渋柿は甘柿よりも実は糖度が高くしっかりと渋を抜いた渋柿は甘柿より甘く美味しいと言われます。ただ渋柿の渋みを抜く方法ってどんなものがあるかあまり知らないものですよね。
田舎の方だとよく柿が干してある風景を見るので、柿を干しておくと渋みが消えるというのはなんとなく知っている方も多いと思います。ですが、他にも柿の渋みを無くす方法はあります。
柿の渋みの原因はタンニンと呼ばれる渋み成分が口で溶けることによって感じます。それを感じなくさせるのを一般的に渋抜きといいます。感じなくなる理由はタンニンが口の中で溶けなくなるからです。その方法としては
- アルコール(お酒)をつかう
- ドライアイスをつかう
- お湯を使う
- 干す
といった方法があります。
今回は柿の渋抜きの方法をまとめましたのでご紹介します。
多くの農業資材を扱う資材屋で働く管理人が営業できた農業資材メーカーの方から聞いたお話や紹介された商品などをご紹介します。今回は柿の渋抜きでつかえる商品も紹介していきます
柿の渋抜き方法
一般的に柿の渋抜き方法というと上で上げた4つに絞られます。それぞれのやり方を簡単に説明していきましょう。
アルコール(お酒)を使って渋抜き
こちらがいちばん有名な方法ではないでしょうか。ホワイロリカーや焼酎・ブランデー・ウイスキーなどを使って柿の渋抜きをします。基本的に35度以上であればなんでも大丈夫と言われていますが、ブランデーやウイスキーなどの蒸留酒は40度以上はあるはずですのでそこらへんを使っておけば大丈夫です。
必要なものは
- 35度以上のお酒
- ビニール袋
アルコールを使った渋抜き方法は
- お椀にアルコールを用意する
- 柿のヘタにお酒をちょっとつける
- ビニール袋にいれる
- 20度くらいの日の当たらない場所で1~2週間置く
これで終わりです。ヘタにアルコールをつけすぎると黒ずんでしまうこともあるようです。詳しいデータ見つかりませんでしたがお酒によって効果が違うという情報もあります。果実なのでブランデーが合いそうな気もしますが気になる方は様々なお酒を使って渋抜きをしてみても楽しいかもしれません。
ただ温度がある程度必要なので寒い場所においておくと渋抜きが十分できませんのでご注意ください。
ドライアイスで渋抜き
一般的に炭酸ガスで渋抜きというのがドライアイスでの渋抜きということになります。炭酸ガスの化学反応でタンニンが不溶性になり渋みを感じなくなります。
ドライアイスの量ですが、柿1kgにたいして10g~20g用意します。意外とアイス屋さんなどでアイスを買うともらえたりします。方法は
- 洗って乾燥させた柿を用意する
- ドライアイスを細かく砕いて新聞紙で包みます
- ビニール袋に中に柿を詰めます
- その上に新聞紙に包んだドライアイスを置く
- ビニール袋の空気をなるべく抜いてビニール袋をゴムなどで縛る
- ビニール袋が膨らんできたら一回はガスを抜く
- 抜いたらビニール袋をまたしっかり縛る
- そのまま5日ほど日陰で放置
これで表面が少し柔らかくなっていれば完成です。
ドライアイスでの渋抜きは失敗が殆どないと言われており、一番渋抜き後も柿らしさを残す渋抜き方法です。意外と手間も少なく初心者におすすめの柿の渋抜き方法です。
お湯で渋抜き
こちらはお風呂でやる方もいらっしゃいます。一番身近なものしか使わいない方法でやり方自体は簡単ですが、実は温度管理が難しくて失敗する方も多くいます。失敗率は一番高いのがこの方法です。
- 50~60度のお湯を用意する
- お湯の中に渋柿を入れる
- 24時間後引き上げる
というものです。ただこれだけでは渋が抜けず2,3回同じ作業を繰り返すことがある方法となります。
逆に皮を向いた渋柿をラップで巻いて冷凍庫に入れて5日ほど放っておくという方法もあります。ただお湯にしても冷凍にしても渋がなかなか完全に抜けづらいという方法です。
干して渋抜き
昔から柿の渋抜きといえば一般的に干すことでした。干し柿にすることで甘みも増して美味しくなります。一番手間がかかり条件によってはカビが発生してしまって台無しになる方法でもあります。
ただ柿と食感は変わってきて保存も効く方法となります。干し柿を作る方法は簡単に説明をすると
- 柿のガクを取る
- 皮を剥く
- 柿に紐をくくりつける
- 熱湯に浸す
- 干す
- 揉む
- 完成
といった形になります。基本的に道具はあまりいりませんが、干し柿専用の商品も数々ありそれらを使うことで手間などを減らすことができます。
干し柿の作り方は別の記事で詳しく説明していますので、よろしければ読んでみてください。
→干し柿の誰でもできる簡単な作り方!これで失敗なしで美味しい干し柿ができます
大量の柿が取れる人や農家が使っている渋抜き商品
今まで紹介した方法をみて大量の柿を渋抜きするときも同じ方法でやるのか疑問に思った方もいらっしゃると思います。もちろん農家さんによっては焼酎を吹きかけてビニール袋にいれておくという方法をとっている方や密閉できる容器に焼酎を浸したものをしいて柿を入れておくことで渋抜きをしているとのことです。
ただ柿の渋抜き専用の商品があるのを知ってますか。それがネオヘースタンというものになります。
脱渋剤ネオヘースタンとは
この白いスティック上のものがネオヘースタンです。脱渋剤として固形エチルアルコールを使っており下記に程よい食感と旨味を出させます。
使い方としてはとっても簡単で
- 柿20kgに対して1袋(4本)を袋を開けて使う
- その時柿に直接触れないように開けた袋を下敷きにする
- ビニール袋でその状態のまま密封する
- 7~10日後に開封して1~2日空気に晒す
これで渋抜き完了です。
このネオヘースタンは固形エチルアルコールなのでお酒を使って渋抜きをするのと同じ原理で渋抜きをします。ホームセンターやネットに売っているため比較的簡単に手に入ります。計算上1本5kgの柿に使えるので、個人でも使いやすいのが嬉しいところ。
簡単に渋抜きができて評判もいいので試してみてください。
まとめ
渋柿の渋抜きを今回はご紹介しました。たくさんあったのでこんがらがっているかもしれませんが、簡単な順番でいうと
- 渋抜き剤ネオヘースタン
- ドライアイス
- アルコール
- お湯
- 干し柿をつくる
の順番になります。ただお湯はかなり失敗をしやすいので注意が必要となります。
次に早く渋抜きをできる順番だと
- お湯
- ドライアイス
- ネオヘースタン
- アルコール
- 干す
の順番になります。お湯の場合は何回かやる必要がありますが、それでも2~3日というになるので早くなりますが、それでもやはり失敗しやすいためおすすめはしません。
次は美味しさになりますが、こちらは個人の好き嫌いもありますが
- 干し柿
- ネオヘースタン
- ドライアイス
- アルコール
- お湯
という順番になりそうです。ドライアイスとアルコールで順番を迷いましたがアルコールはグチョグチョになったという話も聞いたことがあるので、失敗の少ないドライアイスを上としました。
以上様々な方法がありますが、色々試してみるのも面白いかもしれません。