農業 野菜栽培

トマトの育て方!誘引や芽かき・追肥などの時期・方法を知ろう

※この記事はプロモーションを含みます。

野菜として食卓として上がるのが当たり前のトマトは農業を専業でやっている方から家庭菜園で野菜を育てている方まで幅広く育てられている野菜です。子供の時に学校でミニトマトを育てる授業を行った人もたくさんいるのではないでしょうか。

そんなトマトですが、最近フルーツトマトなど甘いものや形が変わったものまで沢山の種類があり、そんなトマトの種や苗も手に入りやすくなりました。ですのでこれから育ててみようという方も多いのではないでしょうか。

今回は年間多くの農業資材メーカーの営業さんとしゃべることの多い管理人が、自身の務める資材屋での人気等をふまえトマトの基本的な育て方とコツ・重要ポイントなどを育てるのに必要な資材とともにご紹介していきます。その際これは参考になるという動画も幾つかピックアップしまとめましたので文だけでは伝えにくいところは動画をみてみてください。

基本的なトマトの育て方

ここで基本的なトマト栽培の育て方をおさらいしましょう。

まずは種を植える時期ですが、基本的には3~4月となります。ただトマトを育てる適温が20~30度となるので暖かい場所だと2月下旬頃から、また寒い場所だと3月下旬頃からと多少変わってきます。

  1. 育苗ポットに種を3~4粒蒔く
  2. 第1本葉がで始めたら成長が弱いものを間引き
  3. 第2本葉がで始めたら間引きしてポットに1つの苗に
  4. 本葉が4~5枚になったら大きいポットに移す
  5. 本葉が7~8枚になったら準備しておいた畑に移す(種を植えてから約2ヶ月)
  6. 主枝を支柱や紐にくくりつける(誘引)
  7. 花ができたら受粉する
  8. わき芽を取る
  9. 実がなる花房が3~5つ付いたら先端を摘み取る
  10. 果実がある程度の大きさになったら追肥する
  11. 一房に4~5個の実を残して後は摘み取る
  12. 実のガクが反り返ったら収穫

というのが基本的流れとなります。収穫は大体7月から9月となりますが、こちらも気候によって変わってきます。全体的なトマトを育てるためのポイントをまとめると

  • トマトを育てる気温は20~30度
  • 日当たり良好な場所
  • 土壌は中酸性から中性
  • もとは南米の植物のため多湿が苦手

それではコツを含めて説明していきます。

トマト栽培の種まきから畑に植え付けるまで

種まき

トマトの種まきは9cmのポット鉢に植えていきます。寒い時期に種まきをする場合は加湿と保温をして発芽できるようにします。種まきのポイントは

  • ポットに深さ1cmくらいの穴に3~4粒蒔く
  • その上に5mmほど土をかける
  • 家庭用菜園ハウスなどでそだて常に20~30度くらいを保つ
  • 朝に水やりをたっぷりとする
  • 発芽後も温度が高い状態だと背だけ育ちすぎる(徒長)ので気をつける

予め種を一晩水を含ませた布で包み、その後更に水を含んだ布の上に置いておいてホットカーペットの上で何日か置くという発芽方法「催芽まき」というものがあるようです。

催芽まきについて良さそうな動画があったので貼っておきます。

トマト用培養土
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間引き

ポットの中で芽を出したトマトの苗を間引いていきます。最初の2つの葉っぱを「子葉」といいますが、その後にでてくる最初の葉っぱが出てきたら、育ちが悪いものを間引きます。

その後は2回目の葉っぱが出てきたら一つのポットに苗が一つになるように強い苗だけ残して間引きます。

苗が大きくなったら鉢を移す「鉢上げ」

鉢が小さくなったら大きな鉢に入れ替えます。ここでは9cmの鉢から12~15cmくらいのポット鉢に移すとしていますが、9cmのポットのまま畑に植えるまで鉢を変えなかったり、セルトレイなどで育てている場合は芽が出て最初の間引きのタイミングで調子のいい苗だけを9cmポットに移すなど幾つかのやり方があります。

鉢上げの際に気をつけることは

  • ピンセットなどで行って手で引っこ抜かない
  • 最初にピンセットで土をほぐして、下からピンセットで上げるように根を切らないように苗を取る
  • 移すポットは穴を開けておいて根を入れやすく
  • 植え替えたら苗の周りを指で土を軽く押し固める
  • 土は肥料が最初から含まれているものを使う
  • 植え替え終わったら水をたっぷり上げる

こちらも詳しく解説している動画がありましたので参考にしてください。

12~15cm ポリポット
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大きくなった苗を畑に植えかえる(定植)と支柱の立て方

畑に植え替えるタイミングは本葉8~9葉になり花が咲き始めた頃です。

トマト栽培における定植はまず畑つくりから始まります。

  1. 土を石灰をまいて耕し栄養などがない場合は追肥して耕す
  2. しっかり畝をつくり、マルチを張る
  3. 支柱を垂直か三角形を作るように立てておく

ここまで前準備となります。畑に植え替える2週間くらい前に石灰をまきながら深めに耕し土作りをはじめます。そして1週間くらい前に堆肥と肥料を混ぜて更に耕します。

支柱ですが、ビニールハウスなどでない場合は風で倒れることもあるので、しっかりと畑にマルチの上から深く差し込み、できれば紐などで固定しましょう。

そして植え替えていくのですが、その際は

  • まずは苗のポットに十分に水やりをする
  • マルチにポットより大きめの穴を開けて植えていく
  • 苗の花の向きを東側に向けると太陽の光を浴びやすい
  • ポットから苗を取る場合はポットの下の穴から押し上げるように
  • 株間は50cm

少々大規模になりますが、トマトの定植と支柱の立て方をわかりやすく説明している動画があったので貼っておきます。とても参考になります。

マルチのお話はこちらの記事へ

植え替えお助けアイテム・定植器「なかよしくん」

また毎度のことながら定植もやはり屈んで作業するため腰にきます。腰を傷めないですむように定植器というものがあって立ったまま苗を畑に植え替えることができます。ただほんとに助かったという人と使いづらいと言う人と両極端な評価ですが、人気で売れ筋の商品ではあります。

ビニールハウスなどで栽培するのでなければ雨除けのビニールなどを張って雨に当たらないようにしましょう。雨に当たると実割れや病気になりやすくなってしまいます。

マルチ穴あけ器
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雨除けビニール
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トマトを畑に植え替えてから収穫までの育て方

支柱にしっかりとくくりつける誘引

畑に定植が終わったら、立てた支柱に紐をつかって八の字にくくりつける作業をします(誘引)。その際茎は成長とともに太くなるので、ゆとりをもたせて輪をつくりましょう。実はトマトはメロンやスイカのように地面に蔓状に這って育つ植物で放っておくと土の上に実をつけるということになってしまうため、しっかりと支柱を立て支柱に添わせて栽培し育てます。

くきたっちシリーズ

苗が成長するとともに20~30cm間隔で誘引をしていきます。このとき紐でくくりつけていってもいいのですが、「くきたっち」というアイテムを使うことで簡単に時間も使わず誘引することができます。誘引紐の太さによって種類も選べるのでとても便利な人気の売れ筋アイテムです。

くきたっちシリーズ
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誘引紐について

棚線から誘引する場合はビニールテープや専用の誘引紐を使う。茎に2、3回巻きつけるように紐を使いそのまま上の棚線に結びつける。その際はぴーんと貼りすぎず、弛まない程度で棚線からの紐を張る。

わき芽取りと仕立て

わき芽取りと仕立てをお話していきます。仕立ては誘引の延長線となりますので、このまままず仕立てをお話します。仕立てには基本的には2種類ありそのまま「1本仕立て」と「2本仕立て」です。そのまま1つの株に支柱や誘引紐を1本使うのか2本使うのかという意味になります。

1本仕立ての場合は上で誘引の説明をしたとおり20~30cm間隔で紐やくきたっちで誘引をしていきます。

2本仕立ては株の主軸の茎ともう一つもう一つ太く育った茎の2本を育てていきます。ただ2本育てると栄養が分散するため、実が小さくなったり少なくなったりするというデメリットもありますが、うまく育つと1.5倍から2倍の収穫量を期待できます。それと同じように3本、4本仕立てをしている農家さんもあるようです。

2本仕立てのポイント

2本仕立ては基本的にミニトマトに使われることが多いです。また中玉トマトにも使われることがあるようですが、大玉は基本はやらないようです。主軸ともう1つの育てる枝の候補ですが、普通は取ってしまうわき芽から候補を選びます。

主軸にある花を咲かせる枝がでてくるとそのすぐ下の枝がトマトは急成長するのが基本で、その枝を副軸とします。目安としては2本仕立てで使う枝は人差し指くらいの太さになったら2本仕立てとして誘引します。鉛筆やタバコほどだとまだ細く候補にするのは早いです。まとめると

  • ミニトマト向け
  • わき芽から副軸は育てる
  • 人差し指か中指くらいに育ったら副軸と決め誘引
  • タバコほどの細さだと様子見
  • 2本仕立ては基本栄養が不足気味になる
  • 畑すべてを2本仕立てにしないで半分は1本仕立てにしておく
  • 追肥・液肥は必ず行う

わき芽摘みのポイント

わき芽または横芽と呼ばれるものがトマトを育てていると出てきます。わき芽を放っておくと栄養が取られ続けてしまうため、なるべく小さいうちにわき芽を取ります。まずはわき芽の見分け方ですが、茎から葉っぱが出てくるのが普通ですが、その茎と葉っぱの枝の真ん中斜め45度で芽が出てくるものがわき芽と呼ばれるものです。

基本的にわき芽を取るときはハサミを使いません。ハサミを使うことで他の茎の病気が感染ってしまうことがあるからです。基本的には指で摘んで折り、そのまま反対方向にもう一度折るように摘めば綺麗に茎を傷つけずに脇芽を取ることができます。

またわき芽を摘む時間帯がとても大切です。晴れた日に大体午前中にわき芽摘みをしましょう。なぜかというと傷口は乾くのが遅くなると菌や病気が入ってきてしまうため乾きやすい晴れの日に行います。

ポイントをまとめます。

  • わき芽は手で摘む
  • できるだけ小さいうちに摘む
  • 間違って主枝を折らないように(花や蕾があるほうが主枝)
  • 摘む時間は午前中から午後15時までの間の晴れた日に
  • ハサミを使う場合は一回一回消毒をする
  • 先端部は成長部のためわき芽取りの段階では摘まない

こちらの動画がとても参考になります。

受粉とホルモン処理と摘果

トマトの花には一つの花に雄しべと目地べがあるので、風などが吹いて花が揺れることで受粉します。また人の手で花を振動させることで受粉ができます。

最初の花に確実に身をつけさせることが重要で手で振動させて受粉させます。その第一弾の花房が受粉しないと実に使われる養分が茎や葉にいってそれ以降の実のつきが悪くなります。そのためにホルモン処理も行いましょう。ホルモン処理をすると確実に実をつけることができますが、花が咲いた花だけに朝など基本が低い時に1~2回スプレーしましょう。日を開けてやると空洞果などの対策になります。逆に蕾やスプレーしすぎると空洞果の原因となります。

摘果はミニトマトはすることがあまりありませんが大玉のトマトなどは1つの花房に4~5個のこし残りは摘みます。摘果の時期は実がピンポン玉くらいの大きさになってから。

トマト用ホルモン処理スプレー
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摘芯と下葉処理と収穫

4~6段目の花房ができ始めたら、その花房の上2~3葉を残し先端を摘みましょう。そうすることで成長は止まりますが、栄養は十分行き渡ります。

収穫が終わったら第一弾の実より下の葉っぱは必要ないのですべて取り除きましょう。そうすることで風通しが良くなり病気予防にもなります。

収穫はガクが反り返ったらヘタの近くまで赤くなったものから収穫していきます。収穫は早朝がベストです。なぜかというと夜に光合成によって養分が蓄えられるからです。

追肥のタイミング

最後に追肥のタイミングの時期についてお話したいと思います。基本は畑に植え替えてから2~3段の花の開花までは肥料の吸収が一番激しい時期なので潅水を控えめにします。そのあと3~4段の花が開花するころには肥料の吸収力は低下してくるので窒素成分の肥料や液肥を追肥します。5段の花が開花する頃にもう一度追肥をします。

畑に植え替えてから3つ目の花房の開花時に成長点といわれる一番上の先端部分の状態を見て決める方法もあります。見るべきは

  • 一番上から15cm下の茎の太さ
  • 葉っぱの状態
  • 成長点から下の一番最初の花房までの距離

で判断します。それぞれ説明していきます。

成長点より下に15cmの茎の太さを図りそこの太さが

  • 1.0cmより細い場合は肥料不足
  • 1~1.2cmの場合はベストな状態
  • 1.2cmより太い場合は肥料過多

となり主軸の茎が細い場合は追肥をしたほうが良いということになります。これだけでは判断せずさらに葉っぱの状態を見ます。葉っぱの状態が

  • 新しい葉っぱが内側に巻き込んでいる場合は肥料が多い
  • 葉の色が綺麗な緑の状態はベストな状態
  • 葉の色が黄緑色となっている場合は肥料が足りてない

と判断できます。最後に見るべきは成長点、つまり一番てっぺんから下に行って一番最初の花房までの距離を見ます。

  • 距離が10~15cmはベストな状態
  • 10cm以内だと生殖成長期(花や実に栄養が使う)
  • 15cm以上だと栄養成長期(葉っぱや茎に栄養を使う)

となっています。トマトは生殖成長期に収穫する野菜ですが10~15cmがベストな距離ですので、10cm以内の場合は少し水や肥料を抑えたり、15cm以上の場合は水と窒素の肥料を加えてバランスを取りましょう。バランスが取れないと生殖成長に偏ると茎や葉っぱが弱々しくなり、栄養成長に偏ると茎や葉っぱばかりが成長していってしまいます

下の動画を参考にさせていただきました。非常にわかりやすいです。

まとめ

今回はトマト栽培にあたっての育て方の流れとコツなどをお話しました。ただ地域や環境などに合わせて育て方は変えなくてはいけないので、そこは注意をしてください。

またソバージュ栽培というものもあります。ソバージュとはフランス語で野性的にという意味で、そのまま自然のままの環境に近い形で育てる方法です。おもにミニトマトで使われ、低コストで高い生産性をだせると話題になっている育て方でもあります。葉かきや芽かきをしないで育てるようです。

そんな場合は自然環境では植物たちは共存して育っていくという考え方をもとに、受粉を促すためにマリーゴールドを近くに植えハチなどをおびき寄せたり、トマトの株間1mの間にバジルを植え害虫がつくのを防いだり、トマトと栄養を供給し合うという落花生を畝の端に植えたり、トマトの両端にニラを植えて根腐れを防いだりなど植物同士で成長させるという面白い方法です。

もし機会があったらそちらについてもまとめていきたいと思います。

アドセンスマルチ

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