播種、つまり種まきって実は大変ですよね。花咲かじいさんのように適当にパーと撒いて育てられれば簡単なのですが、なかなかそうは行かないもの。
畑などで種まきをするときは種を傷めないように、均等に撒いていかなくてはならなくて立ったままできないことも多く腰を痛めたりしてしまいます。そしてなによりも意外に時間がかかるものです。
今回はそんな種まき器のご紹介。播種機ともいわれますが、中小規模菜園や家庭菜園におすすめのものをご紹介していきます。
毎年多くの農業系メーカーや代理店の方をお話をする機会の多い管理人が、メーカーさんや代理店の営業の方のお話やおすすめを参考に自身が勤める資材屋での売れ筋や人気などを踏まえてご紹介します!
まずは種と種まき機の種類をおさらい
種まき機と呼ばれる播種機を使う際にはまず知っておかなくてはいけないことがあります。それはこれから巻く種が裸種子なのかコート種子なのか。小さい種まき機は専用のものがあり、大きいものでも部品が変わってくるものがあるので要注意です。
簡単に説明すると
裸種子
こちらはいわゆる種そのまま。植物から採れる種です。キダネ(生種)とも非コート種子ともいろいろな呼び方があります。
そんな裸種子の特徴は
- サイズが小さく形も丸だけではなく蒔きにくい
- コート種子に比べて発芽させやすい
- 蒔くまでの猶予が長い
- コート種子に比べ値段が安い
コート種子
次はコート種子です。こちらは生種を造粒素材で包んで丸く形を整えた種となります。コート種子は次のような特徴があります。
- 丸くて大粒でさらに均一サイズで種まきしやすい
- 発芽に多くの水が必要でこまめに水やり
- 蒔くまでの猶予が短い。
- コート加工をする分非コート種子に比べ値段が高い
種まきはとてもしやすくなりますが、成形するため水が多く必要で蒔ける猶予も短いのが特徴ですが、粒がすべて均一で播種機にはやさしい扱いやすい種になります。
種まき機にはどんな種が蒔けるのか書いていることが多いので、必ずそこは確認しましょう。野菜や花の名前で書いてあることも多いです。
次は種まき機の種類を覚えよう
実は種まき機にも種の蒔き方によって以下の3種類に分けることができます。
- 散播式:主に水稲用で土に薄く均一にばら蒔く
- 点播式:等間隔に一粒または数粒ずつ蒔いてくれる小型の小規模な畑や家庭菜園にぴったりな種まき機。
- 条播式:大規模農園用。畑の上を移動しながら一定間隔で種を蒔いてくれるものです。体育の時間の石灰でラインを作る手押し車の感覚に近いですね。
それでは上の種類でどれが必要かわかったと思うので、それぞれのおすすめを見ていきましょう。
条播式のおすすめ種まき機
畑に直接等間隔で蒔いていくものとなります。比較的大規模な畑やプロの農家さんにおすすめのものとなります。
ベジタブルシーダー菜々子 PWX-1 みのる産業
種子容量 | 1L |
---|---|
重量 | 6.6kg |
サイズ(cm) | 幅60×奥行125×高さ88 |
有名な農業資材メーカーのみのる産業さんのベジタブルシーダー菜々子です。1条用と2条用があります。特に1条用が人気。
手押しで溝を作って種を蒔いて、土をかけて、鎮圧まで1行程でやってくれます。オプションがたくさんありほうれん草・大根・小松菜・カブ・ネギ等様々な種に適応しており種を蒔く間隔も1~60cmまで選択可能。
何よりコンパクトで工具不要で部品交換ができるのでご年配の方や女性の方でも手軽に扱えます。
種まき機 ごんべえ 向井工業
種子容量 | 0.7L |
---|---|
重量 | 約6.2kg |
サイズ(cm) | 幅17×奥行71 |
こちらもかなり人気のシリーズですが、いくつか種類があります。HS-300は1番小型なもので600は少し大きいもの。H-120は足場が悪い元水田での畑作業などに使うものでHS-800はプロの方向けとなります。
一番人気はやはりHS-300ですが、型番の他にE、EHやL、LHという記号が続きます。これの意味はオプションのカセットで育てる作物の種によって選ぶものが異なります。
- E,EH:野菜等の小粒種子を播種する場合
- L,LH:大豆やコーンなど穀類の大粒種子を播種する場合
ここらへんを要注意でお選びください。ただ間違えても部品を書い直せばOKといえばそうなので応用が効きます。
点播式のおすすめ種まき機
こちらは家庭菜園の畑に直接使うタイプとセルトレイに使うタイプと大きく分けると2種類あります。まずは小規模農園用の歩いて種まきするタイプです。
アルマキ TM-800 ハラックス
こちらは農業資材も多く作るアルミ資材メーカーハラックスさんのアイテムです。
歩きながら種まきができるものでステッキで歩く感覚で種を蒔けます。先端部が自然に開閉するのでレバー操作などがないのが人気の理由。種を埋める高さも調節できるので、すべての種が一定の深さに植えられ生育も揃えることができます。
作業能力:1時間で1500粒
ミニマ人力播種機 MH-2 ASABA
農業機械を作っている麻場工業さんのアイテムです。コンパクトで収納にも困らないものながら、大粒から小粒まで種まきできる種類が多いのが特徴です。やはり立ったまま種まきができるのが嬉しいですね。
質量(Kg) | 2.3 |
タンク容量(ℓ) | 1 |
作業能力:1時間で2500回
植えまき君シリーズ 槍木産業
槍木産業の種まき機はいくつか種類が分かれています。だいたいまとめると以下のようになります。
- 植えまき君:コーン・落花生・枝豆などなどの大粒の種まき
- スライド植えまき君:いびつな形をした種の種まきに最適
- 種まき君:コート種子やオクラなどの小粒の種まきに
- アルミレンパ:マルチの複数穴に同時に種まきができる。ほうれん草などに
それぞれあったものを選びましょう。
次にハンディタイプのセルトレイなどに種まき機です。
エコ播っくG-80 ハンディ播っくG-8 みのる産業
こちらはそれぞれ数種類のロールがついていて、様々な種を均等に蒔くことが簡単にできます。プラグの上を滑らせるだけで1~5粒の種が蒔けます。家庭菜園などの種まきが一気に簡単にできるようになるアイテムです。
ただ重要なのが
- エコ播っく:裸種子専用
- ハンディ播っく:コート種子専用
ということです。こちらだけは間違えないようにしましょう。
カリカリ君 タキイ種苗
こちらは有名な種苗会社のタキイ種苗さんの商品です。スプーン部に乗せてカリカリとこするだけで簡単に種が巻かれていくスプーンです。
白と黒を両方使うだけでなく、種の色によって使い分けます。ポットセルトレイに蒔くのに最適で、スプーンに乗せた種を爪でカリカリして震わせて種まきをしていきます。
- 果菜:トマト、ナス、ピーマン、キュウリ
- 葉根菜:レタス、ネギ、タマネギ、ニンジン、シュンギク、セルリー、ハーブ
- 類花卉:パンジー、ストック、サルビア、金魚草、デルフィニウムなど
※コート種子やアブラナ科などの丸種、毛が多い種子には形質上不向きです。
※ユーストマやペチュニアなどの微細種子には、別途ピンセットなどを用いることで播種できます。
散播式の水稲用におすすめの種まき機
今度は水稲栽培に稲の種を蒔くのに最適な種まき機のご紹介です。
みくに式種まき機 広田産業
プラスチックの農業資材を作っているメーカーの広田産業さんの種まき機になります。このみくに式の種まき機の他にも覆土機と散粒機もあるので水稲栽培に必要なまくものを広田産業さんで揃えることができます。
育苗箱に籾を均一に蒔くことができます。うす播きと厚播きも両方でき、ガードレールを併用することで全メーカーの育苗箱に対応!稚苗・中成苗にも使えロールによって籾の損傷もありません。
種子容量3.8L
水稲用播種機 K-60WTS 啓文社
4輪駆動で安定した種まきができます。並べた箱の上を推し進めるだけの簡単作業で種まきと覆土まで出来ちゃいます。量も自由に変えられムラなく均一に覆土もできます。
サイズ(mm) 360x720x330
重量(kg) 約9
ホッパ容量(L) 約16
標準播種量(cc) 催芽籾・約180~450(約1.0~2.5合)
箱育苗用・縁ブラシ付
播種幅(mm) 580~590
播種速度(秒/箱) 2~3(ゆっくり歩く程度の速さ)
駆動方式 前後輪4輪駆動
備考 バラマキ(縁ブラシ付)
まとめ
いかがでしたでしょうか。ひとえに種まき機といってもこれだけの種類があって選ぶのが難しそうにみえます。
ただ自分にあったものを絞ると意外と少なくなるもの。
- 自分の育てたい作物
- 種の種類
- 蒔きたいところの規模
上記をよく見極めて種まき機を選んでいきましょう。
種を蒔くトレイをお探しですか?
ネギなどの播種にはおすすめセットがあります。