土間という言葉の本来の意味は屋内で土足で歩く場所の事を言います。ですので歩く場所が土だろうがコンクリートだろうが靴を脱がない屋内は土間だったりします。
ですが土間作業というと土間コンクリート打設がまっさきに出てきますよね。土間作業といって土を平にして固めるだけなイメージな人は現代にはそういないと思います。実はそれも土間作業ではありますが。土間コンクリート打設作業には
- 駐車場
- 家の基礎
- 庭のアプローチ部
などがあります。
今回は土間コンクリート打設作業に絞ってDIYでのやり方の手順や道具、さらにプロの方におすすめの土間作業道具などをお話していきます。
年間数多くの建設・土木系の展示会に出席し多くの建設資材や工具メーカーの方とお話をする機会の多い管理人が実際に聞いた話や業界での話題、働いている資材屋での人気などを踏まえてお話します。これで土間コンクリート打設に必要な手順や道具がわかります。
DIYでできる?土間コンクリート打設作業の手順
土間作業ってDIYでできるのか?という疑問がまず浮かぶかと思います。これの答えは
できます
ただできると言いましたが誰でも簡単にできるわけではありません。正直そういった大掛かりなDIYが得意だったり趣味でない限りおすすめできません。なぜかというと体力勝負になってくるからです。そして揃えるものもたくさんあります。
コンクリートの素となるセメント・砂利・水やそれを入れる容器、コンクリートを練るスコップやミキサーや容器、土間を平にしていく土間鏝などがあります。
そして次に手順をお話します。
DIYでの土間コンクリート打設作業の流れ
まずはコンクリートを敷いていくのに基礎砕石5cm敷き、それからコンクリート10cm敷いていくので、約15cm分の深さが必要となります。それを踏まえて
- 整地
- 砕石(砂利)を敷いていく
- 型枠を作る
- ワイヤーメッシュを敷く
- コンクリートを作る
- コンクリートを流していく
- 表面を平らにする
- 型枠を外す
- 目地を整えていく
といった流れでコンクリートを打設していきます。かんたんに説明していきます。
まずは整地ですが敷く砂利(砕石)とコンクリート分地面を掘ってその後ゴミや雑草などをきれいに掃除をして地面を平らにならしていきます。地面を掘らないとコンクリート分盛り上がってしまうことになります。
次に砕石を敷いていきます。砂利とコンクリートの厚みは上で紹介した15cm位の厚みは車が通る計算で見た目や人が歩く程度だと8~10cmの厚みでも大丈夫です。ちなみに砕石と砂利は若干違いが会って砕石のように大きさがまばらなものがコンクリート打設には向いています。敷いた後はできるだけタンパーなどで踏み硬め平にしていきます。
木の板(コンパネ)やレンガなどを使って型枠を作っていきます。ホームセンターなどで買える2x6木材は使いやすい素材です。型枠については良さそうな記事を見つけたのでご紹介します。
次にコンクリートの強度アップとひび割れ防止のためにワイヤーメッシュと呼ばれる溶接した金網を張り巡らせて敷いていきます。そのワイヤーメッシュも平らになるように平らにした砕石の上にスペーサーを置いてワイヤーメッシュを敷くと均一の高さにしやすくなります。
そしてコンクリートを作っていきます。一般的にプラ舟と言われる容器にセメント・水・砂・砂利をいれてスコップやミキサーなどで練り込んで作っていきます。それを型枠内に流し込んでいきます。コンクリートが少し乾き始めたら土間鏝で表面を平らにならしていきます。最後の仕上げは金鏝が使いやすくおすすめですが安いものだと曲がってしまったりして無駄になることが多いので良いものを使いましょう。
そして型枠を外し、場合によっては端や角を削って行きます。面木というものを使えば角なども作りやすくなります。全体的にわかりやすい動画がありましたのでご紹介します。
土間コンクリート打設で使う道具
上でもかんたんに説明しましたが土間コンクリート打設作業には多くの道具が必要です。まずはDIYでも使えるような道具をご紹介していきます。
- 砂利(砕石)
- 型枠をつくる木板
- 配筋となるワイヤーメッシュ
- スペーサー
- セメント
- プラ舟
- スコップ(ミキサー)
- 土間鏝
などがあります。この中で土間鏝などコンクリートならしに使う道具はプロ編で詳しくご紹介します。その他を簡単に説明していきます。ある程度はホームセンターでも揃えることができます。
砂利はコンクリート作りに使い砕石はコンクリートを敷く前の下地として敷きます。砂利と砕石の違いは砂利は細かく丸みを帯びた形になっていてサイズも似たようなサイズです。砕石は人工的に砕かれた石でサイズもバラバラで角が尖っているのが特徴です。コンクリート下に砕石が最適なのは尖ったサイズ違いの石の寄せ集めで踏みかためたときに石同士が噛合いしっかりとした地盤になります。
ワイヤーメッシュはワイヤーメッシュとしても売っていますが溶接金網のことですので溶接金網でも大丈夫です。よく使われるサイズは1x2サイズで目のサイズが10~15cm角のワイヤー太さが3~6mmのものです。自動車などが上を通るのであれば目合が小さくワイヤーが太い丈夫なものを選びましょう。
目合や線形など金網の選び方はこちらの記事へ→金網フェンスの用語説明と選び方【開目・ピッチ・メッシュなど】
一般の方にはスペーサーという言葉は馴染みがないかもしれません。スペーサーを使わずにワイヤーメッシュを敷くと適度な位置にワイヤーメッシュがないためひび割れ防止などの力が弱くなりうまく機能しづらくなります。プラスチックのものやコンクリートでできたスペーサーなどがあります。
土間鏝の選び方
土間作業で仕上げにならしていく土間鏝の素材は大きく3つに分けることができます。
- 木鏝
- プラスチック鏝
- 金鏝
昔よく使われていたは木鏝、使いやすいプラスチック鏝はコンクリートをまず平らにならしていくのに適しています。そして仕上げには金鏝を使われることが多いです。
次のポイントはサイズ。大きめのものはそれだけ広範囲をならしやすくなり、小さいものは小回りがききます。鳴らす範囲や場所によって適切なサイズを選びましょう。
そして厚みと硬さ。硬さは素材や厚さで変わってきます。柔らかいものは使いやすくきれいな仕上がりになりやすく、硬いものはしっかりと押さえができとりあえずならす場合は早くならすことができます。初心者の場合は硬いもの方が扱いやすいです。
実際によく使われているプラスチック鏝ですがメーカーによってばらつきがあるようです。安いブランドのものは歪んでいてきれいに真っ直ぐになっておらずプロの仕事では使えないものもあるため値段だけで選ぶのはやめましょう。おすすめは東京西勘さんやヒシカさんです。
鏝についてのおすすめメーカーなどはこちらの記事へ→左官鏝の種類と使い分け別選び方【漆喰・珪藻土・土間】
プロも使う人気の土間ならしトンボ・レーキ
土間をならす道具としては土間鏝以外にもレーキとトンボというものがあります。またアマ出しというコンクリート内の石などを沈めてモルタル部を上部に出してキレイに仕上がりやすくなるという作業もあります。
レーキとトンボの違いはレーキは頭の部分が熊手のようにギザギザとなっておりとりあえずコンクリートを全面に広げていく場合に使います。トンボは頭が平らになっておりコンクリートをキレイに平らにならしていくときに使います。使う順番と用途が違いますので気をつけましょう。順番は
- レーキなどで全体にならす
- アマ出し作業で表面をキレイにしやすく
- 仕上げにキレイにならす
という順番になります。
おすすめのアマ出し道具
アマ出し作業はトンボなどでもできますが、ラスタンパーなどの専用の道具を使うと効率よく行うことができます。その中で特に人気が高いのは下の二つになります。
- ラクラクコン
- アマ出しローラー
おすすめのならしトンボ
DIYなどではいいのですがプロの方は様々な種類のものを使いその中で特にトンボは様々なものがあり、選ぶ重要なポイントは
- 頭の幅の長さ
- 頭の角度
- 柄の長さ
となってきます。ちなみに頭の幅以外の角度と柄の長さは自在に角度が変えられるものや伸縮できるものがありかなり自由に選ぶことができます。用途にあったものを選びましょう。
おすすめは業界最大手・友定のトンボや人気のカネミツのトンボ、またどちらかといえばレーキよりですが根強い人気があるシモダトンボなどです。どれも有名なブランドでこのどれかのトンボを使っている人が多いでしょう。
仕上げにおすすめの刷毛引きハケ
土間コンクリート打設の仕上げとして鏝などできれいな平滑な面にしますが、逆にわざとブラシを引いてザラザラした面にすることがあります。その刷毛引きといわれる作業に使われるのが刷毛引き仕上げ用刷毛です。こちらは宮田製作所さんやカネミツさんのものが人気があります。
特に宮谷製作所さんの刷毛引き刷毛は汚れる頭の部分だけ買うこともできるので経済的にも助かります。
まとめ
土間コンクリート打設作業は駐車場やお庭のアプローチ部を作ったりと様々な場面で必要な作業となります。もちろん道具を揃えればDIYでもできますが、道具も知識もない状態でしたら業者さんにお願いしましょう。自分で揃えたほうが安くはすみますが時間と労力を考えるとDIYが好きでない限りメリットは少ないと思います。
ただDIYが好きな方にはとてもやりがいのある作業で仕上げなどは特に技術の差が歴然と出る作業となりますので、しっかりと道具を揃えて行いましょう。
後半でご紹介したおすすめの土間作業道具はプロ向けのものとなります。人気が高く有名なメーカーばかりですが選び方が用途によって変わってくるのでしっかりと間違えないように選びましょう。
土間コンクリート仕上げについてはこちらの記事をどうぞ。