耕運機は農業や園芸には必須の土を耕す機械になります。土を耕すというのは素人でも容易に想像できますが、とても大変な作業で力も体力も必要なので耕運機を使ったほうが効率的に作業が進むことは間違いありません。
ただ耕運機にも幾つか種類があり、使うに当たって選ばなくてはならないポイントが幾つかあります。そこを間違えてしまうと全くの無駄になってしまったり、逆に労力・出費がかかってしまいます。
今回はそんな耕運機の選び方のポイントと人気でおすすめの耕運機をランキング形式でご紹介していきます。
年間数多くの農業資材・農業機械の展示会に赴き様々なメーカーの担当者とお話する管理員が、自身が働く資材屋での人気や裏話を踏まえてお話します。この記事で選ぶべき人気の耕運機がわかります。
耕運機やトラクターの罪をお探しの方はこちらの記事へ⇒もう失敗したくない!耕運機・トラクターの爪の選び方と探し方
管理機って耕運機?違いを知ろう
まずは耕運機と間違えやすい管理機との違いを知っておきましょう。簡単に言うと
土を耕すのが耕運機、耕すを含め土を管理できるのが管理機
となります。説明をしていきます。
管理機は土を耕す・畝作り・育成中に軽く空気を入れる中耕・除草・ならし・マルチを張る・種まき・収穫・肥料や消毒など土に関わることをアタッチメント(部品)を付け替えることでできます。
耕運機はその名の通り基本土を耕す機械で大型のものはテーラーと呼ばれたりはしていますが、最近は管理機=耕運機と考えてほぼ間違いはありませんが商品の説明はちゃんと見て購入しましょう。
耕運機の種類と選び方
耕運機を選ぶときは以下のポイントから選んでいきましょう。。
- ロータリータイプ
- 馬力
- 動力源
を見て自分にあったものを選びましょう。詳しく説明していきます。
耕運機のロータリーの種類
ロータリーが何なのかというと管理機や耕運機の土を耕す部分で回転刃がついている場所になります。それが何に関係していくるかというと小回りや安定性に関係していきます。ロータリタイプは
- フロントタイプ
- リアタイプ
- 車軸タイプ
の3つに分けることができます。それぞれ簡単に説明していきます。
フロントロータリータイプ
その名の通り前側にロータリーがついているタイプになり、次にようなメリットがあります。
- 重心が前で持ち上げ回転させやすい
- 小回りが利いて畑を隅々まで耕せる
- 回転刃が足から離れた場所にあるので安全
詳しく説明すると、ロータリーが前側にあるのでハンドルを持ち上げやすく方向転換をしやすいので小回りが利いて畑を隅から隅まで耕しやすいです。そして回転部が足から離れているので、安全です。
次にデメリットですが、
- 値段が高め
- 耕す力と土への食い込みが弱め
となります。これもロータリーがエンジンより前にあることで、土への食い込みが弱くなりがちです。また若干値段も高めになっています。
リアローターリータイプ
リアローターリータイプは車に詳しい方ならぴーんと来ると思いますが、タイヤの車軸の後ろにロータリーがついているタイプです。メリットとしては
- 重心が後ろにあり安定感がある
- 刃が土に食い込みしっかり耕せる
- 直進性
が挙げられます。反対にデメリットは
- 刃が後ろ側ゆえの足への安全性
- 小回りがきかない
とメリットを裏返すとこうなるというものです。後ろ側にロータリーがあるので重心も後ろにあり安定し直進性にも優れ刃もよく土に食い込みます。とはいえ持ち上げにくく小回りが聞きづらく、回転刃も足に近いところにあるので巻き込まれやすくなります。
もちろん足が巻き込まれないよう各メーカーも対策はしてあることは多いです。
車軸ロータリータイプ
家庭用なコンパクトな耕運機におおい車軸にロータリーがついているタイプです。メリットをまとめると
- コンパクト
- 小回りがきく
- 安価
となっています、反対にデメリットは
- タイヤが付いていないものがあり使いづらい
- 作業時振動を感じやすい
です。
車軸そのものに刃がついているのでタイヤがついていないものがあり、耕しているときの安定性が悪く振動も伝わって来やすいです。ただタイヤがついているタイプもありますのでそちらがおすすめです。
反対に家庭用で使うようになっているものが多いので、まずは比較的安価です。またコンパクトで収納もしやすく、また軽いため小回りもききやすいです。
耕運機の馬力
もちろん機械で動かして畑を耕していくものとなりますので、耕運機自体の馬力も選ぶポイントなります。大きく分けて
- ~3馬力:30坪以内
- ~5馬力:120坪未満
- 5馬力~:120坪以上
の3種類に分けることができます。選ぶポイントとしては耕す畑の面積で決めていきましょう。
動力源タイプで分ける
動力源とは燃料のことです。大きく分けると
- ガソリン
- ディーゼル
- 電気
- ガスボンベ
の4つのタイプがあります。
馬力パワーでいうとディーゼル>ガソリン>バッテリー=ガスボンベの順になります。またディーゼル、ガソリンはパワフルなためプロの農家仕様のものに多いです。パワーが強い分騒音も大きいため、広い農場で使う場合を想定されています。
家庭や個人レベルの畑で使うのであればやはり電気コード・バッテリータイプ・ガスボンベタイプがおすすめです。パワーは弱いのですが、作動音もそれほど大きくなく住宅街でも使いやすいです。ただバッテリーやガスボンベは稼働時間が短く、コードのものは可動範囲がコードの長さとイコールになります。
それでは家庭用と中規模・プロ用の2つに絞って人気ランキングを見ていきます。
家庭用耕運機の人気ランキング
ではまず家庭用に使える耕運機の人気ランキングをご紹介します。
- マキタ カルチベータ
- アルミス 耕す造
- YARD FOUCE コードレス耕運機
が人気商品となります。それぞれ詳しくご紹介していきます。
1位 マキタ カルチベータ HY-9010
- サイズ:105x23x15cm
- 重量:2.7kg
- 回転数:250rpm
- 最大耕うん幅:23cm
- 最大耕うん深:10cm
- 耕うん刃:外径Φ150mm
- 空回転作業時間:40min
有名な電動工具メーカーのマキタのミニ耕うん機です。同じくマキタから草刈機につけるアタッチメントでの耕うんアタッチメントのA-67309というものも存在します。マキタのバッテリーをもちろん使えるためマキタを揃えているかたなら選択肢はこれになるでしょう。
柄の方が伸縮性になっており身長に合わせて伸ばせます。また使わない場合は2部分に取り外し可能でコンパクトに収納できます。土ほぐしや雑草除去につかえコードレスのため移動も自由です。お手軽に使えるため人気はかなり高いのですが、硬い土や伸びた雑草には使えないと思ったほうがいいです。
2位 アルミス 耕す造
中国製輸入のメーカー・アルミスさんの耕運機の耕す造が第2位です。AKT-18V・AKT-300WR・AKT-500WR・AKT-1050WRなどサイズや馬力によってタイプがあります。ただ人気なのは一番小さいAKT-18Vと少し馬力強めのコードタイプAKT-500WRとなります。
AKT-18V | AKT-500WR | |
電源タイプ | バッテリー式 | 電源コード式 |
サイズ | 20.5x27x134cm | 34.5x22.5x125cm |
重量 | 4.4kg | 7.4kg |
耕うん幅 | 19cm | 30cm |
耕うん深 | 8cm | 10cm |
消費電力 | 18V | 500w |
無負荷作動時間 | 25min | 20~30min |
無負荷回転数 | 230rpm/min | 400rpm/min |
ただ値段的に手を出しやすい値段なので最初に軽く使うレベルであればおすすめできます。500WRの方は軽くて使いやすく騒音も小さく、家庭レベルであればパワー不足も感じないというレビューもあります。
3位 YARD FOUCE コードレス耕運機 LEC20-JP
- サイズ:22x20x105~135cm
- 重さ:3.5kg
- 電圧:24V
- 耕うん幅:20cm
- 耕うん深:8cm
- 無負荷稼働時間:50min
コードレスタイプのバッテリー式の家庭用耕運機です。小型なのにパワフルで小回りが効く軽量耕運機で家庭菜園、庭造り、ガーデニングなどに最適です。ヤードフォースというアメリカのガーデニングツールのブランドの製品なので安心感があります。
30分で50平方mの雑草だらけの畑をふかふかに耕せるというキャッチコピーで持ち運び便利なので離れた畑にも持っていけます。
中小・プロ用耕運機の人気ランキング
中小規模の畑やプロの方に選ばれる人気の耕運機は
- ホンダ こまめ・ぷちな
- ナカトミ ドリームパワー耕運機
- ホンダ 耕うん機 FF300
- クボタ 耕運機 TMS300-MTUE
となっています。それぞれ紹介していきます。
1位 ホンダ こまめ F220K1JT・ぷちな FG201K1JT
こまめ F220K1JT | ぷちな FG201K1JT | |
ロータリータイプ | 車軸 | 車軸 |
動力源 | ガソリン | ガソリン |
サイズ | 1115x585x975 | 1060x475x990 |
重量 | 27kg | 18kg |
最大耕うん幅 | 54.5cm | 45cm |
最大耕うん深 | 28cm | 25cm |
連続運転時間 | 2h | 1h |
回転数 | 123rpm/min | 135rpm/min |
除雪機や発電機でも有名なホンダさんの小型耕運機です。ガソリン式で車軸タイプなのでパワフルで中小畑には十分な耕運機。
握ると耕して放すとストップする安心設定の小型のぷちなと、車軸式にも関わらず安定して駆動するように設計されているこまめはどちらも人気の機種です。どちらもハンドルを折りたたんで小さく収納することも可能で車での持ち運びもできます。
どちらもある程度小型の機種なので硬めの土などでは刃の食い込みで軽く跳ねることがあるとのことで、そこは注意が必要です。アタッチメントでタイヤもありますので土質によっては選んでおいたほうが良いかもしれません。
2位 ナカトミ ドリームパワー ERC-43DQ
- ロータリータイプ:車軸式
- 動力源:ガソリン
- サイズ:480x1050x950
- 重量:17kg
- 最大耕うん幅:300mm
- 最大耕うん深:130mm
- 連続運転時間:不明
- 回転数:不明
折りたたみ可能でコンパクトな収納ができる耕運機です。小型なのにハイパワーで車軸タイプなのにタイヤがついていることで安定性を持たせています。女性でも使いやすかったというレビューが多く、深く耕したいときはタイヤを外すと深く掘れるとレビューもありました。
3位 ホンダ 耕うん機 サラダ FF300
- ロータリータイプ:フロント(センタードライブ)
- 動力源:ガソリン
- サイズ:1465x465x1015
- 重量:51kg
- 最大耕うん幅:450mm
- 最大耕うん深:160mm
- 連続運転時間:不明
- 回転数:131rpm
爪が土に食い込み、深くまで耕せる耕運機で、外爪装着時で45cm、内爪時は29cm幅で耕せます。更にレバーで耕うん深さを2・6・12・16cmから選べます。重心も低く設計され安定性を持たせて操作しやすくなっており、ハンドルの高さも身長や姿勢に合わせて調節できます。
さらにコンパクトに小さく折り畳めるので収納にも便利です。
耕運機の中古品を売りたい・買いたい
別に新品にこだわらなくても中古で手に入ればいいという方も多くいらっしゃいます。その場合はお近くに中古農機具屋があればそちらを見ていって聞いてみましょう。またインターネットでもヤフオクやメルカリなどでもかなり安く手に入ることがあります。
またオークファン というヤフオクやモバオク、アマゾン・楽天・ヤフーなどの値段が一気に見れるサイトもおすすめです。アカウントを作って無料会員になっておくと欲しい物が出品されたときに通知までしてくれて便利です。
また使っていた耕運機を売りたい場合は農機具買取査定君で持っている農機具の査定をしてましょう。農機具の買取業者をまとめているサイトで、無料で電話やメールで見積もりが最大5社にできちゃいます。その中から自分に合う金額を提示してきたら売るのもありです。
買取業者の中には悪徳業者もいるのでそちらには引っからないようにしましょう。こちらで気をつけるべきポイントを説明しています。⇒トラクターやコンバインなどを売りたい!農機具中古買取り業者のおすすめ【安心優良業者の見分け方】
まとめ
今回は家庭でもプロの方でも選べる耕運機の選び方のポイントとおすすめできる人気ランキングについてお話しました。
選ぶポイントとしては
- ロータリータイプ
- 馬力
- 動力源
を見ながら選んでいきましょう。ロータリータイプは特に重要ですが、家庭菜園レベルであれば車軸型の電気バッテリー・コード式一択になります。
今回は人気ランキングで皆に選ばれている耕運機をご紹介しましたので、迷った場合は数多くある中でもランキングにあるものを選んでおけば大丈夫です。
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