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盆栽道具の種類と違い!それぞれの使い方とは?初心者におすすめは盆栽セット

※この記事はプロモーションを含みます。

世界中で人気の日本の文化盆栽。盆栽を始めてみようと思う方はかなり多くいらっしゃるとは思いますが盆栽道具は意外に沢山種類があります。

鋏だけでも剪定鋏に盆栽鋏、足長盆栽鋏、針金切に大久保鋏などがあり、さらには奴床にピンセット、ブラシにコブ切など種類がありすぎてよくわかりません。一回一回覚えても最初のうちはこんがらがってしまいます。

今回はそんな代表的な盆栽で使う道具を一覧としてまとめてみました。初心者の方や玄人の方でも、もしどれがどれだかわからなくなって整理されたい方へおすすめの記事です。おすすめできる有名な盆栽メーカーさんについてはこちらの記事で説明していますので合わせてご覧ください。

おすすめの盆栽鋏などの道具ブランドをご紹介!各メーカーの特徴や違いとは

毎年工具やツールの展示会に出席する管理人が様々な工具・ツールのメーカーさんとお話して聞いたお話や、自身が働く資材屋での人気や口コミなどを踏まえてお話します。

盆栽道具の種類

今回説明するにあたって盆栽道具を以下のように大きく分けてお話したいと思います。

  • 盆栽鋏
  • 針金切
  • 彫刻刀
  • やっとこ・コブ切
  • その他

鋏系とペンチ系、彫刻刀系、ニッパー系、そしてそれ以外に形的に分けてみました。どれを選んでいい初心者の方にも後ほど初心者用のセットもご紹介したいと思いますが、まずは初心者セットに含まれているものがどんなものか覚えてみましょう。

盆栽鋏の種類と違い

まずは盆栽鋏についてお話していきます。盆栽鋏を大きく分けると

  • 盆栽鋏
  • さつき鋏
  • 小枝切鋏
  • 足長盆栽鋏
  • 大久保鋏

となります。盆栽鋏は簡単に言うと枝を切るための鋏です。どんな太さの枝を切りたいかによって選び方は変わってきて一般的には

  • 剪定鋏・大久保鋏・植木鋏は太い枝に
  • 込み入った場所の枝切りには小枝切・さつき鋏・足長盆栽鋏

と言った感じで使い分けます。鋏自体の素材も鉄・鋼・ステンレスなどが使われますが、それら素材の説明はまた別の機会にお話します。ステンレス製はやはり錆びにくいのでお手入れの手間が楽になります。

工具や金具によく使われるメッキ処理の種類と特徴

それではそれぞれ説明していきます。

盆栽鋏

盆栽のお手入れに昔から一般的に使われていた形です。枝切りの他にも芽摘み、細い根切などにも使われています。

様々な長さや形があり、次から説明する小ぶりの鋏は総じて「盆栽鋏」と呼ばれることもあり、そういった意味では小枝から太枝まで形や大きさによって使えます。180mmの鋏で3mmくらいの枝を切るのがちょうどいいでしょう。小さい盆栽だと使いにくいので中品盆栽以上におすすめです。

盆栽鋏は後に説明する大久保鋏を細くスリムにした形状で、さつき鋏と足長盆栽鋏ができるまでは主流で使われていました。ですがまだまだ喜久和さんや兼進さんなど有名盆栽メーカーさんでも扱っています。

さつき鋏

大久保鋏を細くスリムにし更に持ち手の輪を小さくした細枝用の鋏がさつき鋏です。奥まったところの剪定が得意で盆栽用として一番ポピュラーな形状の鋏となり、小ぶりながらハンドルも長く先が細いため入り組んだ枝の剪定に便利です。

小枝切、葉切り、芽摘みなど様々な用途に使えるため初心者にまずおすすめできるのがこの鋏となり、盆栽界隈でも最も使われている主流とも呼べる鋏となります。

細かくお話するとハンドルに隙間を造ることで刃の開閉がしやすく、指先を使った長い時間使っていられる鋏です。3mm程度までの極細の枝は切れますが、枝の固さによってはハンドルが曲がってしまう可能性がありますので、芽切りなどの用途に使うことをお奨めいたします。

ちなみにこのさつき鋏は、埼玉の大宮盆栽村より持ち帰った鋏を参考にし、新潟の三条の植木鋏メーカーである源造刃物で作られたもので、名付け親もこちらの常務さんとのことです。

小枝切鋏

正直さつき鋏との違いがあまりありません。さつき鋏と同じく形がシュッとしているので、盆栽の込み入った場所の細枝の剪定に使用します。

盆栽だけでなく植木などにも使え剪定鋏の使い方になれない方が普通の鋏のように使えるため、初心者にもおすすめできる鋏です。各メーカーに絶対ある鋏ですのでお気に入りのメーカーのものを使いましょう。

足長盆栽鋏

大久保鋏を細くスリムにしたのが盆栽鋏ですが、その鋏をさらに持ち手の輪を小さくしハンドル(柄)も長くしたのが足長盆栽鋏と言われます。さつき鋏や小枝切鋏と似ていますがハンドルの部分に膨らみがあります。

小枝切鋏などと同じく枝の張った盆栽でも枝を傷めず、奥まで枝の手入れができるのが利点で、先細になっているので繊細な作業をしやすい鋏です。小さい盆栽だと使いにくいので中品から大物盆栽に適しています。

こちらも新潟の三条の刃物メーカーであるツボタさんが最初につくったと言われており、現在盆栽で使う主流鋏の一つとなっています。

大久保鋏

大久保鋏は植木鋏の一種です。植木鋏というとその名との通り植木の細い枝や葉、傷んだ茎などを切る鋏です。簡単に言うと剪定鋏が使いにくい人のために鋏の形をしたものだと思えばわかりやすいですが剪定鋏のよりも細い枝向きですが盆栽鋏より太い枝を切れます。

剪定鋏と違いバネがないので疲れにくく細かいところまで切るところができ、大久保鋏や華道鋏なども大きく言うと植木鋏となります。

大久保鋏に話を戻すと庭木のお手入れに最もよく使われる鋏で盆栽鋏としてもつかえる植木鋏です。上でもお話しましたが盆栽鋏は大久保鋏をもととして作られており、さつき鋏や足長盆栽鋏はその盆栽鋏を更に改良して作られているため盆栽鋏の雛形とも言うことができます。

盆栽用の針金を切る針金切鋏

盆栽でよく使う針金を切る専用の鋏もあります。形状を大きく分けると

  • 鋏タイプ
  • ニッパータイプ

の2種類があります。

ニッパーなどでもいいといえばいいのですが盆栽用の針金は細く、さらに奥まった場所に使うことあるためニッパーが入らないこともあります。そのため盆栽用の針金切鋏は先端がシュッとしているため奥まで届き安くなっています。

また小さい分細かい作業もしやすくなっており、食い込んだ針金なども切りやすくなっています。切断能力は太さや針金の素材などがあり、各鋏で切断できるものや太さが違うのでよく読んで選びましょう。

大体ニッパータイプが2mm以上で鋏タイプが2mm未満の線に使います。

ハサミタイプもニッパータイプも支点と刃の距離が短く、より力が入るので太い針金でも簡単に切ることができようになっているのが特徴です。

針金切 ニッパータイプ
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盆栽で使う彫刻刀や鋸

盆栽では彫刻刀やノコギリなども使います。ノコギリはまだ果樹などの植木でも使うことがあるものの彫刻刀などを使うというのは想像しにくいのではないでしょうか。そのような盆栽の枝を切ったりシャリ(舎利)やジン(神)(盆栽の枯れて白骨化した部分の幹と枝の呼び方)を削ったりする道具を上げると

  • のこぎり:剪定鋏では切れないような太い枝や根、幹を切る
  • 切出小刀:接木用だけでなく切断面の整形に
  • 彫刻刀:盆栽用のジンやシャリを削ったり、剪定後の傷口を削る
  • 神作刀:盆栽のジン・シャリ作りの皮むきに
  • ノミ:接木に使用したり、樹木を削るのに使用

などがあります。

ノコギリは普通のノコギリよりも細くて小さいナイフにギザギザがついたような形をしています。もちろん小品盆栽用には細鋸が使いやすいです。

他の4つは主に接木用切出や剪定跡の傷を目立たないように削ったり、取り木の環状剥皮、ジン・シャリづくりの剥皮、挿し木などなど様々な用途に使えます。カッターナイフなどでも代用はできるのですが手元が安定しにくくなります。

また電動のノミやリューターなどもあります。

盆栽用電動彫刻機
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盆栽のケアをする小道具

切ったり削ったりする他にも掃除や芽摘みをする道具があります。簡単に説明していきます。

盆栽ブラシ

細かいところを磨けるブラシでナイロン製やステンレス製のものなどがあります。用途としては盆栽のお手入れ後の掃除に使います。木の又の部分の掃除が特にしやすく重宝します。

ピンセット

松の葉を抜いたり芽摘みをするときに使うのが盆栽用ピンセットです。先端部分の内側のギザがあるタイプとないタイプがあります。他にも雑草や虫を取ったりヘラを使って土や苔を押さえたりといろいろな用途に使えます。

盆栽用ピンセット
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ジャッキ

盆栽用ジャッキは針金ではできないレベルの幹や枝の曲付け作業に使います。いろいろな形がありますが上のものは喜久和さんで作られている形になります。枝と枝を寄せたり、逆に広げるよう使うことができます。

他にも下のようなジャッキはがあります。

ペンチ・喰切タイプの盆栽道具

他にもペンチや喰切のような形をした盆栽道具があります。上で上げた針金切もこのようなタイプの形をしているものもあります。似ているようでそれぞれ用途が違いますのでこちらも説明していきます。

コブ切・根切・又枝切・幹割は細かな用途は違いますが、基本的に枝を太さによって切り分ける鋏の種類です。

やっとこ

ヤットコは針金をつかんだりねじったりする道具でラジオペンチと同じ働きをします。なのでラジオペンチでも代用できます。

針金をつかった樹の固定や鉢底網の固定など細かい針金曲げ作業する時に使います。またジンやシャリを入れる時に樹皮を剥いていく作業にも使います。盆栽用には狭い枝先にも入るように先細のものを使いましょう

スプリングがついているタイプとないタイプがありますので使いやすい方を選びましょう。

コブ切・・根切

剪定跡に出来る切り残し・木の幹や枝のコブなどを「元」からえぐり取る時につかう喰切のような形をした鋏になります。

コブ切は刃が丸くなっておりコブをえぐり取れるようになっています。

又枝切

こちらもその名の通り枝を切り取る鋏です。その名の通り又枝のあとを残さずキレイなかたちで枝取りができます。切り口はえぐった状態になり巻き込みが早くなりやすくなります。

基本的には又枝切は斜めに刃がついており枝を切りやすくなっています。切る枝によって大きさを選びます。

又枝切の場合は刃先の形状が

  • 直刃
  • 丸刃

の2種類のタイプがあり切り口が変わってきますので選ぶときは気をつけましょう。ちなみに兼進さんでつくっている又枝切やコブ切は刃が重なるようになっており刃がかち合うのを防ぎ長く使えるようにな工夫して作られています。

直刃はほぼ水平に枝を切り取るので、傷口に肉が上がって跡が残ることがよくあります。その時は切出小刀などを使いきれいに傷口を削っていく必要があります。ですが丸刃であれば最初から枝をえぐるように切断できるのため跡の削り作業を省略できます。

根切

その名の通り根を切るのが目的ですが、他の鋏では切りにくい太めの幹や枝にも使われます。見た目はコブきりにそっくりですが、コブ切より刃先が平らになっており地面にある根に特化しているのがわかります。

断面が平らに近くなるように枝を切る時などにも使います。

幹割

根切よりもさらに刃が直線になっており刃の幅が広くなっているため切断面がまっすぐに割れが入らないように切ることができる鋏です。太い枝や根を切りやすいように力が入りやすくなっています。堅いジンやシャリにも効果を発揮できます。

何を選んだらいいかわからない初心者用盆栽セット

ここまで盆栽用の鋏を中心に道具を紹介してきましたが、使い分けも用途も同じようで違うようでどれを選べばいいのかわからない方も初心者を含めたくさんいらっしゃると思います。

そんな人達のために各メーカーさんは最低限必要なものやプラスαを揃えた盆栽セットを出しています。簡単に見てみると

  • 3点セット(お手入れセット):さつき鋏・針金切・ピンセット(熊手付き
  • 5点セット:さつき鋏・針金切・ピンセット・又枝切・やっとこ(盆栽鋏や足長盆栽鋏のところも)
  • 8点セット:さつき鋏・又枝切・針金切・やっとこ・ピンセット・芽切鋏・コブ切・剪定鋏(ほうき・根かき・クリーナーの場合も)
  • 10点セット:足長盆栽鋏・又枝切・さつき鋏・針金切・やっとこ・鋸・ピンセット・根かき・クリーナー・ほうき

があり、他にも4点・7点セットなど用意されているところもあります。メーカーによってお手入れセットをつけるかつけないかで内容は変わってきますが、初心者であればお手入れセット付きのほうがいいでしょう。

まとめ

盆栽道具はお手入れなどもいれると他にも

  • ほうき
  • 根かき
  • 肥料
  • 盆栽台
  • 針金

など数多くあります。その中で今回は鋏を中心に紹介しました。

まとめると今回は盆栽鋏と呼ばれるさつき鋏、足長盆栽鋏、小枝切鋏や針金切、喰切やペンチなどを紹介しました。それぞれが細かく用途ごとに種類があって違いがありました。

ただ初心者はまずは初心者セットを購入するのが一番いいと思います。そのために各メーカーがセットを販売しているためおすすめできます。

盆栽道具のおすすめメーカーを知りたい方はこちらの記事へ

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