっというと基本的に緑か黒が売れ筋です。中にはグレーなどもありますが、グレーは黒みたいなものと考えてもOKです。ではどんな時にどの色を選ぶか説明していきます。
黒い防草シート
黒は一番の定番そして基本色。
そして基本防草シートは厚みが厚いほど光を通しにくく、さらに色が黒色の場合は遮光率が高く光を通しにくいです。つまり草の成長に必要な太陽を遮り成長や目が出てくるのを抑える効果が色的には一番高いということになります。
ただ黒というのは曝露状態、つまりむき出しの状態だと自然にない色で目立ってしまいます。主に砂利下などに使う場合が多いか、目立っても気にしない場合に貼ります。
緑の防草シート
緑は基本的に剥き出しで使用する場合に見た目重視でつかわれます
車で走っているとき、公園や土手などに緑のシートが地面に貼ってあるのを見たことがある人も多いと思います。そう道路脇の緑地帯では緑が選ばれます。自然の色に近く、景観を壊さない効果があるというのも理由の一つ。
また基本的にどのメーカーも大抵は緑を出しているので、色が緑と決まっていても様々なメーカーから自分にあったものを探せるという利点があります。
茶色の防草シート
黒、緑についで使われることが増えているのが茶色。
茶色は、土木工事などで地面の色をそっくりなので、緑同様目に見えるむき出しで使われことがおおいですが、実は砂利下での使用にもかなり使い勝手がいいんです。
理由は砂利下に敷いてシートが見えた時に、違和感の少ないブラウンが欲しいといった声がおおくできた色です。個人の家庭など住宅周囲に砂利を敷く場合などは基本茶色を使用されています。
白い防草シート
そして白。普通の方は白?と疑問に思うかもしれません。
ですが、農業の現場はよくつかわれているんです。理由は太陽光の反射を利用して果実などの作物に下からも光を当てる為。そうすることによって果実の色づきや糖度をあげることができるからです。
また最近は、白色表面で集光効果が高いという理由で太陽光発電で太陽光パネルへの光の反射を活かすために白い防草シートが選ばれます。使いどころが限られている業者用のシートです。
果実農園に特に好まれ、日差しの少ない時期に貼るところも多いようです。また多少虫除け効果もあるものもあり農作物などでは特に使われるカラーになっています。
防草シートの素材形状について
まずは防草シートの織り方というか作られ方には大きく分けて2種類があるのご存じでしたか?それは
- 不織布
- 織布
となります。簡単に言えば、読んで字の通り防草シートが織り込んで作ってあるか、ないか。そしてこの2つは密度というものが関係してきます。もちろん密度が高いほうが防草効果は高いです。詳しく説明していきます。
不織布タイプの防草シート
上の2つはどちらも不織布の防草シートになります。その名の通り、織り目がありません。素材の特徴については下でお話しますが、上がポリエステルで下がポリエステルのフェルトになります。フェルトは耐候性が上がりますが、密度が落ちます。上と下が合わさったようなタイプも存在します。
ザバーンも不織布タイプの防草シートです。不織布の防草シートのメリットは
メリット
- どの方向から引っ張られても強度が均一
- 切り込みを入れても裂けやほつれが発生しにくい
- 厚みを簡単に変更できる
- 剥き出しで使用しても経年劣化による隙間が出来づらい
- チガヤやスギナなどの強害雑草を抑える(薄手のシートは除く。下に説明あり)
- 光を殆ど通さず透水性が良いのでハウス内の通路等に利用するので業者御用達の効果
織っていない為、その密度によって葉先の尖った雑草の抑止効果に差がでます。ただ不織布であっても密度が低く柔らかい防草シートは、葉先の尖った雑草は突き抜けてきます。そのため葉先の尖った強力雑草を抑えるのであれば高密度の防草シートを選んでください。
またデメリットは
デメリット
- 基本的に値段が高い
- 人が上で歩き回る場合は弱い
となります。不織布は値段が少し高くなってしまい、さらに引張強度は織布の方が高いため、人が上で歩き回る場合は同じ価格帯や耐用年数だと織布の方に軍配が上がります。ですが基本的には織布より不織布のほうが防草効果は高くなります。
織布タイプの防草シート
写真の方に編み物のように作られているのが織布の防草シートとなります。その見た目からクロスシートともいわれます。織り込まれているのでどうしても隙間が不織布に比べるとでてしまいます。メリットをみていくと
メリット
- 繊維を織り込んでいるため、ひっぱり強度が強い
- 不織布にくらべて比較的安価
- 広い場所にさっと敷く場合にコストパフォーマンスに優れる
繊維を折り込むので引張強度が高くなり、上で人が歩き回る砂利下などには最適です。また安価なものが多くお財布にも優しいという特徴があります。ただデメリットをあげていくと
デメリット
- 一度ほつれると穴が広がりやすい
- 突き抜け性の高いチガヤ、スギナなどは防げない。(シートの隙間から芽を出す)
- 遮光性は落ちる
織布タイプは織り込まれているため、どうしても隙間から光が漏れたり、強い雑草が突き破ってきたりしやすくなってしまいます。ただ厚さを気にすると、不織布より薄くても対抗年数はあります。
どちらを選ぶべきか
どちらを選ぶべきか悩んでいる場合は
- 不織布を選ぶべき人は主に業務で防草シートを使う人
- 織布は安価で防草シートを敷きたい人
です。とはいえ、大きく分けると不織布と織布ですが、業務用となると不織布とフェルトをあわせたものや、アスファルトシートを挟んだものまであり、それらは耐用年数が20年を超えてきます。また遮水シートいりの特殊な防草シートなどもあります。
また巷に安価な不織布シートがありますが、防草効果がない不織布シートも当然あり、それらを間違って使ってしまう人もいるので、よく注意して選びましょう。
防草シートの素材ついて
素材は基本的に耐久性のあるポリエステルと環境に優しいポリプロピレンがよくあります。簡単にそれぞれの特徴を説明すると
ポリエステル
ポリエステルは防草シートに使われる素材の中で耐久性に優れています。熱や紫外線劣化に強いが、ポリプロピレン、ポリエチレンは、熱や紫外線劣化に弱い特徴があります。ただ経年によって加水分解がおこる
ポリプロピレン
ポリプロピレンは焼却処分する時に有害な物質を出さないこともあり環境に優しい素材といえますが紫外線には弱いです。
有名なザバーンもこのタイプで、この紫外線に弱い面を耐候剤を練り込んで強化することで防草シートとして機能するようになっています。耐薬性(酸性、アルカリ)、速乾性があり、引張り強度にも優れています。
防草シートの遮光率
遮光率の低いシートは、太陽の光が防げず防草シート下の雑草の光合成を止めることが出来ません。一方遮光率の高い防草シートは光合成を抑止し、シート下の雑草を枯らして最終的に絶やすことが出来ます。
遮光率は商品説明に結構書いてあることが多いのでよく読んでみてください。できるだけ雑草を絶やすためには遮光率の高い防草シートを選ぶのが基本です。
織布の場合はフィルム状の繊維を縦糸・横糸として織られたものが一般的ですが、そのフィルムの厚みが厚い防草シートは光を通しにくいです。そして上でもあげましたが、フィルムの色が黒色の場合は遮光率が高く、光を通しにくいです。
反対に、フィルムの厚みが薄く色が薄い防草シートは、遮光率が低く光を通しやすいです。その他、織密度(織り目の細かさ)によっても遮光率は変わってきます。織り目が細かければ光を通しにくくなります。ちゃんとしたメーカーのものは織布では0.8mm以上で遮光率99%、不織布では0.5mm以上で99%となります。
不織布防草シートの厚さによる使い方と耐用年数の関係
防草シートの使い方は厚さによって変わってきます。また大体の厚さで耐用年数も大体おなじになってきます。厚さと使い方の大体の考え方は下記になります。
厚さ(mm) | 推奨使用方法 | 耐用年数 |
0.3 | 砂利下 | ~3年 |
0.4 | 砂利下 | 約5年 |
0.5 | 砂利下・暴露 | 約5年 |
0.6~ | 暴露 | 約5年~ |
2~ | 暴露 | 約10年以上 |
もちろん耐用年数は大体の目安となりますが、多くのちゃんとしたメーカーはこれくらいになります。ただ砂利下用のものを暴露で使った場合は、下手をすると耐用年数関係なく1年も持たずに破れてきたりして使い物にならなくなります。また中国製のものの中には粗悪なものもあります。
ザバーンでさえも本国では240タイプも造りが甘く光が漏れるほどで暴露用ではありませんでした。しかしなぜか日本でだけ暴露でも使えると謳っているというのが昔はありました。そのときは暴露では3年ほどで寿命が来るパターンもあったようです。ただ現在はザバーン自体改良されています。
編み方や色に加え、厚さも選択の際によく注意していきましょう。
まとめ
今回は防草シートの勉強という形で、防草シートとはなんぞや、どんな種類のものがあるのかという説明を書いてみました。また防草シートを買ったはいいけど貼り方や必要な道具がわからないという方はそれぞれ記事にしてみたので下記を参考にしてみてください。
で結局何を使えばいいの?と思う方もいらっしゃると思うので、それに関しての記事も書いていきます。用途別に防草シートをまとめると以下のようになるかなと考えたので、それぞれの記事も書きましたのでご参考までに読んでいただけましたら幸いです。
に分かれると思いますので、それぞれでまた比較などをしていきお話していきたいと思います。