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左官鏝の種類と使い分け別選び方【漆喰・珪藻土・土間】おすすめメーカーも

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コンクリートの仕上げ、珪藻土や漆喰の塗り作業に必要な鏝(コテ)。ぱっと思いつく形といえば台形のような形で先が尖っているものを想像しますよね。

でも実は使い方や使う状況によって様々な鏝があるんです。そんなわかりにくい鏝の種類と使い分け、そしておすすめのブランドなどを今回はお話いたします。よく聞くのが左官鏝とか漆喰仕上げ鏝ですが、ここで一つ初心者さんのために行っておくと、

左官とは建物などの壁や床を鏝を使って仕上げること全般といいます。

なのでコンクリートを塗ろうが、漆喰を塗ろうが要は左官鏝ということになります。もちろん知っている方が多いと思いますが、今回はそんな左官鏝についてです。

年間多くの建築系の展示会に出席し、メーカーさんや職人さんから色々なお話を聞く機会の多い管理人が自身で働く資材屋での売れ筋や営業に来られる金物屋などからの聞いたお話を踏まえてお話いたします。これで基本的な左官鏝の種類や使い分けはバッチリです!

まずは覚えよう鏝の各部の名前

簡単な鏝の各部の名称を書いてみました。

背金がないものもありますが、最近は背金に色々なスリットを入れることで繊細なしなりと強さを作ることで塗りやすくしているものがあります。なぜスリットが強くなるかというと柄首から鏝を差し込んでいるのですが、柄への力を前にかけ過ぎたり、後ろにかけすぎることで柄首がポキっと行きやすくなるのが抑えられるからです。

ちなみにスリットも波型以外にもたくさんの使い方によって模様が違います。

鏝の種類と使い分け

鏝といえば上のような形がぱっと思いつきますが、先が丸いものや四角いもの、平らじゃないものや細い枝のようなもの、さらにヘリがギザギザだったり形自体が変わっているものなど沢山の種類があります。

それぞれ使い方によって変わってきていますのでそちらの説明をしていきたいと思います。ただ一つ言えることは簡単に言うと違いは硬さになってきます。

荒塗り用鏝

荒塗りとは壁を塗るとき、最初にあらく下塗りすることであらうちとも言います。漆喰、珪藻土、聚楽、モルタル塗りで使います。

材質もステンレスにプラスチックなどいろいろな材質のものがあります。材質別の説明は後々いたします。

荒塗り用鏝
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中塗り用鏝

下塗りを終えてその上に壁や漆喰などを上塗りの前に塗ることです。

中塗り用鏝
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仕上げ鏝・角鏝

仕上げの作業用の鏝となります。壁をだいたい塗った後、仕上げの塗りを行うことを仕上げ塗りといいます。押さえとも磨き友いわれます。安定した硬さが必要で基本的に剣先が尖っている物が多いです。

角鏝とは他のものより重さがあり長方形の形をしているのが特徴となります。押さえにつよく押さえ仕上げをする時に使います。

レンガ・ブロック鏝

レンガ鏝はブロックやレンガを積む時に使われる鏝です。トランプのスペードのような形をしておりモルタルをすくう、かき混ぜる、塗る、平にするのに非常に効率的な形をしています。

ブロック鏝はブロックを積む作業に使う鏝です、特徴的な細長い三角の形は、ブロックの穴にモルタルを流し入れるのに適している形になります。

ブロック鏝
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面引き鏝

こちらは山形と谷型になっている鏝で出隅・入隅の仕上げに使います。形のとおりですね。両方とも角にアールが着いているもの丸面引き、角になっているものじゃ出隅用が内角面引き、入隅用は切付面引きといいます。

目地鏝

その名前の通り、ブロックやレンガなどの目地を仕上げる時に使う鏝です。

土間鏝

土間作業でのコンクリート慣らしの仕上げに使う鏝です。厚みをあり強靭なタイプが多いです。

鏝の素材と使い分け

まずは大きく分けると以下の素材に分けることができます。

  • 鋼焼き
  • ステンレス、アルミ
  • プラスチック
  • その他

だいたいこんなものです。それぞれ素材の説明をしていきます。鋼材などの違いはこちらの生地へ

工具や金具によく使われるメッキ処理の種類と特徴

鋼焼き鏝

一般に金鏝と呼ばれる鏝となります。鏝を作る際に鋼に焼入れ、焼戻しをしますが、そのやり方でいくつかの種類に分けることができます。

  • 地金:焼入れをしないで素材をしっかり叩き打ち固めた素材土壁や漆喰などの鏝に使われる
  • 半焼:焼入れ焼戻しをせず、300~400度の温度で硬化させる。柔軟性がでるため中塗りや塗り付けに使われる
  • 油焼:焼戻しを通常より低い300~350度で行い本焼きに比べて柔軟性が出るため仕上げ特にモルタルの仕上げに人気
  • 本焼:焼戻しを250~300度で行い不純物が少なく安定した硬さを持つため磨きなどにおすすめ

鋼は各メーカーによってや鏝によって変わりますが、主にSK鋼(炭素工具鋼)、スウェーデン鋼、ハイカーボン鋼、安来鋼(やすきはがね)を使っています。

本焼きなどは主にプロの方が好んで使う鏝となり反りが出にくく壁土がくっつきやすいので使いづらいですが、ノビが良いプロユーザー向けとなっています。

ステンレス・アルミ鏝

ステンレスはサビが出にくく手入れも簡単で壁土の滑りがよく使いやすいため一本ユーザー向けと言われています。磨きにとても向いていて仕上げがきめ細かくすることができます。ただ滑りやすいためモルタルにはむいていません。

アルミ鏝はアルミダイキャストを使用し厳しい作業にも耐えられるように考えられた鏝で生コン打ちや素早い施工を求められる際に使います。強度・耐久性は抜群ながら軽量な鏝でステンレスとは逆に土間などに使われます。

ステンレス鏝
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木鏝

昔から使われていた木鏝で土間仕上げなどによく使われています。またならした表面が平らではなく木の表面同様ざらざらになるため、金鏝仕上げの下塗りなどにも使います。

ちなみに左官技能試験では六寸(180mm)~七寸(210mm)のコテを使用しなくてはなりません。

プラスチック

主に土間などのモルタル・コンクリートに使います。昔は木鏝を使っていたものがこちらのプラスチックに取って代わっていっています。そしてさらに強化プラスチックのFRPと呼ばれるものがあります。FRPは反りの発生が極端に少なく強靭でそして軽いというとても人気の素材です。

またその他の種類としては、発泡スチロールのスチロール鏝というものも存在します。こちらも使い方はプラスチックと同じく凸凹のものを平にする時に使います。

プラスチック鏝
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スチロール鏝
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鏝の形や厚さで選ぶ

鏝の形や厚さも用途に関係があります。まずは形から説明していきますが、形は特殊な形を抜くと以下の三種類になります。

  • 剣先:先端部分が活かせる形状で、塗り付けや塗りにくい隅など細部の仕上げにも最適です
  • 角鏝:四隅に均一に力が行くため、横塗りにも縦塗りにも使え、主に平面の塗り付けや補修に使います
  • 先丸:先端を丸くしたことで、塗り重ね部分に発生するつなぎ目をムラなく仕上げることができます。また漆喰などを塗るときは先端の丸を生かしたパターン塗りができます

鏝の形には上記の特徴がありますが、長さにも特徴があり塗る場所によって異なります。

  • 18cm程度:漆喰や珪藻土などの仕上げに
  • 20~30cm:壁や天井にモルタルや珪藻土などを塗る場合
  • 30~45cm:土間をならす場合

厚みに関しては一般的には薄いほうがきれいに仕上がると言われています。また厚いものは土間仕上げに使われるケースが多いです。

左官鏝のおすすめメーカー

ここまで鏝の種類などを紹介してきましたが、今度は鏝を作っているメーカーのご紹介です。正直同じ鏝でもかなりのメーカーがありホームセンターで1000円以下で売っているものから職人が作る10000円を超えるものまであります。

違いは基本的に素材のコーナーを読めば安物の鋼なのかちゃんとした鋼を使っているかなどで見ればわかるレベルですが、どんなメーカーがあるのでしょうか。実際に管理人が代理店からの話や売れ筋から有名で人気のあると感じるメーカーをご紹介します。

東洋金物カネミツ

様々な鏝を扱っているメーカーですが、特に土間作業に特化した工具を扱っていていて事実土間鏝の人気がかなり高いです。特にウッディライトというハイモルタル鏝が人気が高く評判です。裏面の凹凸が表面のムラを取り平面塗りが簡単にできます。また樹脂製で他摩耗性はかなり高いです。

他に人気のものだとFRP鏝もあるのですが、在庫が安定をしないようです。どうも下請けの会社が一人でほぼ手作りをしているので常に在庫が極小で欠品が多めとなっていて変えた人はラッキーな鏝です。上で上げた場造りスラットのスチロール鏝もカネミツさんの商品です。

ウッディライト鏝 カネミツ
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カネミツの鏝のラインナップをみる
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梶原鏝製作所 HISIKA(ヒシカ)

職人鏝を語る上でまず外せないヒシカの鏝のご紹介です。古式鍛造にこだわり続けた職人魂で現在でも古式鍛造を知る数少ない職人さんだそうです。

お値段はもちろん高めですが、見た目の美しさや使いやすさ、素材にこだわった造りなどはどれも一級品でプロの方の憧れのブランドでもあります。また造園用の鏝まであり面白い鏝なども造っています。

ただ特殊な鏝などは手に入りづらく大手ショッピングモールやホームセンターなどではまず置いてありません。聞いた話だと受注生産のものもを多く注文をしても1ヶ月以上かかる場合もあるようです。

ヒシカの鏝のラインナップを見てみる
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株式会社カネシカ KANESHIKA

こちらもかなり有名な鏝のメーカーで初心者用からプロ用まで多くの種類や素材の鏝を造っています。オンラインなどでも手に入りやすく信用も高いカネシカの鏝はまず最初の一つに選ぶには最適な鏝メーカーとなります。ここで探しておけば必要な鏝は大体見つかります。

上で話したレーザースリットを入れしなりを良くした鏝を造っているのもカネシカさんで自身を持っているだけあってかなり人気の鏝です。お値段もお手頃なのも嬉しいところでカネシカブランドでとりあえず一式揃える方も多いです。

カネシカの鏝のラインナップをみてみる
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西勘・東京西勘

西勘は西勘本店とそこから修行した人が立ち上げた東京西勘があります。明治43年より続く歴史のある左官工具屋です。東京西勘さんも多くの種類の鏝を扱っています。また西勘本店さんは基本的に手作業で作っているため向こう10年は使える鏝のようです。鏝は鏝離れが良くコシがあるから特に仕上がりが綺麗になると評判です。

この2つを同系列で扱っていいものかと悩みましたが西勘ということで紹介しておきます。西勘の物は手造りプロ系のもので手に入れるのは中々難しいです。東京西勘のものはオンラインなどでも手に入りやすい鏝となります。

東京西勘の鏝のラインナップを見てみる
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まとめ

ここまで鏝の特徴と用途別に説明をしてきましたが、実はこれは一般的なものです。職人さんによってかなり違います。仕上げは剣先タイプが多いのですが、荒塗りから仕上げまですべて角型でやっていたり、厚さも薄いのが好きな人もいれば厚いのが好きな人もいます。ただ一般的には0.5mm厚が好まれます。

もちろんモルタルや珪藻土など塗るものや状況でも変わってきますが、いろいろ使ってみて自分が使いやすいものを見つけるのが一番です。

そして注意点が一つ。昔からある老舗コテメーカーさんだとHPやカタログで商品名に書いてあるサイズと実寸が違うことがよくあります。実はこれは正常なことで間違えているわけではありません。板金バサミなどもあるのですがサイズ表記が寸だったころの名残だそうで若干の違いが出てくるそうです。例えば剣先195mmを買ったら実際203mmだったなど。昔からの職人さんだとそれがわかっているためそういゆうものとして購入をしているそうですが、古いコテメーカーさんのコテを買う場合は注意をしましょう。

また手になじまず使わない高級鏝などは売ることもできます。使わない工具はまとめて見積もって新しい工具の足しにしましょう。中古工具の買取についてはこちらの記事へ

不要になった工具を売りたい!失敗しない中古工具の売り方【中古工具買取】

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