いままで水稲栽培、つまり稲作でのプール育苗での育苗箱やハウス育苗での育苗箱などをいろいろ紹介してきました。ただ最近ちょっと気になる話を農業資材のメーカーの営業さんから聞きました。それは
農家さんによっては自分が使っている育苗箱がどのメーカーのどの種類なのかわかっていない
ということです。それによりネットで安く簡単に買えるのに種類がわからないので結局農協さんに行くかして買っていると。資材屋からするとネットはいままではライバルだったものの、店舗系資材屋の中にもネットをやる様になったりコロナのせいで家で買い物をすることが増えてきたせいでネットのほうが売れているというところもあります。
そこで今回は管理人ができるだけ田植え用の稲を育てる水稲用育苗箱のメーカー別種類を写真で詳細を写しながら紹介します。これで自分で使っている育苗箱が見つかるはず!自分がどのメーカーのどの種類の育苗箱を使っているかわからない方必見です!
年間数多くの農業系の展示会に赴き様々な農業資材メーカーさんの方とお話をする機会の多い管理人が、自身で働く資材屋でのラインナップや人気の商品の噂、資材メーカーの営業さんから聞いた話などを踏まえてお話します。
育苗箱の使い方や使いみちなどの種類などを知りたい方はこちら
自分が使っている水稲栽培用の育苗箱の種類はどれ?
ここでの調べ方を解説します。
たくさんの育苗箱を紹介してこれからも更新をしていくつもりですので、恐ろしい数の写真の山から探すことになるので自分の育苗箱をみて以下の点をさがし、ある程度当たりをつけて写真と比較をしてください。アタリが付いたら目次から見てみてください。
- 育苗箱の穴の数
- 育苗箱の縁に書いてある文字
- 稚苗用か中成苗、はたまたプール用か
- 底がダイアカット(クリスタルカット)かどうか
解説していきます。まず穴の数などはいちいち見てられない数のものもあるので、ノンホールとか10~30くらいか100個以上あるかなどで大丈夫です。
そして意外に縁に何かしら文字が書いてあるものも多いです。その判別方法はわかりやすく、例えば「NK」と書いてある場合は新潟化成というメーカーの可能性が高いです。
稚苗用と中成苗用は重ねて見ると重ならないので、間違えて買うと大変なことになります。またプール用はプール用と縁に書いてあることが多く、プール用にも稚苗用などがあります。
底が根はがしをしやすかったり保水しやすいようにクルスタルカットまたはダイヤカットと言われる、トランプのダイヤのような形の凹みが底一面にあるものがあります。それらは判断しやすいので見分ける重要なポイントとなります。
それでは紹介していきます。
川崎合成樹脂の育苗箱の種類
いきなり聞いたことのないメーカーのものが来たと思います。基本的に農業資材メーカーが育苗箱を作っていることもあるのですが、プラスチック樹脂成型の会社が作っていることもあります。ここはそういった会社です。
さすがにOEMや資材メーカーが特別に作らせているものなどは追うのが大変ですが、できるだけ探していきたいと思います。
稚苗用育苗箱 プールタイプ 160穴
こちらの育苗箱は縁にも何も書いてなく見分けるポイントが難しいのですが、穴の配置と裏面の格子模様で判断しましょう。
サイズ:605×306×高さ37mm
穴数:160穴
穴径:約3mm
水稲用育苗箱 ダイヤカット 900穴
こちらはダイヤカット育苗箱という文字がしっかり刻印してあり、判断しやすいです。
サイズ:605×306×高さ37mm
広田産業の水稲用育苗箱
広田産業は長野県にある農業資材とプラスチック製品の製造をしているメーカーとなります。育苗箱以外にもよく見るビール瓶が入っているような酒瓶入れや育苗箱に覆土や播種をする商品なども販売しています。
農業資材以外も作っているのですが、育苗箱は水稲用以外にも色々造っています。
稚苗用育苗箱B-1 68穴
B-1という型番がしっかりと左上に刻印があるため見分けやすい育苗箱となります。
内寸 (mm) | 580×282×29 |
外寸 (mm) | 601×305×36 |
穴形状(数) | 3mm 68穴 |
稚苗用育苗箱B-2 990穴
こちらもB-2という型番がしっかりと刻印してあり、判別のしやすい育苗箱です。こちらもダイヤカットと呼ばれる種類ですね。
内寸 (mm) | 580×282×28 |
外寸 (mm) | 610×310×40 |
穴形状(数) | 2mm角穴 990穴 |
中成用育苗箱S-3 2736穴
こちらは型番ではなく「長野北」と刻印が打ってあります。
内寸 (mm) | 582×282×30 |
外寸 (mm) | 604×304×33 |
穴形状(数) | 3.2mm 2,736穴 |
中成苗用育苗箱S-5 1985穴
こちらも刻印がないので見分けをつけづらい育苗箱になります。裏も表もかなりシンプルな作りになっているのでそこが見分けるポイントです。
内寸 (mm) | 586×284×30 |
外寸 (mm) | 604×303×33 |
穴形状(数) | 3.54mm 1,985穴 |
TOKAI(東海化成)の育苗箱
東海化成こちらは岐阜県のポリポットなどが有名な農業資材メーカーです。
プラグトレーやカットトレーなど畑の苗を育てるものが多いですが、水稲用の育苗箱も幾つか種類があります。
稚苗用育苗箱 50穴
こちらも刻印がまったくないのですが、底の方に光の具合で綺麗なダイヤの形が浮かび上がるのでわかりやすいです。
内寸 (mm) | 580×280×30 |
外寸 (mm) | 600×300×36 |
穴形状(数) | 2mm 50穴 |
稚苗用育苗箱 76穴
こちらも刻印がないので同じ東海化成の50穴とは穴の数で判断するしかありません。穴の並び方が違うので見ればわかります。
内寸 (mm) | 580×280×30 |
外寸 (mm) | 600×300×36 |
穴形状(数) | 2mm 76穴 |
中成苗用育苗箱 1300穴
こちらも刻印がまったくないものとなります。ただ中成苗用と稚苗用は穴径が若干大きくなっています。
内寸 (mm) | 580×280×30 |
外寸 (mm) | 600×300×32 |
穴形状(数) | 3mm 1300穴 |
新潟化成の水稲用育苗箱
こちらは米どころ新潟で育苗箱を作っている資材メーカーです。ただ公式のHPが見つからなかったため他の情報がありません。敷き紙が不要と言われているものが多いのが特徴ではあります。
育苗箱自体はたくさんの種類があり、さすがは米どころで作られている育苗箱といったところ。それでは紹介していきます。
稚苗用育苗箱 テンポイント 10穴
こちらは「NK育苗用テンポイント」としっかり刻印されています。テンポイントはもちろん10穴のことです。
サイズ:外寸605×300×37mm
穴径3mm 10穴
NK中成苗用育苗箱 1301穴
新潟化成のマーク「NK」と刻印してあり、NK中成苗用と書いてあるのでしっかりと見分けが付きます。
サイズ:外寸縦607×幅305×高さ31mm
穴数:1301穴
穴径:3mm
クリーンカット育苗箱 586穴
クリーンカット育苗箱と刻印してあり、他のダイヤカットと違い縦筋も面白い形で入っています。受注生産ですがカラーが付いた育苗箱も作っているようです。
サイズ:縦603×幅305×高さ36
穴数:586
穴径:約2.5mm
ねはり君 水鉢機能付育苗箱 36穴
SUPERねはり君の刻印が特徴的な育苗箱です。
育苗箱内に約3mmの高さの仕切りが盛り上がっているため育苗箱全体に均等に水が貯まるようになっています。
またその仕切の上部に排水口(約3mm)がついているので水位が3mm以上になると排水されるという画期的な育苗箱です。水切れしにくく潅水も頻繁に行う必要はありません。
新潟化成さんが言うには、水切れしやすい育苗箱の外側の苗が水切れを起こさず、内側の苗と同じ速度で成長するため、苗が揃い育つため移植後の管理も楽々です。
サイズ (mm): 約605(582)×303(284)×37(31)
穴径:約3mm
穴数:36穴
ノーホール育苗箱 0穴
新潟化成さんの育苗箱は基本刻印がありますが、無穴のこちらには刻印がありません。
サイズ (mm): 外寸約605×308×38 内寸:約582x284x29mm
稚苗用育苗箱 36穴 NK36H
新潟化成のマーク「NK」に36穴の意味の「36H(ホール)」と刻印されているので一発で何の育苗箱なのか種類がわかる親切設計です。
サイズ:縦602×幅304×高さ37mm
穴数:36穴
穴径:約3mm
稚苗用育苗箱 64穴 NK64H
こちらも稚苗用育苗箱の64穴になります。穴が少なめのものはプール育苗にも使われることが多いようです。
サイズ:縦600×幅300×高さ36mm
穴数:64穴
穴径:約3mm
稚苗用育苗箱 プールタイプ 160穴
こちらはプールタイプの刻印。底の周りの溝のような模様で判断しましょう。
サイズ:縦604×幅305×高さ37mm
穴数:160穴
穴径:約2~3mm
稚苗用育苗箱 プールタイプ 52穴 NK-52HG
こちらには縁にNK-52HGという型番が刻印してあります。
サイズ:縦604×幅305×高さ37mm
穴数:52穴
穴径:約2~3mm
中成苗用育苗箱 104穴 104H
こちらも縁に中成苗用104Hの刻印がされています。
サイズ:縦603×幅301×高さ33mm
穴数:104穴
穴径:2mm
まとめ
今回ご紹介した育苗箱を重ねてみました。中成苗用は基本的に稚苗用と重ならないのでずれ落ちそうですが、ほかはサイズや深さ、造りなどはほとんど違いはないのかな。どうにか重なります。
とりあえず今仕入れられた情報と商品を出してみました。これからどんどん手に入れられるようにしていきたいと思いますが、写真が増えると重い記事になってしまうのが悩みです。ただ細かくわかるようにあまり写真を小さくしてはいないので、そこは皆さんがわかりやすいようにあえてそうしています。
育苗などの使い方や穴の数やクリーンカットなどでの違いなどはこちらの記事にまとめています。
育苗箱に敷く敷き紙について知りたい方はこちら