以前お米の長期保存は年々需要が高まってきており保存用の袋や長期保存できる保冷庫などが右肩上がりで売れていく時代になってきています。以前お米の長期保存方法と袋について記事を書いたのですがまだご覧になっていない方は基本を書いてありますのでお時間があるときに読んでみてください。
⇒玄米や白米などお米の長期保存の方法とは?長期保存用袋などもご紹介します
お米を保存する保冷庫についても記事を書いております。
⇒資材屋がおすすめする玄米保冷庫と白米保冷庫のおすすめ【お米の保存の基本】
今回はその中でちらっとご紹介した柿渋米袋についてお話します。米袋でありながら少しお値段がはるものの保冷庫を買うよりは全然安く玄米であれば3年は保存可能ということで今回はそんな柿渋米袋についてお話します。
年間数多くの農業資材の展示会に参加し各メーカーさんとお話する機会のおおい管理人が、各メーカーの営業さんから聞いたお話や自身が働く資材屋での売れ筋や逸話などを踏まえながらお話します。
柿渋米袋とは
お米の長期保存で調べると保冷庫以外では確実に出てくる柿渋米袋や柿渋撥水米袋。どんなものかというと一言でいうと
柿渋剤が含まれた米袋
です。
ですので柿渋米袋の効果はすべて柿渋剤の効果となります。ちなみに柿渋米袋と柿渋撥水米袋がよく出てくると思うのですが柿渋に撥水効果があるためほぼ同義語となります。それでは柿渋剤の効果についてお話していきます。
ここでこれから記事を読んでいただくに当たり大事なことをお伝えします。これを頭に入れてから読んで下さい。
柿渋米袋について知っておくべきこと
- 柿渋米袋の効果について実験で明らかになっているものの保証などは一切なく100%その効果を得られるとは言えない
- 基本的に柿渋米袋を保冷庫に入れるというのが最適な保存方法として勧めるメーカーも多い
- 多くの柿渋米袋は玄米で3年保存・白米で1年保存
やはり以前お伝えしたレーベントクラフト米袋のようにそういった効果は実験などで出ているものの時期や場所などの条件などによって効果を100%期待できるものではないというものとなります。
柿渋剤を使った柿渋米袋の効果
柿渋とは渋柿を粉々にして熟成させてから作る昔からある天然染料です。柿渋剤としての効果は
などの効果があり、木材に塗布するとホルムアルデヒドを無害化する効果があり木材の寿命を増やすともいわれています。木材の他に布生地にも染料として数回染重ねることで耐水性がつき汚れにくくなるとのことで昔は傘などにも塗られていました。
抗菌・抗ウイルス効果もあり昔は火傷や切り傷、虫刺され、うがい薬としても使われておりノロウイルスやインフルエンザなどのウイルスにも効果があるかもしれないとの研究結果もあるそうです。
そんな柿渋剤で米袋を染められた柿渋米袋をつかうことで
などの効果が期待できます。ただ若干自作したものと作られたものでは効果が変わってきますので簡単に説明していきます。
新米の味が落ちにくい
いきなりで申し訳ないのですが、こちらは柿渋剤の効果そのものとはいえません。市販されているなかで一番有名な柿渋撥水米袋を作っている「みずほ産業」さんのものはクラフト紙に特殊な柿渋剤を使っているため通気性がよくお米が呼吸しやすい米袋となっています。
通気はするものの撥水もするため効果としてはジャケットなど衣類に使われる素材のGORE-TEXのような効果だと思います。その通気性でお米が呼吸ができ撥水効果で余計な水分も吸収しないように調整されるため酸化・劣化が起こりにくくなり夏場でも冷暗所で常温で保存が可能な保冷庫要らずの米袋となります。
実際に3年保存して食べてみた方の動画がありましたので貼っておきます。
防虫効果
柿渋に含まれるタンニンが虫を退けるとは言われていますが正直微々たるものです。そこまで期待はできません。ただ柿渋剤を塗布することで塗ったものをコーティングして虫に食い破られにくくするという効果も期待できます。
以前こちらの生地でお米にわく虫などの対策についてお話しましたが、米袋を食い破って中に入るタイプの害虫もおりそれらには効果が期待できます。
とはいえ虫は米袋を食い破る他に最初からお米に紛れている、米袋の口の隙間から入るなどありとあらゆる方法で侵入してくるため柿渋撥水米袋だから防虫できるとは考えずに他にも防虫対策をしっかりと取りましょう。
その他効果について
まずは防カビについてですが、こちらは上でも説明したように通気性がよく水分量を守るためカビは発生しづらいようになっています。こちらも防虫とおなじく保存場所や取り扱いで効果が変わってきます。
またみずほ産業さんの米袋に限っては保冷庫無しで3年間の保存が可能とのことで上にも3年前のお米を食べるという動画を貼りましたが、常温での保存が新米の味を落とさないのと同じ理由で保存可能です。
お値段は多少高いものの天日干しをすればまた使うことができ何回か使えるため通常の米袋を購入するよりは長期保存もできお得になっています。
お米以外に保存することはできるか
お米以外にも柿渋米袋に保存している方もいらっしゃいます。主に
- 小豆
- 大豆
- イモ類
イモ類などは発芽を抑えるために入れる方もいるようですがお米と違い長期保存はできないようで冬の間に発芽しないようにとかそのレベルのようです。
柿渋米袋の口コミ・レビュー
ここで口コミやレビューについてまとめてみました。
プラスチック製保存容器の白米にコクゾウムシが発生したのでこの柿渋保存袋(10kg)を購入しました。
アマゾンレビュー星4
購入してまだ三ヶ月しか経っていないので、はっきりとした効果はわかりませんが、玄米、白米両方共まだコクゾウムシなどの害虫もわかず、米の味も変化がないようです。
袋が柿渋でパリパリしていて口紐を結ぶ時に注意しないと口紐部分が破れる恐れがあるので要注意です。
手造りのようなので柿渋の染めムラなどがありますが、虫がわかなければよしとする範囲です。
在庫切れ時点で販売完了となっているので丁寧に使いたいと思います。
3年くらい使っています。実家のお米を玄米で保存していますが、今まで虫もつかないのでいいものだと思います。
アマゾンレビュー星4
紙でできているので、再利用で何回か使うと口の部分が破れてしまうことがあるので、丁寧に使うことをおすすめします。
新米の餅米が、2カ月で虫がわき、
アマゾンレビュー星2
がっかりでした。
期待していたので悲しいです。
基本的に評価は高いようですが紙で作られているため丁寧に扱わないと破れてしまうという口コミが多いです。ただそれ以外は全体的にも評価は高く満足度もいいようです。防虫効果もでているようですが柿渋米袋だけの防虫効果に期待しないでいくつか他にも予防をしましょう。
柿渋米袋は自作できるのか、どこで購入できるか
柿渋米袋は実際に需要が高くなってきており手に入りづらくはなっているもののインターネットでも買うことができます。大手モール(楽天・ヤフー・Amazon)などでは上でも説明したみずほ産業さんの柿渋撥水米袋が売られています。5・10・30kgのラインナップがあり個人でも使いやすいサイズもあります。
ちなみに正規品と書いてあるのもみずほ産業さんの「柿渋撥水米袋」ということで、「柿渋米袋」自体は他のメーカーさんでも作っています。ですので柿渋米袋の偽物というのは中々ないと思います。
他にも柿農園さんなどでも手造りの柿渋米袋が売られていますが、それらの米袋は撥水とは書いていないため若干の柿渋での撥水効果は期待できるものの米袋は何を使っているのか書かれていないため通気性などの効果は不明です。
ただホームセンターなどでは見かけることは少ないです。ホームセンターは局所的なものよりも一般的なものを在庫して販売する必要があるためマニアックなものは入荷しづらいのが原因かと思います。
柿渋米袋を自作できるのか
柿渋米袋自体は手に入りにくいため自作をしていらっしゃる方もいます。通常の米袋に柿渋剤を塗っていくというものですが、基本的には2~5回ほど重ね塗りをしています。
ただ上でも少し説明したのですが、みずほ産業さんの通気性などは再現するのは手作りでは難しいと思います。実際に作っている動画もあったので紹介します。
まとめ
今回はお米の備蓄の需要が高まっているなか長期保存ができる米袋をご紹介しました。以前にも保存袋を全体的にさらっと説明したのですが、今回はその中でも柿渋米袋に絞ってご紹介したので他にも気になる方は記事をお読みください。
柿渋米袋を使うことで防虫・防カビなどの効果を保冷庫も使わずに3年保存ができます。ただ玄米での保存の話でみずほ産業さんの柿渋撥水米袋の効果となります。他の柿渋米袋でも柿渋剤での効果で期待できる防虫・防菌などの効果があります。
冷蔵庫などに入れる場合も他の食材のニオイがお米に付きづらいという効果もありますので柿渋撥水米袋でなくてもお米を長く保存するのに適しています。