車を持っている方は駐車場にそのまま車を駐車して奥より、雨風などから守ってくれるカーポートやガレージがほしいと思いますよね。ただカーポートって最初から付けて家を作っているケースは稀で、だいたい後施工でカーポートやガレージをつけることとなります。
ただ調べてみるとびっくり、カーポートやガレージを建てようとすると、物自体でまず何十万もかかり、さらにDIYなどで簡単に作れそうなものでもありません。
そんな時におすすめしたいのが、簡易テント型カーポートやパイプ車庫と呼ばれるものです。しっかりと車を入れられてお値段も車庫を建てるよりはお安め。購入している方も多くとても人気の車庫になります。建築許可も必要なく組み立てもすこし難易度が高いDIY感覚でできて施工費などもかかりません。
今回はそんなパイプ車庫とはどんなものなのかという疑問を年間多くの農業資材や建築資材の展示会に出席し、多くの資材メーカーさんとお話をすることの多い管理人が営業さんから聞いた話や自身が働く資材屋での人気なども踏まえお話します。
パイプ車庫とは
簡単にいうとビニールハウスのようにパイプを組み立てて形を作り、そこに幕を貼ることでテントのようにし、車庫にするものです。カーポートのようにしっかりと丈夫な作りには敵いませんが、比較的簡単に組み立てられるのが強みです。
パイプ車庫のメリットとデメリットをご紹介すると
やはりビニールハウスなどのように風には弱いですが、少しの台風くらいなら耐えてくれているという話もよく聞きます。ただ記録的な台風などでは耐えきれずパイプが曲がってしまったり幕が飛んでいってしまったりとあるようです。ただ幕は替えがあり、無くなってしまったり、ボロボロになってしまっても容易に変えることができます。
大雪や台風対策にはパイプの補強パーツもオプションであるので追加で購入することで対策ができます。
パイプ車庫の組立方式の種類と選び方
パイプ車庫で有名なメーカーといいますと南栄工業さんです。ここは他にもサイクルハウスなども作っておりますが、農業に関連した資材がおおい印象の会社です。南栄工業さんが作っているパイプ車庫は以下の種類があります。
- ベース式
- 埋込式
それぞれ説明していきます。
パイプ車庫ベース式とは
こちらは脚パイプをベースに差し込むベース式となります。ベース式の中にもパイプベースと角パイプベースがあります。基本的にはパイプ車庫を建てる場所がコンクリートなどの場合はベース式にします。型番にBとついているものがベース式となります。(カラーのSBにもBがついているがこちらは関係ありません)
しっかりした地面に置くといった考え方がいいのかもしれません。写真の左側のように土の上でもUピンやアンカーピンなどで固定するというのもありです。
パイプ車庫埋込式とは
こちらは脚パイプを地中に埋める埋込式になります。地面が土でなるべく重い硬い土でしっかりした地盤の場合、パイプを埋め込みでしっかり地面に固定したほうが安定感が出ます。ベース式よりも強風に強いです。
こちらは型番にUがついていると埋め込み式ということになります。
替幕もある!パイプ車庫の幕の違いと選び方
基本的に南栄工業さんのパイプ車庫は天幕・前幕・後幕の3種類の幕でできています。どれかが傷んだり破れたりしても幕の替えも売っていますので、長年愛用もできます。ただここで覚えておいてほしいのがカラー選択。じつはこちらはただお好みのお色を選べばいいわけではありません。
耐用年数 | 厚さ | 色名 | |
MG | 約1~2年 | #3000相当(0.25mm) | モスグリーン |
MSV | 約3~3.5年 | #4000相当(0.35mm) | メタリックシルバー |
SVU | 約2.5~3年 | #4000相当(0.35mm) | シルバーユー |
GR | 約2~3年 | #4000相当(0.35mm) | グレイ |
SB | 約3.5~4年 | #4500相当(0.4mm) | スーパーブラウン |
OD | 不明(最も高耐久) | 不明(おそらく#5000相当) | オリーブドラブグリーン |
耐用年数はあくまで目安であってやはり使用環境などに準じますがブルーシートやUVシートと一緒です。
パイプ車庫の組み立てって簡単?
簡単施工と謳ってはいますが、もちろんそれなりに準備や用意するものはあります。あとそれぞれに説明書がついていますので、そちらをよくお読みになる必要があります。
一例として説明書をみてみましょう。
それぞれの型番の説明書も南栄工業さんのHPで見ることができます。
南栄工業HP←こちらでPDFにてすべての南栄工業さんのパイプ車庫の取扱説明書がみれます。
またパイプ車庫の組み立て方についてはこちらの動画をみていただくとなんとなくわかるかと思います。コメリさんのパイプ車庫組み立て動画です。
車種別のパイプ車庫の選び方
車庫のサイズをもちろん入れる車の種類によって変わってきます。一般的な車の種類別にご紹介していきます。
ミニバン&普通小型車用パイプ車庫
普通車用のパイプ車庫は678シリーズとなり幕はMG/MSV/ODの3タイプがあります。幕の違いは上で説明しているのでご参照にしてください。
普通小型車用の678M
埋め込み式
幕色:MG・MSV・OD
サイズ:間口 2.7m 奥行 4.8m 高さ2.0m
アーチ本数:6本
パイプ径:25.4mm
重量:54.1kg
セット商品:車庫A,Bセット,天幕ケース
ミニバン用のW678M
ミニバンタイプの車にはこちらのW678となります。MG/SVUの幕が選択できます。
埋め込み式
型式:W678M
幕色:SVU・MG
サイズ:間口 2.7m 奥行 4.8m 高さ2.35m
アーチ本数:6本
パイプ径:25.4mm
重量:54.1kg
パイプベース式のミニバン用車庫のWP778
WP778はW678Mのパイプベース式のタイプになミニバンなどの車庫におすすめです。幕はMG/SVUから選べます。
入口サイドオープン式
MG幕の丸パイプベース式とSVU幕の角ベース式があります。
サイズ:
(実寸)間口約2,7m×奥行4,8m×高さ2,4m
(有効)間口2,53(1,4)×高さ1,98m
アーチ本数:7本
パイプ径:25,4㎜
ベース式と埋込式が選べるタイプの小型車用
こちらからはベース式と埋め込み式をそれぞれ選べます。
軽自動車用2540シリーズ角パイプベース式
型式:2540B
幕色:SB、GR
サイズ:間口 2.5m 奥行 4m 高さ2.45m
アーチ本数:6本
パイプ径:25.4mm
重量:93kg
セット商品:車庫A,Bセット,天幕ケース
適応車種:スズキワゴンR、ホンダN-BOX等
軽自動車用2540車庫埋め込み式
型式:2540U
幕色:SB、GR
サイズ:間口 2.5m 奥行 4m 高さ2.45m
アーチ本数:6本
パイプ径:25.4mm
重量:59.9kg
セット商品:車庫A,Bセット,天幕ケース
適応車種:スズキワゴンR、ホンダN-BOX等
普通中型車セダン用パイプ車庫
普通中型車用のパイプ車庫にはこちら3056シリーズです。MSV/SB/ODから幕を選択できます。
セダン用 角パイプベース式
型式:3056B
幕色:MSV/SB/OD
サイズ:間口 3m 奥行 5.6m 高さ 2.35m
アーチ本数:8本
パイプ径:25.4mm
重量:112.1kg
セット商品:車庫A,B,C,Dセット,天幕ケース
適応車種:トヨタ/クラウン カムリ 日産/スカイライン
セダン用 埋め込み式
型式:3056U
幕色:SB
サイズ:間口 3m 奥行 5.6m 高さ 2.35m
アーチ本数:8本
パイプ径:25.4mm
重量:89.1kg
セット商品:車庫A,B,Cセット,天幕ケース
適応車種:トヨタ/クラウン カムリ 日産/スカイライン
M678より少し大きいミニバン用 角パイプベース式
型式:2748B
幕色:SB、GR
サイズ:間口 2.7m 奥行 4.8m 高さ 2.45m
アーチ本数:7本
パイプ径:25.4mm
重量:100.5kg
セット商品:車庫A,B,C,Dセット,天幕ケース
適応車種:トヨタ:ヴォクシー/ノア 日産:セレナ/ホンダ/ステップワゴン等
大型BOX車用パイプ車庫
ワンボックス車用の3256シリーズです。パイプベースと埋め込みタイプがありMSV/SB/OD幕から選べます。
大型BOX車用 角パイプベース式
型式:3256B
幕色:MSV・SB・OD
サイズ:間口 3.2m 奥行 5.6m 高さ 2.6m
アーチ本数:8本
パイプ径:25.4mm
重量:120kg
セット商品:車庫A,B,C,Dセット,天幕ケース
適応車種:トヨタ/ヴェルファイア 日産/エルグランド
ホンダ/エリシオン
大型BOX車用 埋め込み式
型式:3256U
幕色:MSV・SB・OD
サイズ:間口 3.2m 奥行 5.6m 高さ 2.6m
アーチ本数:8本
パイプ径:25.4mm
重量:94.1kg
セット商品:車庫A,B,Cセット,天幕ケース
適応車種:トヨタ/ヴェルファイア 日産/エルグランド
ホンダ/エリシオン
パイプ車庫をもっと丈夫に!台風や強風対策について
まずはパイプ車庫をしっかり説明書を読んで組み立てることが大切となります。またベース式でもしっかりとアンカー杭などでコンクリート面に打ち込みましょう。強風でシートが煽られ車に傷をつけてしまうケースが有るようです。
また台風、強風や雪などの際はできればシートを外されたほうがいいようです。風の場合はシートが煽られ本体が曲がったり動いたりしてしますし、雪の場合は重みでシートが破れる可能性があります。
いろんな種類がある南栄工業のパイプ車庫ですが、少しでも丈夫にしたい方用に補強パーツも販売しているようです。組み込むにはシートを外す必要がるためできるだけ、最初のうちに買っておくのが手です。骨組みを増やして強度をあげるっというものです。リンクは上に型番に合わせて貼っておきます。
こちらは2748B用ですが、基本このように付けていきます。
パイプ車庫はどこで買えるか
ホームセンターなどでも売っていることはありますが、やはり今はネットで買うのが基本となっています。パイプ車庫は普通に倉庫などを建てるよりはかなり安いものの、買い物としては高価なものとなります。天幕などの部品やもし腕に覚えがあるのであればメルカリなどで中古で探して補強をしつつ使ってもいいかもしれません。
まとめ
今回は簡易的でありながら実践的なパイプを組んで作る車庫についてお話しました。実際に車庫などを建てようものなら家をたてるのと同じくらい大規模な工事が必要ですが、パイプを組んで作る車庫であれば時間も費用も抑えられれます。
パイプを組んで作るいわゆるパイプ車庫といわれるものは南栄工業さんが作るものが有名で主に
- 埋込式
- ベース式
がありました。それらにはそれぞれサイズが有り車に合わせた大きさのものを選びましょう。
また上にかけるシートにも耐用年数などによって種類が分かれています。安価で1~2年しか持たないものもあれば5年くらい持つものまで様々です。シートだけでも替えられるので必要に応じて選び替えていきましょう。
またパイプ車庫は実際のカーポートや車庫よりは風や雪などに弱いです。風でシートが飛ばされてしまったり雪でパイプが折れ曲がってしまうこともあります。それらのことも考え大雪が降る地域や台風が直撃しやすい地域の方は補強パーツも組み込んでおきましょう。
安価でDIYでも建てられるパイプ車庫は使い勝手がいい車庫です。車庫がほしいと思っている方はパイプ車庫で試してみてグレードアップしたいのであれば施工で建ててもうというのも手でしょう。