お花が好きな人やお花と関わっている人ならここ数年でよく聞くようになったプリザーブドフラワー。お花業界では今とてもホットなワードでプリザーブドフラワー自体もかなりの人気です。
でもドライフラワーやブリザードフラワーとの違いなども曖昧な人も多いように感じました。またプリザーブドフラワーに似たボトルフラワーという存在もあったりします。
今回はそんなプリザーブドフラワーとそれらの違いやプリザーブドフラワーの特徴、どんなものなのか作られ方などや何年持つか、扱うに当たっての注意点などについてお話したいと思います。またどんな場所でプリザーブドフラワーが買えるのかについてもお話します。
年間数多くの農業系の展示会に出向し、数々の農業メーカーや種苗メーカーの方とお話する機会の多い管理人が聞いたことや自身が働く資材屋で伝わってきた話題を含めてお話します。これを読めばプリザーブドフラワーについてバッチリわかります。
そもそもプリザーブドフラワーとは?作られ方で学ぶ
プリザーブドフラワーは英語で「preserved flower」と書きます。Preservedとは保存する・保つなどのpreserveという動詞の過去形で「保存された」「保った」という意味になります。それを踏まえて簡単にプリザーブドフラワーを説明すると
長期保存可能な生花
です。
どのように作られているかというと生花の色素を抜き取り、保存液や色など特殊な加工をされており生花そのものを加工しているため造花とは違いますが、長期で楽しめるお花ということになり、枯れないと言うよりは長期保存ができる花です。
実はプリザーブドフラワーの製法はフランスの会社が開発し特許を取っており、その使用料のためプリザーブドフラワーは全体的に値段が高くなっています。
個人でプリザーブドフラワーを作れるか
お店で売られているほどきれいな完成度の高いものを造るのはなかなか難しいもののプリザーブドフラワーをお家で作ることもできちゃいます。簡単に説明すると
- 花を加工しやすくカット
- 容器に花を入れてエタノールを花が隠れるくらい注ぐ
- 1日ほど経つと脱色できるが、12時間であたらしいエタノールに付け替えるのがおすすめ
- 今度はグリセリン2:水1の割合で作った液体にお好みの色インクを数滴垂らして着色液を作る
- 着色したい花の茎だけを液に入れて着色液を吸い込ませる
- 乾燥台で2日から1週間乾燥させて完成
と言った手順となります。着色液は35度くらいに温めたほうが着色しやすくなります。1日ほどみて着色具合で時間を調整しましょう。
ただ最近はプリザーブドフラワー液というものが市販されておりそちらを使ったほうが簡単に作れます。動画もありましたので御覧ください。
この作り方だと
- 脱色液で脱色
- 着色液で着色
- 余分な着色液を落とす
- 乾燥
で完成となります。ただ気をつけなくてはいけないのが
- プリザーブドフラワーに向く花材は意外と少ない
- 茎まで染まるため茎を切るため実際の茎を使ったアレンジはできない
といった注意点があります。
プリザーブドフラワーとドライフラワー、ブリザードフラワーとの違い
上の説明でわかる人も多いかと思いますが、プリザーブドフラワーとドライフラワーの違いとは簡単には水分感があるかないかです。
ドライフラワーは簡単に言うとその名の通りお花を乾燥させて作るため、触った感触はカサカサしており時間とともに色落ちをしていきます。保存は生花よりは長いものの3ヶ月程となります。
それに引き換えプリザーブドフラワーはその製法から手触りが生花に近く、見た目もほぼほぼ生花と見分けが付きません。またその花ではありえないカラーもつけられアレンジ力や表現力の幅が広がります。また数年はその美しさを保つことができます。
プリザーブドフラワーと検索するとブリザードフラワーという言葉がよく出てきますが、実はブリザードフラワーとはプリザーブドフラワーを勘違いして読んでしまった言い方と言われています。実際に凍らせて作るフリーズドライ加工のアイスフラワーと呼ばれる呼ばれるものはあるもののブリザードフラワーというものはないかと思います。
プリザーブドフラワーはどこで買えるか
プリザーブドフラワーの作り方を上記でご説明させていただきましたが、プリザーブドフラワーはインターネットなどでも簡単に買うことができます。買うことができるサイトとしては
- 想いをお花に込めて【ベルビーフルール】
- パリスタイルフラワーギフト【noemie】
- ダイヤモンドローズと最高級プリザーブドローズギフト【AMOROSA MODERNO】
- プリザーブドフラワーの通販サイト「お花ソムリエ」
ベイビーフルールさんはガーリーな雰囲気があり、ハーバリウムやソープフラワーも販売しています。使い続けたいギフトサイトで第一位を受賞している人気サイトです。
大人っぽいシックな可愛さがあるnoemieさんは自然な感じの雰囲気が人気のお店です。ゆったりと楽しむ大人の時間にあうプリザーブドフラワーがたくさんあります。
高級感があふれるプリザーブドフラワーを選ぶのであればAMOROSA MODERNOさん。バラの生産から行っておりデザイン、製造、販売と一貫しているサイトはこだわりを感じます。
少しポップな可愛さが目立つのはお花のソムリエさん。プロのフラワーアレンジメントデザイナーが作った最高級のプリザーブドフラワーが楽しめます。
他にも大手ショッピングモールの楽天・ヤフー・アマゾンなどでも買うことができますので買い方はそれぞれのリンクへどうぞ
プリザーブドフラワーが人気の理由
ここまで聞いてプリザーブドフラワーが人気の理由がわかった人も多いかと思いますが、あえてここまで人気になった理由を説明していきます。
プリザーブドフラワーのメリットとしては
- ドライフラワーより長期で楽しめる
- 簡単管理でお手軽
- 様々なカラーが有り選択肢が多い
などが挙げられますので説明していきます。
プリザーブドフラワーは何年持つ?楽しめる期間と捨て時
プリザーブドフラワーが生まれたフランスなどヨーロッパは湿気が少なく乾燥しているため5年以上持つと言われています。中には10年ほど持ったという例もあります。
ただ日本はそうは行きません。湿気も多いため楽しめる期間としては大体1~3年ほどと言われています。それでも生花やドライフラワーよりはかなり長く持つためやはり長期で保存可能なお花です。長期保存のコツとしては以下のことに気をつけましょう。
- 高温多湿の場所を避ける
- 直射日光が当たる場所を避ける
高温多湿な場所では花びらの色が抜けてしまったりひび割れなどが起きてしまいます。温度は18~25度、湿度は30~50%を目安にしましょう。またドライフラワーよりも色褪せには強いものの直射日光などが当たると色褪せしやすくはなりますので気をつけましょう。
プリザーブドフラワーがドライフラワーのようにパラパラと触って崩れていくようになったり、花の色が抜けてきたら捨て時です。
管理が楽で気軽に楽しめるプリザーブドフラワー
生花や切り花など水やり、ドライフラワーだと花落や割れや欠けなどに気をつけなくてはいけませんが、プリザーブドフラワーは基本的に手を加えて上げる必要はありません。ただ長く楽しむために以下には注意しましょう。
- ホコリなどを筆などで優しく取り払う
- 花から着色料が抜けて液垂れすることがあるため液垂れしても大丈夫な場所に置く
保存期間のパートでもお話しましたが、直射日光や高温多湿を避けながら上記を気をつけるだけでプリザーブドフラワーは長く楽しめます。
生花ではありえないカラーやアレンジで部屋にも合わせられる
作り方のパートでもお話しましたが、プリザーブドフラワーは着色料によって本来生花ならありえないカラーを着色することができます。プリザーブドできる花の種類には限りがありますが、部屋やアレンジに合わせてカラーを選択できるため自由にお花を楽しみやすくなります。
お供えの仏花としても人気のプリザーブドフラワー
今まで話してきた内容をすべて照らし合わせると
- 長期で状態維持できる
- 様々なカラーができる、つまり淡い色も
- 水やり不要で管理が楽
という以上の点が仏花としても最適なのがわかると思います。実際お供え用にカラーが抑えられたプリザーブドフラワーも人気です。ただ仏花として使うためには売っているものは問題ありませんが、作る場合は以下の点に気をつけましょう。
仏花としてのプリザーブドフラワー注意点
- 色は白・黄色・紫の3色かプラスでピンク・アカの5色
- 花の本数は奇数
- 左右に飾るため同じものを2つ用意
- 花の種類に気をつける
まず造花やプリザーブドフラワーはよく仏花としてもよく使われており、ダメということはなく生花でなくてはいけないというルールはありません。
ただ仏壇に飾るのには相応しくない花もあり、バラやアザミ、彼岸花やチューリップなど棘や毒がある花は避けましょう。棘は殺生を連想させ、毒花は毒を供えるということになり仏教上よくありません。また香りが強いものや枯れるのが早いものも向きませんが、プリザーブドフラワーの場合はこれに当てはまらないため問題ありません。
ボトルフラワーとは?プリザーブドフラワーとの違い
ここまでプリザーブドフラワーについてお話してきましたが、ボトルフラワーはご存知でしょうか。簡単に言うとボトルフラワーとは
ガラスに閉じ込められた乾燥させた生花
です。
プリザーブドフラワーの製法はフランスで特許があるとお話しましたが、ボトルフラワーは日本生まれの技術で、生花をシリカゲルで乾燥させガラスの中でアレンジし乾燥剤と共にガラス容器で完全密封したものです。
プリザーブドフラワーとの違いは
- シリカゲルで速攻乾燥させるため生花に近い姿を保つ
- 管理がガラスを拭くだけなのでもっと楽
- 着色はしないのでカラー的なアレンジメントはできない
プリザーブドフラワーと違って着色はしないためカラーによるアレンジメントはしにくいのですが、生花そのものの色を長く楽しむことができます。またガラス容器に密閉されているためギフトとしても上げやすく管理もとても楽です。
とはいえボトルフラワーにはドライフラワーやプリザーブドフラワーを封じ込めたものもあります。ただボトルというとハーバリウムを連想する方もいらっしゃいますが、ハーバリウムとの違いはハーバリウムは標本としてオイルなど液体と一緒に保存するため違うものとなります。
仏花としてもボトルフラワーはありプリザーブドフラワーよりもさらに管理が楽なため、仏花用としても選ばれることが多いです。
ボトルフラワーはガラスに密閉しているためプリザーブドフラワーよりも保存期間が長く日本でも5年程は保存可能です。とはいえプリザーブドフラワーと同じく高温や直射日光には弱くひび割れや色褪せには気をつけましょう。
まとめ
今回は観賞用のお花であるプリザーブドフラワーについてお話しました。
プリザーブドフラワーは生花の水分を抜き着色をして特殊加工で長期保存をできるようにしたもので、乾燥させて作るドライフラワーとは大きく異なるものです。加工することで1~3年保存可能で、着色をするため色々なアレンジが可能なものです。
特殊な加工はするものの手に入りにくいということはなく楽天やヤフーなどインターネットでも簡単に手に入ります。プリザーブドフラワー用の液体を買うことで自分で作ることもできますので、気になる方は挑戦してみましょう。
プリザーブドフラワーの他に長期保存ができる生花としてはボトルフラワーというものがあります。乾燥させた生花を完全に密閉したガラス容器に入れたものでギフトとしても渡しやすくて、日々の管理もとても簡単です。
仏花としてもプリザーブドフラワーやボトルフラワーは人気で仏花用として販売されているため、仏教のタブーなどをよく知らない人は仏花用のそれらを購入できます。