育苗箱・ポット・セルトレイで育苗する理由とは?どれを選べがいい?おすすめの選び方と使い方

育苗箱・ポット・セルトレイで育苗する理由とは?どれを選べがいい?おすすめの選び方と使い方

水稲栽培にも野菜を育てる場合にも便利な育苗箱などの育苗容器。苗箱や育苗ポット・育苗トレイともいいます。この育苗箱などの育苗容器はプロの農家さんや趣味のガーデニングで作物を育てる人に分け隔てなく広く使われています。育苗というのは最初から畑や田んぼなどに種を蒔いて育てずに一度種から苗を出して植え換えるまで育てることを言います。

とはいえ使っていない方からすると、なぜ成長したら田んぼや畑、鉢に植え替えなくてはいけないのに育苗用容器を使って作物を育てているのかわからないという方もいらっしゃるかと思います。実際に育苗箱やポット・トレイを使っていてもよくわからないで使っている人もいるのではないでしょうか。

今回は畑作農家さん、そしてガーデニングで作物を育てている方が使う育苗箱やポット・トレイで育苗する意味とおすすめのアイテムをご紹介していきます。

年間多くの農業関係の展示会に出席し多くの農業資材メーカーさんとお話する機会の多い管理人が自身が働く資材屋での人気を踏まえてお話します。

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畑に種を蒔かずに育苗箱で育苗する理由

育苗箱やポリポットで育苗をする理由

簡単に言うと管理がしやすいからです。育苗をするメリットを上げると以下が挙げられます。

  • 病気や虫から守れる
  • 天候を気にせず育てられる
  • 畑を有効活用できる
  • 間引きなどもしやすく均一に育てやすい
  • 初心者でも育てやすい

説明します。

畑に苗から植えて成長させるより実は種から苗にする方が管理がとても大変なんです。畑に直接種を巻いても芽は出てはきますが、雨で流されたりまだ抵抗力なども低いうちに病気にかかったり虫に食べられたりと子供のように守らなくてはなりません。

ただその点育苗箱で育てれば管理もしやすくビニールハウスなどに入れておけば、雨や暴風からも守れます。また苗から畑で育てることでその間は畑で別の物を育てたり、均一に育てた苗を畑に植え換えるため結果収穫も早くできたりと効率よく畑を使うことも可能です。

では育苗を行う苗を植えるものにはどんな物があるのでしょうか。

育苗につかえるトレイ・ポット・箱の種類

育苗する容器の種類

育苗に使う容器は大きく分けると以下の3つになります。

  • 育苗箱
  • 育苗セルトレー
  • 育苗ポット

それぞれ特徴を説明していきます。

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育苗箱(育苗トレー)

育苗トレーは大きく分けると水稲栽培に使われるような深さが浅い中苗用育苗箱と深いタイプのものに分けることができます。

中苗用育苗箱

水稲栽培のイメージが強い育苗箱は育苗トレーとも言います。トレーの名の通り受け皿のようになっており単純な作りをしています。

ここに土を入れて種を蒔いて育苗します。区画分けもされていないので同じ種類の種を蒔いて同時にたくさん育てるのに向いています。またもう一つの使い方として育苗ポットやペーパーポットの受け皿としてまとめて置いておくアンダートレイとしても使われることもあります。水稲栽培用育苗箱は128穴や200穴のセルトレイにピッタリなサイズですが、深さが浅いために短期間しか使えません。

野菜の場合はクリスタルカットやダイヤカットではない底面が平坦なもので特に中苗用育苗箱がネギなどの野菜の育苗にも使われます。

中苗用育苗箱
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育苗箱51型

51型と呼ばれるものは、506×357×80mmが基本サイズで水稲栽培で使うような育苗箱よりやや深めで花や園芸に使われ深さがあることから、育苗だけでなく挿し木や挿し芽にも使われます

他にも345×270×75mmサイズの35型や、265×183×77mmサイズの6型など様々な種類もあります。

育苗箱の使い方

育苗箱を使った育苗の方法を簡単にご紹介します。

  1. 育苗箱に土を詰める。穴が大きい場合は敷紙やシートを下に敷きます
  2. 種を蒔く小さな穴を作ります
  3. 水を滲み出るくらい上げます
  4. 種を巻いて土で埋めます
  5. 新聞紙でトレイに乗せて水が蒸発しにくく
  6. 発芽するまで新聞紙をかけておく
  7. 発芽したら新聞紙をとる

というのが基本的な育苗のやり方となります。

ポリポット(育苗ポット)

ポリポットとはホームセンターなどで苗を買ったときについてくる黒いプラスチック製の鉢のような形をした入れ物です。物によっては生分解で土に還るものもあります。生分解のものはポットごと植えられるため苗を傷つけにくいという利点があります。

育苗箱やセルトレイで育苗して少し大きくなったらポリポットに植え替えて更に育苗するというときにも使われます。様々なサイズが有り3号・4号と表記されています。

ポリポットのサイズの見方と使える野菜の苗

では3号や4号は何cmのカップでどんな作物を育苗するときに使うのでしょうか。育苗に使われる3~5号という一般的なものをまとめてみました。

サイズcmサイズ主な育苗作物
3号9cmきゅうり
4号12cmトマト・ピーマン
5号15cmナス

表を見てもらえばわかるように1つサイズが上がると約3cm口径が大きくなります。大きめのものを使うと根が内側で窮屈に巻き付き老化してしまうとう現象を防げます。

ポリポットでの苗の育て方

小さな種は5cm、大きなものは9cmの直径のポットを使います。では簡単にポリポットを使った育苗の手順を書いておきます。ほとんど育苗箱と変わりません。

  1. 育苗ポットに鉢底ネットを敷き、種まき用土を入れる
  2. 土に指で穴を開けて中に数粒種をまくか、土の表面に種をばらまく
  3. 種の特性に合わせて、土を適量かぶせる
  4. 表面に霧吹きで水を吹きかけて土をしめらせるか、受け皿に水をためて土へ給水する
  5. 発芽するまで土が乾かないように管理する
  6. 発芽後、本葉が揃う頃にそれぞれのポットに苗が1本になるよう間引く
  7. 十分に育ったら畑へ植え付けをする
ポリポット 3号
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ポリポット 4号
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ポリポット 5号
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スリット入りポリポットとは

実はポリポットにもスリットが入ったタイプがあります。そんなスリット入りのポリポットも色んな種類の野菜に使えるポットですがスリットには以下のメリットがあると言われています。

  • 根巻しにくい
  • 鉢変えが楽
  • 水はけが良い

スリットには根巻き防止効果がありサークリングという根がぐるぐる竜巻のように巻いている状態を防ぎやすくしてくれます。ということはつまり鉢変えもしやすいと事にもなります。根巻きをしてしまうと水分が効率よく吸収されなくなってしまうためスリットの効果は絶大です。

またスリットから余分な水を出してくれるため水はけがよく根腐れもしにくいと言われています。 ただスリットの分根がしっかり張るまで土がこぼれやすいので根が張るまでは土を乾かさない状態を続けることでスリットから土がこぼれにくくなります。

スリット入りポリポット
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ポリポットにも連結タイプもある

ポリポットがセルトレイのようにつながって一枚になっていると想像していただくのがわかりやすいと思います。セルトレイより一つ一つが大きく16-49個の育苗できるスペースがあります。

セルトレイの利点はポリポットより小さいため根がしっかり育っていない状態でも植え替えが簡単にできます。ただ逆を言えばあまり大きくないため一回は確実に植え替えをしなくてはいけません。またポットをまとめて管理できるようなものなので、移動や植え付けで移動するときも一気に運べます。

使い方はポリポットとほぼ変わりません。しっかりと育つまで手元で育てることができます。

連結ポット
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セルトレイタイプ(プラグトレー)

セルトレイとは育苗箱に小さめのポット(セル)が連結しているものでプラグトレーとも呼ばれたりします。30x60cmのサイズが主流で初心者が育苗する場合もおすすめできるますが、もちろんプロの方も使っている育苗資材です。

省スペースでで多くの苗を育てることができ、セルトレイ用の機械や器具も多いため作業効率も上げることができます。72-300穴まで様々な種類があり葉茎菜には128穴、レタスには200穴で使われることが多いです。ただ根野菜には不向きです。

セルの数育てる野菜例
72穴キャベツ・たばこ
128穴キャベツ・白菜・ブロッコリー
200穴レタス・ねぎ
288穴たまねぎ

そんなセルトレイを使うメリットとしては連結ポットのようにまとめて苗を移動できる点やセルトレイに専用で使える播種機があるといった点です。ただポットのように深さがないためすぐに成長し、そのため根巻きも起きやすくなります。

基本的に黒が多いですが、外が黒で中が白のタイプも有り夏場は白いものが使われることがあります。

セルトレイの使い方

セルトレイの使い方も他の育苗容器とそう変わりません。

  • セルトレイに培土をいれる
  • 十分に土に水を含ませる
  • 種を蒔く
  • 種の上から土をかけて水を十分にあげる
  • 発芽するまでは新聞紙をかけて日陰へ
  • 発芽したら日当たりがよく風当たりのいい場所へ

水はセルトレイの底から軽く水が漏れるくらい上げましょう。土が少ない分乾燥しやすいので要注意です。また種まきの1セルにおける種の量は野菜の種類などによって変わってきます。小さめの種子は4~5粒、大きめの種子は1~2粒が基本となります。

セルトレイ
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ペーパーポットとチェーンポット

ペーパーポットとチェーンポットとは簡単に言うと紙でできた育苗用ポットとなります。ただ今までと違うのは底がないため下には育苗箱をアンダートレーとして使う必要があります。どちらも生分解性でポットに苗を入れたまま畑に植えることができ作業効率がアップします。

特にネギや玉ねぎなどによく使われ、ペーパーポットを使わないネギの植え替えは3倍早く終わるという話も聞きます。ペーパーポットやチェーンポットは様々な種類がありますが、使われる野菜で分けてみました。

野菜・花使われるチェーン・ペーパーポット
白ネギCP303・CP253
葉ネギCP303・LP303-10・LP303-15
キャベツ・ブロッコリーNo11・V-4・V-5・LP303-15
白菜No11・V-4・V-5・ミニポット220
レタスミニポット220・SM2300・SM2406・V-4・No11
チンゲンサイミニポット220・ SM2300・SM2406 ・LP303-15
ほうれん草No11
水菜CP303
根三つ葉CP303
FS515・FS615
スイートコーンMo2-264・SM2300(7.5H)・No2-264(5H)・SM2300(5H)
アスパラガスNo2-264・SM2300(7.5H)・V-4
枝豆No11・V-4・ミニポット220・LP303-15
トルコギキョウSM1684・SM2406(5H)・SM2300(5H)・CP305
LP303-10
ストックNo11・No15・CP303・LP303-10
ぶどうの挿し木FS515
トマトNo10(7.5H)
そら豆NO10・NO16・NO13

ペーパーポットもチェーンポットも見た目は一緒に見えるのですが、何が違うのかといいますと

ペーパーポットとは

ペーパーポットとはその名の通り紙の鉢です。糊でくっつけられた紙の鉢がつながりつつ並んでいて、植えるときは切り分けることも可能です。苗を植えた後も土で分解するため畑に移植するときはそのまま植え付けができるという利点があります。鉢には底がありませんが根が張るため土抜けしません。稚苗でも上金を保護してくれるので、根痛めが少なく根張りも素直になります。

ペーパーポット
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チェーンポットとは

チェーンポットは六角の紙鉢が格子のように連なった構造になったポットで3種類に分かれています。

  • チェーンポット(CP)
  • ロングピッチチェーンポット(LP)
  • バイピッチチェーンポット(BP)

チェーンポットの株間が約5cmに対してロングピッチチェーンポットは2種類あってそれぞれ10cmと15cmの株間があります。この2つは同じニッテンさんのひっぱりくんという移植機でポットから苗を取り出さず苗を植えたままチェーンポットごと畑に移植ができます。

BPと表記されるバイピッチチェーンポットはスーパーひっぱりくんという移植機で紙を剥がしながら移植していくことができるタイプのチェーンポットです。

チェーンポットには専用アイテムが合って苗箱にチェーンポットを広げて土をつめるのを助けるものがあります。播種セットというものでこの記事で詳しく書いています。→失敗しないネギ播種セットの選び方【播種機・チェーンポット・展開枠・くし】

チェーンポット
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まとめ

今回はそのまま畑に植えず一回育苗する理由と育苗に使う育苗用容器のご紹介をしました。育苗用容器には

  • 育苗箱
  • 育苗ポット
  • セルトレイ
  • ペーパーポット

があり、それぞれ特徴・メリット・デメリットがありました。

プロから家庭での趣味の園芸でも使える育苗をすることで、その間に畑を別の作物を育てられたり均一に育てることもできるので是非活用していきましょう。

その他育苗についての記事はこちら

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