今まで野菜や植物の記事を書いてきてそれらの肥料についても触れてきました。でも野菜などの肥料の話はよく聞くけど庭木や果樹の肥料ってあまり聞かないような気がします。もちろんそれらに携わっている人はよく聞いたり実際に使っていたりするとは思いますが。
今回はそんな樹木の肥料で調べるとよく出てくるグリーンパイルについてお話をしようかと思います。樹木の肥料というものを簡単に触れつつグリーンパイルの効果的な使い方などもまとめていき、更には他のおすすめ肥料もご紹介していきます。
年間多くの農業資材メーカーの方とお話をする機会の多い管理人が、資材のプロの方々や営業さんから聞いたお話や実際に管理人が働く資材屋での人気を踏まえてお話します。グリーンパイルについてはもちろん木の肥料についてこれを読めばバッチリです。
肥料の基本を復習
ここでこれからお話する内容に必要な肥料の基本を復習していきたいと思います。
肥料と活性剤の違い
グリーンパイルは肥料ですが、実は肥料と思っていても活性剤だったということもあります。その違いを簡単に説明すると
- 肥料:法律による成分の基準に満たしているもの
- 活性剤:それ以外の低濃度のものや植物の活性化を助けるもの
つまり主食とサプリメントに例えるとわかりやすいかと思います。肥料は主食で活性剤はサプリメントです。活性剤は肥料と書いてあることはないはずですのでよく注意すればわかります。
肥料の基本成分と効果
肥料の三大要素といえば窒素・リン酸・カリウムの3つです。それぞれの働きを簡単に説明すると
- 窒素:葉っぱや茎の成長に必要な成分
- リン酸:花や実つきが良くなる
- カリウム:根の発達を良くさせる
という効果があります。もちろんたくさん上げればいいというものではありません。多くあげすぎると窒素は葉が茂りすぎてしまいますしカリウムはマグネシウムが吸収されにくく光合成に影響が出てしまいます。またリン酸は土壌病害の危険性が増してしまいます。
肥料はそれぞれの成分の比率が書いてあるので必要な成分が多めに入っている肥料を選ぶようにしましょう。
他にも根や茎を丈夫にして病気や虫に強くできるケイ素や光合成やビタミンCの合成を助けるマンガンや植物のタンパク質合成を助けるモリブデンなどがあります。
木の冬眠と肥料をあげる時期
一般的に樹木は冬には休眠に入ると言われその間に肥料をあげることを寒肥とも言います。冬眠しているのに肥料を上げる意味あるのかという疑問もあるでしょう。冬眠といっても全く活動を休止をしているわけではありません。
木が生長するのが温かい時期なだけで年中養分や水は吸収しています。ですので寒肥をしてもすぐには影響は出ませんが、春がやってきて伸びる時期になると影響がでてきます。
冬の時期の肥料は化学肥料を使わないのが基本です。休眠をしている状態で栄養価が高すぎるため根がついていけず弱ってしまう肥料焼けという現象が起きます。
他にも木が休眠している時期に注意すべきことがありますので簡単にまとめると
- 常緑樹は冬に枝を切りすぎない
- 常緑樹の植え替えを冬に行わない
- 雪が木に乗っかったままにしておかない
これらを注意しないと最悪木が枯れたりすることもあります。
樹木用肥料のあげ方
木の肥料や活性剤には大きく分けると2種類あります。それは
- 木に直接打ち込むタイプ
- 木のまわりにあげるタイプ
です。そのままですが木に直接打ち込むタイプのものは木に穴を開けて肥料や活性剤を入れ込みます。木の周りにあげるタイプのものは木の周りの土に打ち込んだり撒いたりするものとなります。
穴を開けるものはインパクトドライバーで豪快に木の中心に穴を開けて使いますが、周りに撒くものはものにもよりますが木の根の先の方にあげるのが効果的です。だいたい木の枝の広がりの先端の真下くらいが根の先端でもあるのでそこに穴をほって木の周りに囲むように必要な量をあげましょう。
グリーンパイルとは
グリーンパイルとは肥料メーカーであるジェイカムアグリさんが作っている木ではなく土に打ち込んで栄養を与えるタイプの肥料となります。資材屋や庭師の方でもよく使っていて人気もとてもあります。
ただ鉢植えのものには使えないので注意が必要です。
種類は4種類あり
- グリーンパイルラージ(中高木用)
- グリーンパイルミニ(低木~中高木用)
- グリーンパイルスモール(低中木)
- グリーンパイルスモール3本セット(家庭園芸用)
に分かれています。ちなみに低木は高さが2m以下のもの中木が2~5m、高木は5m以上のものを一般的に指します。それぞれにあったものを選びましょう。
グリーンパイルの特徴を簡単に上げると
- 樹木に理想的な比率成分
- 土に打ち込むだけの簡単使用
- 肥料焼けを起こしにくい
- 効果が長続きする
といったものがあります。説明していきます。
グリーンパイルの肥料成分
グリーンパイルの成分は上でもお話した窒素・リン酸・カリウムです。それらが17%・10%・10%の割合で含まれており樹木には最適は成分配合になっています。
グリーンパイルの使い方
グリーンパイルの使い方は
- グリーンパイルに打ち込み用キャップ(付属品)をつける
- 地面に打ち込む
という簡単なものです。ただグリーンパイル自体が紙の筒でできているためあまり強く打ち込むと破損してしまいますので、プラスチックやゴムの槌で打ち込みましょう。
必要本数は幹の直径や太さ、樹巾とよばれる木の幅を考慮して決めます。ジェイカムアグリさんでは以下の条件で本数を推奨しています。
樹巾 | 幹の円周 | 直径 | ラージ | ミニ | スモール |
100cm | 15cm | 5cm | 1本 | 2本 | 3本 |
150cm | 30cm | 10cm | 1~2本 | 2~3本 | 3~6本 |
200cm | 45cm | 15cm | 2~3本 | 3~5本 | 6~9本 |
250cm | 50cm | 18cm | 3~4本 | 5~7本 | 9~12本 |
300cm | 60cm | 20cm | 4~5本 | 7~8本 | |
400cm | 70cm | 25cm | 5~6本 | 8~10本 | |
500cm | 80cm | 30cm | 6~7本 | 10~12本 | |
600~ | 100~ | 40~ | 7~8本 | 12~13本 |
次にグリーンパイルを打ち込む場所の目安ですが木の高さや枝の広がりによって変わってきます。
- 小木:根本から20~30cmの場所
- 普通の樹木:樹巾の先端、横に広がった葉っぱの先端の真下
- 松など針葉樹:根本と頂点から円を描き、その横幅
- もみの木など:頂点と最初の枝を結んで円を描きその横幅
打ち込む深さはだいたい頭が3cmくらい出る程度打ち込んで使われています。
グリーンパイルの効果
グリーンパイルを打ち込む時期は一年中どのタイミングでも大丈夫ですが、主に春と秋が一番効果が期待でき推奨されています。
打ち込むだけで約1年間効果が続くようにゆっくりと肥料成分が浸透するため根への負担が少なく肥料焼けを起こしにくくなっており、さらに樹木の根があるという地表から30cm~50cmの部分に効果的に肥料成分が溶け出すようになっていて効率よく肥料成分を与えられます。
グリーンパイルの口コミ
人気のグリーンパイルですがどんな口コミがあるのか見てみましょう。
毎年5月に打ち込んでます。あきらかに庭木が元気になります。結構強い肥料なので、芝生に差し込む場合は、3~5センチ深く埋めて目土をしないと穴周辺の芝が肥料焼けします。
モノタロウ口コミ 星5
庭にヤマボウシを植えて15年、樹木の高さと幹は成長してくれましたが、年々、花の数が減少してしまいました。
根元に芝生を張っているのも影響して栄養を取られていることもあり、肥料の与え方等を色々と調べてこの打ち込み式のグリーンパイルにたどり着きました。
打ち込む時は、雨が2、3日降った後で、土面が柔らかくなった時に、太めの園芸用支柱で穴を開けてから打ち込むと簡単に出来ます。
ヤマボウシの花の数は、昨年の3倍以上開花してくれました!
枝先にもしっかりと栄養が行き届いているようで枝も威勢良く成長し、葉も一枚一枚が大きくなりました。
これだけ効果が出てくれたので、一年に一回の手入れとして利用したいと思います。
アマゾン 星5
簡単に打つつけられると思っていたら大間違いだった。結局プロに依頼した。柔らかい土になら誰でもできると思うけど庭の木の下などは無理でした。
楽天 星3
など評価は高めですが、打ち込む時の難易度が以外に高いという声が多いです。硬い土でも柔らかい土でも予め穴を開けてからゴム槌などで打ち込むのがいいでしょう。
その他の樹木用肥料・活性剤
グリーンパイル以外にも樹木用の有名な肥料や活性剤をご紹介します。
植物活力剤 メネデール
こちらはメネデールさんで作られている樹木注入液のメネデールです。肥料ではなく活性剤という扱いになり樹木の植え替えや植え付け、衰弱している場合に幹に直接注入するタイプです。その他にも水で希釈をして根の周りに溝を堀り与えたり葉に直接かける葉面散布ができるタイプもあります。
二価鉄イオンという成分が含まれており、それによって水分や養分の吸収をしやすくなり光合成も助けてくれるという効果があります。
使用方法は幹に45度で9mmのドリルを入れて深さ5cmほどの穴を開け、メネデールを穴に突き刺し液を注入していきます。
庭木元気・庭木のツチトコ
こちらは樹木新理論さんで作っている肥料と活性剤になります。プランター向けや庭木、造園向けなどで商品のラインナップが分かれています
- 庭木元気:肥料(窒素・リン酸・カリウム・ケイ素)
- 庭木ツチトコ:活性剤(ケイ酸・マグネシウム・マンガン・モリブデン・鉄・亜鉛・ホウ素)
- 庭木健育・活力:活性剤(モリブデン)
庭木元気は三大要素の窒素・リン酸・カリウムにケイ素を加えた肥料です。プランター用のツチトコNPKも同じ成分です。根先の土の上にパラパラと撒くだけで肥料を与えられます。
庭木ツチトコは6Lの水に1袋を混ぜて使う活性剤です。植物の栄養補給と土壌改善ができる7種類のミネラルが含まれており植物の元気がないときなどは時期を選ばずいつでも使えます。基本的に庭木元気とセットで最初は試しましょう。
庭木健育と庭木活力は成分は同じモリブデンですが、健育は水に混ぜて細い幹や葉面に散布して使います。活力は木の幹に穴を開けて直接埋め込んで栄養を補給します。K568Pというものは庭木活力と同じもので入っている量が違います。
まとめ
まとめです。まず肥料と活性剤は違うものですので間違って使わないようにしましょう。肥料は主食、活性剤はサプリメントのように使いましょう。
グリーンパイルは木の大きさや樹巾などで本数を選び使っていきます。根の先にうまく成分を渡らせるように打ち込むのがコツです。非常に評価も人気も高い商品です。
樹木用活性剤にはメネデールや庭木ツチトコのように液を薄めてばらまくものやメネデール樹木用や庭木活力など木に埋め込むタイプなど様々なものがありました。肥料な成分をよく考えて足りない成分を補うものを使いましょう。
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