様々な状況で使われているゴムマットは気づけばどこでも見る資材の一つです。ただそのゴムマットは実は種類によって使う状況が違います。間違って使ってしまうとうまく効果を発揮しなかったり逆効果になってしまいます。
馬舎・牛舎などの畜産資材としてやイベントや現場の養生マット、砂利や芝生の駐車場マット、ジムや家などの防音で使う防音マットなどこれらはすべて簡単に言うとゴムマット。
今回はそんなゴムマットの種類と違いをゴムマットを選ぶときに迷うことがないようにお話していきます。毎年数多くの資材系の展示会に赴き資材メーカーの営業さんとお話する機会の多い管理人が自身が働く資材屋での評判を踏まえてお話します。
ゴムマットの種類を覚えておこう
様々な状況で使われるゴムマットですがその種類はいくつかあります。細かく分けると相当数がありますが、まずは見た目で大きく分けると
- 凹凸のないフラットなゴムマット
- イボのようなものがついているイボ付きゴムマット(コインマット)
- 筋があり凸凹している筋入マット(B山マット)
- パンチング式に穴が開いている穴あきマット
となると思います。簡単に説明していきます。
フラットゴム
表面がツルツルとなっている汎用性抜群のゴムマットです。使い方は何にでも使えるので防振・防音・滑り止め・養生などなど様々なことに使えます。厚さや素材などによって用途は変わってきますがとりあえずゴムマットが必要という場合はこちらを選ばれることが多いです。
イボ付きマット
上で紹介したフラットなマットにイボがついているタイプのゴムマットです。上のように山のように半円タイプのイボやコインのようなイボのタイプなどの2種類があります。イボがついているため主に滑り止めに使われるので現場やイベントなどで使われる養生としての用途が多いです。
イボ付きなどは片面だけについているタイプや両面についているタイプがありますが、使い分けとしてはマットを敷く場所がフラットな場合は片面凸でぬかるみや芝生などの場合は両面凸を使う場合が多いです。
筋入りマット
こちらはゴムマットに筋が通っており溝ができており、筋入りマットまたはアルファベットのBのような形になっているB山マットなどと呼ばれるゴムマットです。
溝があることで水はけがよくなりますので、工事現場や建設現場などの野外やイベントトイレ周りやキャンプ上洗い場などの水回りの滑り止めや養生によく使われます。
穴開きマット
こちらは穴がマット全体に開いているパンチングメタルのようなマットです。穴が空いているため水はけがよく当たり前ですが透水性があります。ですので玄関のマットとしてや田んぼや畑の畦などにぬかるみの滑り止めとして使われます。
また芝生や砂利などの用途用のマットもあり、そのような場合は駐車場の砂利の固定や芝生を保護するマットとして使われます。
ゴムマットの素材
ゴムマットで使われる素材はたくさんあります。ただ一つ言わせてもらえば素材はそこまで気にする必要はプロの方や厳しい環境で使うわけでない限りないと思います。
今回はゴムマット全体を説明する形となるので、素材についても軽くご説明させていただきます。大きく分かれると
- 天然ゴム
- 合成ゴム
- リサイクルゴム
- 特殊ゴム
の4パターンあると覚えてもらえればいいと思います。簡単に説明していきます。
天然ゴムと合成ゴムは天然ゴムは自然素材で作られるゴムで、合成ゴムは化学製品です。違いは一般的に天然ゴムは合成ゴムより弾性が高く、合成ゴムは耐候性・耐熱性が天然ゴムに勝るとなっています。そのため野外で使う場合は合成ゴムのほうがオススメです。
リサイクルゴムはゴムマットではよく使われている素材の一つです。タイヤやゴムチューブなどの廃材から造られるゴムで環境に優しく耐候性もあり安価というゴム素材ですが、一般的に臭いがきついというデメリットもあります。
特殊ゴムは合成ゴムの一種となりゴムマットとしてはEPDMという耐候性に優れた素材が有名です。その他にもSBR・耐候性や耐油性に優れたCR・油に強いNBRなどがあります。
用途別おすすめゴムマット
一重にゴムマットといっても用途や素材によって全然使い方が違うということがこれまでのお話でわかっていただけたと思います。とはいえ星の数ほど存在するゴムマット。選ぶのは大変かと思います。
ですので簡単に用途別に人気のゴムマットを紹介していきたいと思います。用途は
- 野外建設現場養生用
- 工場内現場用
- ぬかるみ養生用
- 室内防音用
- 畜舎で使われる用
- 芝養生・砂利駐車場用
にわけてお話していきます。実は軽トラックの荷台に養生としてもゴムマットはよく使われるのですが、そちらはこちらで詳しくまとめております。
⇒軽トラック用のシート・マット・荷台棒って必要?意味とおすすめ
外の現場・イベントなどに使えるゴムマット
野外で使われる場合は雨がふることも考え凹凸や溝があるものを選ぶのが基本ではあります。また耐候性から考えて合成ゴムやリサイクルゴムを選びましょう。現場やイベントなどではゴムではなく板を使う場合もあります。敷板の記事は別で書いているのでもしよろしければお読みください。
イベントなどで使う場合は1~5mm位の厚さで大丈夫ですが、工事現場などでは10~20mmの厚さのものを使いましょう。オススメのゴムマットは
- ゴムフィットくん
- ワンツーマット
の2つです。説明していきます。
現場用では敷板のサイズでもある3x6板と4x8板のゴムマットもあります。敷板のときもご紹介したウッドプラスチックテクノロジー社のものでゴムフィットくんです。こちらは合成ゴムマットで通常のゴムマットより軽くそして硬いという特徴を持っており現場の地面によく馴染むように作られており人気の現場ゴムマットです。厚さは8mmと13mmがあります。
イベントなどでとりあえず大量にゴムマットが必要といった場合におすすめなのが養生資材で有名なアラオ製のワンツーマットです。とにかく安くてイボ付きで滑り止めにもなります。厚さも5mmから20mmまであるのでイベントでの歩行用から現場での敷きマットとしても使えます。
油が飛び散る工場内でのゴムマット
工場内では重機など重いものの行き来や油が飛び散る環境が多いと思います。ですので耐油性が高く摩耗への強さがあるNBR(ニトリル)素材の合成ゴムがおすすめです。
厚さは3~5mm程度で大丈夫かと思いますが、基本的にフラットな面になりますので人が歩く場所と油が飛び散る場所で違うマットを敷く方がオススメです。人が歩く場所は滑り止めにもなるイボ付きやコインマットがいいでしょう。
ぬかるみなどの滑り止めに使う
ぬかるみが多い畑や田んぼのあぜ道、土木工事現場などの人が歩く場所には穴あきゴムマットが最適です。重機が行き来する場所であれば上でご紹介した現場用ゴムマットで大丈夫だと思います。
穴開きマットは農道マットという名前になっているマットもありぬかるみで使うにはメジャーなゴムマットになっています。またイボ付きマットの厚さが薄いものもよく使われています。
スポーツジムや室内の防音用マット
こちらは防振や防音のためにゴムマットを敷くパターンになります。スポーツジム等の場合は厚さは大体15mm以上は必要だと思いますが、上で運動をするためやわらかすぎても硬すぎでもだめという選ぶのが難しいものとなります。
住宅建築用の防音マットは専用のものがあり建設中に埋め込んでいくものとなりますので、一般の方は使われないでしょう。ですので家で運動するためにマットを買う場合はジムマットなどで調べるのがおすすめです。
オススメの商品名も正しく「ジムマット」。衝撃吸収に優れたゴムチップのマットとなり今回ご紹介したゴムマットとは違いゴムチップを固めてできているマットです。グリップ力・防音性もあり正方形で部屋のサイズに合わせて細かく組み合わせられます。非常に人気のゴムマットです。
建築用であれば現在は様々な防音ゴムマットが出ています。その中で有名な防音マットをご紹介するとすればゼオン化成さんのサンダムという防音用ゴムマットです。遮音に特化して作られたシートで厚さも1.5~3mmという薄さ。
それのマットバージョンがサンダムEシリーズ。マットの上に床材やカーペットなどを敷くのが基本となりますが、それでもDIY感覚で施工できます。
展示会などでもよく実演していますが本当に音が小さく、なんなら聞こえなくなります。建築業界では有名で人気な遮音マットです。
牛舎や馬舎で使われる畜舎養生用マット
こちらは歩行用ゴムマットと同じような用途で滑り止めとしてや競走馬などの馬や牛をいたわるようにクッション性もある程度あるゴムマットを使います。洗体して水もよく使うので滑りにくいリサイクルゴムマットがよく選ばれます。
厚さは10~20mmで体重は人間よりもあるため厚さがあるものを選びましょう。フラットなゴムはあまり選ばれているイメージはなくイボ付きが選ばれます。中には牛の蹄に合わせてつくられたイボがついている魚瀬ゴム製の牛舎マットもあります。
イボ状のものは上でも紹介したアラオ社のワンツーマットや同じく安価な日東化工さんのブラックターフなどが汎用性も抜群です。
砂利駐車場用・芝養生用ゴムマット
ゴムマットのなでも穴あきマットの部類に入るのが芝養生用や駐車場用マットになります。駐車場マットは穴あきゴムマットを敷いてから砂利を敷くことで穴に砂利がはまり砂利が飛び散りにくくする効果が期待できます。
芝養生マットは靴裏やスパイクなどから芝生の生育や保護ができる用途のマットとなります。また雨や水で濡れた芝は滑りやすくなっているので滑り止めの効果もあります。
まとめ
今回はゴムマットを全体的にお話させていただきました。
ゴムマットを選ぶ際はまずは用途を決めて、その用途に合わせて適切なゴムマットを選びましょう。選ぶ基準は
ゴムマットの選び方のポイント
- ゴムマットの形状
- 厚さ
- 素材
などになってきます。形状は
- フラット
- イボ・筋付き
- 穴あき
の3つのタイプがあり厚さは1~20mmまで様々な厚さがあります。素材はそれぞれ特徴があり耐候性や耐油性などに特化した物があるので何かに特化している場合はそれに合わせて選びましょう。