防草シートや除草シート・草よけシートについて調べるとほぼ100%でてくる「ザバーン」という単語。わからない人には全くわかりませんが、防草シート業界ではNo1といっても過言でないほど認知度が高く人気のある防草シートです。
今回はそんなザバーンについてまとめてみました。防草シートのザバーンと調べると茶色のものだったり、なぜかプランテックスというのがヒットしたり240Gだのいろいろなよくわからない単語が出てくると思います。
今回は多くの農業・土木系展示会に数多く出席し様々なメーカーの方とお話する機会の多い管理人が実際に聞いた話や初心者の頃に疑問に思って聞いたことをお話します。
この記事を読めばどのザバーンを選べばいいのか、ザバーンについて全て理解できます。
ザバーンって日本製?
一番気になるのはザバーンが日本製かどうかですよね。これを答えるにはまずザバーンに使われている繊維からお話する必要があります。
実はザバーンに使われている繊維、つまり不織布は前に個々の記事でも紹介したタイベックと同じ会社のものです。つまりアメリカのデュポン社がもっている特許技術のポリプロピレン不織布をつかって作られている防草シートで日本製ではありません。
軽くて丈夫さらに萌えても有害物質がでない素材を使っており、防草シートとしても抜群の透水性を持っていて水と空気を通すため水たまりもできません。目詰まりもしにくいため土壌の乾燥を防いでくれます。そして施工しやすいほつれにくい構造をしています。
よく調べるとザバーンにRがついているのはそのためです。ただ「ザバーン」に限っては日本の代理店は決まっていてグリーンフィールドさんがザバーンを販売しています。
ですのでホームセンターやインターネットでみるザバーンはそれぞれの店舗がグリーンフィールドから仕入れているということになりますね。
ザバーンの種類とその違い
ザバーンと調べると240G・350Gとかプランテックスとかいろいろなものが出てきます。それぞれ違いや特徴を解説していきます。プランテックスとザバーン136Gは車などが乗ることができませんが、他は砂利下であれば可能です。
プランテックス
プランテックスは実は昔はザバーンと呼ばれていました。ただ分かりづらいということでプランテックスという名前で今では売り出されています。
砂利下に使うことを想定した125BB(1x50,2x50)という厚み0.4mmのものと厚さ0.64mmの240BB(1x30,2x30)があります。BBは裏がブラック、表がブラウンのことで表と裏の色を表しています。どちらも家庭用としては使えますが、本格的に防草を考えたいといった場合は不向きです。
耐用年数は3~5年とされています。プランテックスがザバーンを同じ素材かというとそうではなくザバーンはプランテックスの約2倍耐候剤が含まれています。
また面白いことにザバーンと違ってプランテックスは輸入代行会社が3社くらいあるようでザバーンと違うようです。
ザバーン136G
ここからは色は緑色の防草シート「ザバーン」のご紹介です。
ザバーン136Gは耐候年数が曝露(砂利などの下ではなく表ざらしの状態)で3年ほどです。厚さは0.4mでザバーンの中ではプロ向けというよりは家庭向けのスタンダードなタイプになります。
サイズは1x50mと2x50mがあります。240Gや350Gと比べると若干性能が落ちるためオオバコやたんぽぽ、ナズナなどのあまり強くない雑草に有効です。
ザバーンと名がつくものは砂利下などでは半永久的に耐用年数があると言われています。
ザバーン240G
ここからはプロ向けの土木工事などに使われるザバーンとなります。まずは240G。こちらはむき出し状態の耐候年数10年ほどです。
136Gよりも耐紫外線を強力にしたもので厚さは0.64mmになります。強力なためスギナ、チガヤ、ヨシ、笹、セイタカアワダチソウなどにも有効です。また今までのものと違い砂利下であれば車が上に乗っても大丈夫です。
ザバーン350G
ザバーンの中でも最強クラスの防草シートです。耐候年数は曝露状態で15年!ここまでのものは中々ありません。高耐久の強力タイプです。厚さは0.8mmです。スギナ、チガヤ、ヨシ、イネ系の雑草などの貫通性の高い雑草にも有効なザバーンです。
350Gはあらかじめ縦横に50cmピッチで印が印字されていてピンを打つ場合やシートを重ねる場合に使えます。
砂利下であれば歩行にも車の駐車場などにも対応します。サイズは2x30と1x30となっています。
ザバーンの施工に必要なもの
ザバーンだけ買っても施工はできません。防草シートを施工するには必要なものがあります。
- 固定ピン
- 防草ワッシャー
- 接続テープ
- ボンド
などが必要になってきます。今回はグリーンフィールドのものをご紹介します。もちろんグリーンフィールド以外にもたくさん防草シート施工用品はありますが、ザバーンを使う場合はザバーンの色にあったものを使うことできれいに施工できるので、できるだけグリーンフィールドのものを使うようにしてください。
他のものはこちらにもまとめてあります。
防草シート固定ピン
固定ピンにはたくさんの種類があります。U字型をしているUピンや大工が使う釘のような大頭釘などがあります。各メーカーたくさん出ています。ただ今回は折角だからザバーン用のグリーンフィールドが出しているピンを紹介します。
基本的に地盤によってピンを選ぶのですが、基準は下のようになります。
ピンの間隔は通常50cm間隔ですが、地盤などの状態によって増やしたりしてください。通常であれば2x30mを一本施工するのに300本のピンが必要になります。
防草シートワッシャー
グリーンフィールドのU字ピンとL型ピンを使う場合はワッシャーを使います。防草シートを効率よく抑えることができて僅かなピン穴から生えてくる雑草もカットできます。プランテックスには茶色、ザバーンには緑を使います。
ちなみにガンコ品にはパッチシールが付属としてついているので心配ありません。
防草シートテープ
これは防草シートの重ねる部分や際の部分、障害物の部分などの切り込みにつかうテープです。また重ね部にはピンとワッシャーと併用して使うことで防草シートでよくある風にめくれるということへの対応ができます。
直接施工の見た目に影響してくるものなのでここはケチらず買ったほうがいいです。ザバーンはグリーン、プランテックスの施工には茶をつかいましょう。
GFボンド
カートリッジ式のザバーン専用ボンドで、コンクリートやアスファルト部への防草シート接着に使用します。防草シート同士にも使えます。
1本で約15~20mの接着ができるますが、水分にある状況では接着はできませんので貼れてる日に施工してください。大体乾くまで1~2日程度かかります。
ザバーンの施工方法のコツ
防草シートの施工と同じですが、まずは除草は必ずしてください。防草シートを貼って1年後ぐらいにピンやワッシャーの浮きが出てきた場合は風などの影響で剥がれかかっているのでピンを押し込んでおきましょう。
施工も法面に向かって横張りをすると早く少人数で施工できますが、グリーンフィールドさんは縦張りをオススメしています。理由は
- カーブのある現場にも対応しやすい
- 施工したい全面に無駄なく施工しやすい
- 仕上がりが綺麗
という理由だそうです。カーブのある場所は縦張りでないと中々難しくなります。そして補修や張替えも容易にできることも理由の一つです。コツをまとめてみました
- 真っ直ぐな法面長2m以内以外は縦張り
- ピンは50cm間隔
- シート重ねは10cm以上重ねる
- 固定ピンは角度を変えると入ることがある
- 端や溝などはテープやボンドを使って固定
以上のことを頭に入れて施工しましょう。基本的な施工方法はこちらの記事へ
まとめ
今回は防草シートでいちばん有名なザバーンについてまとめました。ザバーンは一番人気の信頼性の高い防草シートです。もちろん他にもたくさんいいものはありますが、逆に粗悪なものもたくさんあります。
困ったら防草シートはザバーンを使っておけば間違いありません。
その他状況別の防草シートのおすすめはこちらの記事へ