最近は雪国なのに雪が全然振らなかったり、逆に雪国ではないのにどかっと雪が降ったりと異常気象が続いていますよね。特に雪国では振ったり振らなかったりとスキー場などにも影響が出てきていますが、だからといって雪が降ったときの対策をしっかりしていますか?
以前雪が屋根から落ちてしまうのを防ぐ雪止め金具の記事を書きましたが、雪による被害は意外と多いものです。本日は屋根ではなく窓。積もった雪の窓への対策についてお話します。
雪止め金具についてはこちらの記事へ
実は雪が積もって窓の高さまで行くことは雪国では珍しくありません。そしてその雪の重みで窓が割れてしまうこともあります。そんなときはどうすればいいのか、またどう防ぐべきなのか。雪がふらないからって安心できません。実はこの対策法台風などの強風からも家の窓を守ってくれます。
多くの建築系の展示会や建材メーカーさんの営業の方とお話する機会が多い管理人が、実際にメーカーや建材商社の方から聞いたお話と、実際に働いている資材屋で人気のアイテムをご紹介します!
家の窓に雪対策って必要?
雪があまり降らない地域の人にとってはあまり共感を呼べないかもしれませんが、雪対策というのは屋根や玄関だけでなく窓にもしないといけません。
積もった雪の重みや除雪車によって投げてこられた雪、落ちてきた雪やつららによって窓が割れることは珍しくありません。雪国ではそういった場合の事を考えて冬に雪囲いと呼ばれるものを窓に付けます。
雪国ではよく見ることができる雪囲いとはこんなものです。
これを見て気づかれた方もいると思いますが、雪から窓を守るだけではなく暴風や台風対策にも使えるのがこの雪囲い。台風の時古い家だと引き戸を締めたりしますが、現在は中々引き戸がついている家もありません。そんな現代の窓に外から窓を守るために雪囲いは活躍します。ですので窓囲いとか、窓枠囲いとも言われます。
雪国では雪囲いだけではなく2重サッシにしたりする対策もありますが、2重窓は実はメリットだけでなくデメリットもあるんです。
2重サッシまたは2重窓のメリット・デメリット
2重サッシや2重窓のメリット・デメリットについて簡単にお話いたします。
まずデメリットを上げると
- 2重でも窓は窓なので割れる
- 雨戸のように窓の上にガードするタイプは部屋が真っ暗になる
となります。やはり2重にしても窓を2つにするものなので外側の窓がやはりガラスが割れてしまいます。またガラスではなく引き戸のような2重サッシは部屋が暗くなってしまい太陽の光などは入ってきません。
次にメリットをお話すると
- 断熱効果がありお部屋が温まりやすく、省エネ
- 大体3万円くらいからできるのでお手軽
実際2重窓を勧めている業者さんも多いです。ただこちらはDIYなどで付けれるレベルではないため、業者さんにおまかせしましょう。雪国の家は大抵2重窓になっており中の温かさを守ってくれる断熱効果もありそういった効果を期待するのであれば2重窓が良いかもしれません。
もしリフォームで二重サッシをつける場合ですと無料で見積もりをとれて登録してある業者をおすすめするサービス が悪徳業者などにも引っかかりづらくおすすめです。ガラス110番など有名なところにとりあえず見積もりだけ頼んでみましょう。
次はDIY間隔で簡単に雪囲いを窓に取り付ける方法についてお話いたします。
窓を守る雪囲い(冬囲い)とは
雪がかなり降る地域や他に遮るものがなにもない場合は上のように完全に家の側面を覆ってしまうものもありますが、基本的には窓だけをガードするようにします。
つまり雪囲いは窓をガードする板と考えていただいて差し支えありません。
上のような写真だとちょっと大掛かりな工事が必要かと思いますが、正直そこまでは必要なくDIYできる簡単なものをご紹介します。
雪囲い取り付け用金具の種類
雪囲いをまずつけるための雪囲い金具という物があります。それを窓枠に取り付けてその金具に板をはめて初めて窓を守ることができます。
その雪囲い金具にもいくつか種類があり
- 十字型
- 貫抜型
- コの字型
の3種類に分けることができます。どれも一緒だと思われるかもしれませんが微妙に違ってきますので簡単に説明していきます。
十手型取り付け金具
こちらは時代劇でもよく見る十手の形をした取り付け金具です。見れば分かる通り、板を上からはめ込んで設置するタイプです。簡単に板の取り外しができる一般的な形ですのでオフシーズン・オンシーズンの切り替えや晴れている日雪や風が強そうな日にすぐに板をはめたり外したりできます。
コの字型取り付け金具
こちらは「コの字」になっている金具(C型鋼にような)を取り付けて、上から板をスライドさせてはめ込んでいきます。隙間なくびっしりと板をはめることができます。
貫抜型通し金具
こちらもなんとなく想像がつくと思いますが、板を通して行くタイプです。十手型よりは縦からの作用で板が外れにくくなりますが、そこまで違いはないのでお好みで選んで大丈夫です。
金具にはめる雪囲い板について
基本的に一番最初の写真のように金具に木の板をはめる方が多いです。木の板があるのであれば安価で済むのでそれでもいいでしょう。ただ意外とちょうどいいサイズの木の板は見つからないですしホームセンターなどに行って切ってくるのも手間です。
ですので今回は商品化があらかじめされているプラスチック製の板をオススメします。
木の板だと部屋が暗くなってしまいます。それもそのはずで十手や通し型金具では隙間が少し空いているものの十分ではありませんし、コの字型はしっかりと隙間なく板をはめ込んでしまいます。
ですが、こちらの「クリアガード」であればプラスチックで光を透過してくれるので、暗くなりません。どちらかといえばくもりガラスに近い形になります。お好みでクリアとブロンズのカラーが選べます。
詳しく説明していきます。
タナカの雪囲い万能クリアガード(生産終了)
こちらは有名な住宅金具メーカーの「タナカ」さんが扱っている商品です。小ネタを挟むと「西潟」さんというメーカーが作っていたそうですが、倒産しタナカさんが買い取ったとか。
どちらにせよ住宅を建てる金具を作っている住宅建築金具関係のメーカーが出しているので安心感があります。
とても軽く施工しやすい上に金具への負担も少ない施工がとてもしやすいのですが、軽すぎて強風などで飛ばされないための対策が必要です。サイドキャップ、ガタツキ防止パッキンが付属で入っているのでそれらをしっかりと付け対策をしましょう。
基本的にクリアガードにはクリアガード専用の取り付け金具で取り付けるため、最初からすべて揃えておきましょう。とはいえクリアガードは生産終了し正式ルートでは買えません。まだ売っているところもありますが、基本オークションやメルカリで探すか、違うメーカーが似たような物を開発しているという話もあります。それを待ちましょう。
クリアガード用取り付け金具
こちらは上で説明した金具と全く一緒の3種類に+1種類の合計で4種類あります。
- 十手型金具
- コの字型金具
- 貫抜型金具
- サッシ対応角パイプ
サッシ対応型というのはサッシの出を避けるために便利で、壁に金具をつけて窓サッシの上にクリアガードをつけることができるようにするための金具です。
クリアガード専用十手型金具
180mmから1820mmまで各サイズありで、こちらはステンレス製と亜鉛鋼板製があります。
クリアガード専用コの字型金具
1000mmから1860mmまでの各サイズ、ステンレス製と亜鉛鋼板製があります。
クリアガード専用貫抜型金具
910mmから1820mmまでの各サイズ、ステンレスと亜鉛鋼板製があります。
クリアガード専用サッシ対応型角パイプ
1000mmから1820mmまで各サイズでアルミ製になります。
そしてできれば用意しておいた方がいいクリアガードを補強するための道具をついでにお話します。
クリアガード専用補強バー
雪からあまりに大きな力がかかったときに板がたわむのを防止するためにこの専用補強バーを入れておくことでクリアガード自体の強度が増します。
クリアガードに入れておくだけなので特別な施工方法はいりません。
タナカさん以外にも冬囲い金物をつくっているメーカーもあり、素材もアルミなどでつくっているところもあるようです。基本的にどこでもサイズなどは一緒なのでタナカさんのクリアガードが使えるところが多そうですが、一応サイズを確認しましょう。
まとめ
今回は雪国に必須の雪囲いについてご説明させていただきました。正直資材屋でもかなり売れている商品です。夏から秋ににかけて冬の準備のために買う方が多いが強風対策のために春などにも買う方もいらっしゃいます。
雪や風から窓を守るためには窓をガードする必要があります。そのためには雪囲い取付金具を窓や壁に取り付け板をはめ込みましょう。
板は木の板でも大丈夫ですが、透明なプラスチック板であるクリアガードをおすすめします。透明なため窓をガードしても真っ暗にはなりません。また取り付けも取り外しも簡単です。
一式タナカという木造住宅建築金具を造っているメーカーさんが出しているクリアガードとクリアガード取付金具を使えば金具やそれにあう板を探さなくてもすみます。クリアガードを使う場合は補強部材も用意しましょう。
取付金具は基本的にステンレスと亜鉛メッキのものがありますが、ステンレスの方が長持ちをします。雪対策をしっかりとしていきましょう。
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