折半屋根の施工に必要になってくる板金を折り曲げる工具と切断する工具。屋根の軒先やケラバの施工は専用の道具を使うことで驚くほど早く施工ができるんです。
以前くるりんぱとガチャぽんという板金工具をご紹介させていただきました。それぞれ軒先の曲げや水止め加工をするくるりんぱと横葺きの屋根のケラバ、軒先の締めができるガチャぽんはとても便利でした。
今回もそんな便利工具のご紹介です。
年間数多くの建築系の展示会や工具展などにおもむき、多くの資材メーカーさんや代理店さんの営業とお話する機会の多い管理人が自身が働く資材やの売上や人気を踏まえて便利な工具をご紹介いたします。
今回も前回紹介した板金屋さんタカハシ機工さんのオリジナルアイディアアイテムをご紹介。
屋根の水止め加工に便利なアイテムと横葺き屋根の妻処理アイテムです。
水止め加工・ケラバ曲げ用板金工具 「立ち上げくん」
水止め加工の立ち上げのときに立ち上げ部がちぎれてしまうことがあります。特に隅。その悩みを一発解決できるのが、「立上げくん」
折半屋根のケラバ、軒先の曲げ加工が簡単にできます。屋根の立ち上げを作る際どうしても立ち上げ部分の隅ががちぎれがちですが、この立上げくんをつかうと簡単にできます。わかりやすく下の動画をみてみてください。
立ち上げくんの対応加工幅は305~405mmですが、アタッチメントを使うことで455mmまでの加工が可能になり各種屋根幅に対応できるようになります。立ち上げ寸法は15~45mmの範囲で調節ネジで調節することでできます。
立ち上げの量や幅を調節ネジで自在に変えられますので、各種屋根材に対応していてとっても楽。
また軒先、ケラバ(妻側)の曲げ加工もできます。
特徴
- ちぎれがちな立ち上げ部のスミでも大丈夫
- 横一文字葺等ケラバ、軒先の曲げ加工に最適
- 固定ネジを緩めると加工幅が変えられます。
- 300-400mmの底幅に対応できます。(アタッチメントで455mmまで)
- 調節ネジで立ち上げ寸法も可変
スペック
- 対応加工幅:300-400mm
- 立ち上げ可能寸法:15-45mm
- 対応材料:GLカラー鋼板、フッ素鋼板
- 重量:1.6kg
- 亜鉛メッキ加工
最近リニューアルして使っているときにも立ち上げ寸法がみれるようになったようです。
下のボタンでノーマルの立ち上げくんと455mmまでのできるようになるアタッチメント付きの立ち上げくん両方を調べることができます。
横葺き屋根のケラバを簡単に曲げれるアイテム「妻ぶき君」
名前がどこかで聞いたことがあるようですが、気にしないでおきましょう。
吊子部をカットしなくてもらくらく折り曲げることができる横葺き屋根の妻側処理の画期的時短アイテム!
特にアポロルーフでは吊り子部をカットしないと5枚を曲げることになりますが、こちらはカット無しで簡単に一発で90度以上曲げることができます。板厚も0.3-0.5mmまで対応しています。
こちらが使っている動画です。
使い方
- 妻側曲げ部分に妻ぶき君をセット。
- ハゼ部分を2カ所つかみます。
- レバーをたおすと曲げる部分をガッチリつかみます
- ハゼおりの要領で曲げて下さい
特徴
- 吊り子部分の切り取りは不要です!
- 仕上がりがキレイ
- 一発で90度以上曲げます
- ガチャぽん(別売)なら一発でハゼまでツカミこめます
スペック
- 対応板厚:~0.5mm
- 対応材料:GLカラー鋼板、フッ素鋼板
- 重 量:1.75kg
- 亜鉛メッキ加工
まとめ
ルーフ作業の時短アイテムを出しているタカハシ機工はこれからも要チェックですね。 ちょっとしたことに気づいてアイディア商品を出してくるのはさすが板金屋さんです。 今回も大手ショップモールでも買えますので、簡単に手に入れられるのが嬉しいですね。以上今回も屋根作業に欠かせないアイテムのご紹介でした。時短ができて仕上がりもきれいになるのでおすすめですよ。
くるりんぱや立ち上げくん、ガチャぽん、妻ぶき君の違いと使い道
ただ少しわかりにくいのが今まで紹介した
- ガチャぽん
- くるりんぱ
- 立ち上げくん
- 妻ぶき君
全部同じようなものだけど、どう違うのかということになります。こちらはこちらを造っているタカハシ機工の人ともお話して聞いたことがあるのですが、以下がそれぞれの違いを簡単にまとめたものとなります。
- ガチャポン:横葺き、R屋根の軒先・ケラバの締め加工
- くるりんぱ:瓦棒・立平葺の屋根の軒先のカット折り曲げ。ケラバも板厚0.5mmまでならハゼ折できる。飲込19mm
- 立ち上げくん:切り込みがいらない軒先・ケラバの水止め曲げ加工。飲込~45mm
- 妻ぶき君:横葺き屋根のケラバ(妻部分)を折り曲げ
タカハシ機工の方いわく、同じように見えても一つ一つ細かく使い方が違い、併用などはできないとのことです。使える屋根の種類や立ち上げの幅などが変わってくるのでよく注意して使用することが必要になります。
要らなくなった工具などは思わず高値で売れることもあります。使わなくなった職人仕上げのものやレアなものなどは無料で見積もりができる買取業者もありますので査定に出してみましょう。おすすめの買取業者についてはこちらの記事へ