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霜から作物を守ろう!畑や果樹などの作物にできる凍霜防寒対策とおすすめアイテム

※この記事はプロモーションを含みます。

霜による被害は農家さんや果樹農園さんにとっては大敵です。霜害には秋頃の初霜害と3~5月にかけての晩霜害の2つあります。その中でも作物の収穫量や出荷に大ダメージを与えるのは晩霜害です。

特に落葉果樹は生育ステージが進めば進むほど凍結への耐性が弱くなり、花が咲くのがちょうど3~4月くらいで晩霜害にドンピシャです。また寒さに弱くなくても霜にあたることによって見た目が悪くなってしまうものもあり、霜の被害はとても重大な被害を被ります。

今回はそんな霜害から作物を守る耐凍霜対策をご紹介していきます。

毎年多くの農業資材メーカーの方とお話する機会のを多い管理人が、色々と集めた情報と自身が働く資材屋での人気の資材などをお話していきます。

霜害の予兆はある?霜害についての基本

霜害は作物への被害が大きいので対策をするには、まず作物への霜害について知っておきましょう。ポイントをまとめると

  • 地球温暖化と霜害は関係なし
  • 3~5月頃に起こりやすい
  • 放射冷却現象によって起こりやすい
  • 100%の対策は今のところなさそう

といったところとなります。詳しくお話していきます。

地球温暖化と言われる今、霜害は起こりにくい?

地球温暖化と霜害は実際に関係はありません。地球温暖化で温度が常に高ければ起こらないと思いがちですが、常にというのはありえません。特に最近はゲリラ豪雨を筆頭にの異常気象が日本でも起こりやすくなっており、急な朝の冷え込みという異常気象が起これば霜害がおきます。

霜害が起こりやすい時期

地域などにもよりますが、大体晩霜害が起こりやすいのは3~5月となります。それが果樹の開花に被っているのでなおさら果樹園の方々の霜害対策は必須となります。上でもお話したように芽よりも育成ステージがすすんだ花の状態のほうが寒さに弱くなり被害を受けやすくなります。

霜害を予兆できる気象ポイント

そんな霜害ですが、放射冷却現象という気象現象によって起こりやすくなります。放射冷却現象とは、高気圧に覆われたよく晴れた日に起こります。晴れた状態で地上の熱が上空に登っていってしまい、夜間や早朝になり冷え込むことで霜が降りてきてしまいます。

  • 晴れていて、日中に気温があがらず、夜間は風が吹いていない(午後5時に10℃以下、午後8時に5℃以下)
  • 土壌が乾燥している
  • 窪地、防風林、防風ネットに囲まれていて風が来にくい場所
  • マルチなどで地面が覆われている

などの条件に当てはまる場合は要注意です。

霜害を絶対に防御できる方法はあるか

ここまで霜害に悩まされている方は多く、様々な対策方法が考案されています。とはいえ費用と効果がアンバランスだったり、効率が悪かったりと100%良いと言われる対策はないとは言われています。とはいえ何もしないわけにはいきませんので、次は霜害の対策方法についてお話します。

霜害を防ぐ事前準備

霜害の被害対策として、まずは霜が降りないように

  • 開花前の摘蕾(蕾を間引く作業)を少なめに
  • 空気が停滞しないように風とおしをよくする
  • 地面が直接太陽光にあたり温めやすくする

などの対策が必要となってきます。

摘蕾を少なめにするのは、被害が出たときの予備を多めに持っておくということで頷けます。マルチなどで地面が直接太陽光に当たらないのも温度が上がりにくいため避けましょう

空気が停滞しないようにというのは上でもお話したように、窪地など空気が動きにくい、または溜まりやすい場所は冷え込んだ空気が停滞しやすいので空気の流れを作れるようにしましょう。

次からは道具などを使った対策を上げていきます。

霜害対策方法

霜害対策としては畑と果樹で異なる部分があります。またビニールハウスかそうでないかによっても変わってきます。ビニールハウスでの霜対策はこちらの記事で書いてますので、読んでみてください。

対策としては

  • 被覆対策(畑のみ)
  • 散水対策
  • 燃焼対策
  • 送風対策

に分けることができます。被覆対策については畑限定となると思います。それでは詳しくお話していきます。

被覆対策とは

被覆対策とはその名の通り何かを被せることでの保温を目的とします。いわゆる”べたがけ”というものになります。

全部読んでいた抱いている方は、”あれ上ではマルチなどは良くないと言っていたぞ?”と思われるかもしれません。読んでいただいてありがとうございます。のちに説明します。

よく霜対策の被覆で使われるのは

  • 寒冷紗(白)
  • 籾殻

です。詳しくお話していきます。

寒冷紗(白)

マルチを使わないほうがいい理由としては地面に太陽光が当たりづらくなるという点でした。ですので寒冷紗でも様々な効果があるのですが、遮光率の高い黒は使わないでください。あくまで白を使いましょう。効果としては

  • 保温性
  • 放射冷却現象を緩める
  • 土が乾燥しにくくなる
  • 白の遮光率低めで地表に太陽光が当たる

寒冷紗の白ではなく薄い不織布を使っている人もいるようです。保温率は高くないのですが、ないわけではないのでほうれん草などは真冬になるまで育てることができるようです。その薄さが放射冷却現象が起こりそうな晴れた日に雲の役割をして熱が放出するのを防いでくれます。

また直接太陽光が地面に当たるよりは地表の水分の蒸発を防ぎ、また太陽光も遮りすぎないので地表が温まりにくい状況も防ぎます。寒冷紗自体も比較的安価で手に入るため、対策方法としてはやりやすくはあります。

霜ガード不織布
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籾殻

一番安価でできる対策がこちらの籾殻での被覆になります。畑だけではなく果樹の苗木などにも使われています。ただ基本は根菜に対する対策となり、地面の上に収穫作物がある場合は効果が出ません。

地面に籾殻をまくことで空気の層ができ、その空気の層が保温する効果を生み出します。それにより地表や地中の凍結を防ぎ根菜類を守ります。また籾殻は土の改善も長い目で見るとよく、土に混ぜることで通気性も良くなり根張りも良くなります。

籾殻に関する記事も書いていますので、もしよろしければお読みください。

散水対策

散水対策とはスプリンクラーなどで樹上から散水することで、植物の体温を0℃以下にしないようにする方法です。厳密に言うと水が氷るときの熱を利用しているようです。この散水対策の特徴は

  • 霜害対策としては効果がかなり高い
  • 水が大量に使われるため水道代が高い

となります。詳しくお話していきます。

まずは配管が凍っては話にならないので、2℃くらいから散水を開始する必要があります。10aにつき4~20個のスプリンクラーを用意し、惜しみなく水をかけ続ける必要があります。大体30~100tの水を夜から午前中氷が溶けるまでかけ続けます。

散水を早く止めてしまったり、散水量が少ないと効果がないためとにかく費用がかかる方法となります。氷の重さで枝が折れることもあるので吊り枝も必要となります。

燃焼対策

ビニールハウスでの保温や霜対策に似た方法です。要はストーブを近くで燃焼させて温める方法で、冷気の流れこむ風上に設置しておきます。0℃くらいから点火をはじめます。

有名なものとしては霜キラーや防霜ロックなどがありますが、灯油や米ぬかロウを燃料として燃やします。後のお話する送風対策を組み合わせることで相乗効果を生みます。ですがこれらの資材はすぐに売り切れになりやすい物も多く、予め時期前に用意しておく必要がありますので注意しましょう。

ただ単体がと効果がでなかったとの声もあり、プラスで雨除け被覆や防風ネットで温度を囲い込む必要があります。霜キラーは1反歩に10kgx7袋を缶で20箇所に設置し、専用の缶に霜キラーと燃焼芯を入れて灯油を差して着火します。3kgで約3時間30分燃焼します。人口薪であるデュラフレームは10アールあたり30本(5ケース)~42本(7ケース)4~5メートル間隔で使用します。

人口薪 デュラフレーム
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霜キラーセット
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送風対策

ファンを使って空気を撹拌することで冷気と温かい空気を混ぜ気温低下を防ぐ方法です。とはいえ撹拌するのが目的なため、最初から暖かい空気がないと全く効果はありません。ですので燃焼対策との組み合わせが効果的となります。

4℃くらいから作動させるように設定し、翌朝気温が十分上がるまでは燃焼対策と組み合わせて作動させておく必要があります。

その他の対策方法

霜害対策には上のどれにも当てはまらない対策方法があります。あえて一つにすると霜害対策グッツを使った対策です。今回紹介するグッツは

  • 霜ガード
  • フロストバスター
  • グリーンステム

の3つです。それぞれ詳しく紹介していきます。

霜ガード

農業や畜産業にも使われ始めているゼオライトに肥料を添加した乾燥剤です。簡単に言えば霜ガードを昼間に散布しておけば、温かい空気を含んだまま植物にくっつき布団のような効果が得られます。それにより凍霜が軽減されます。

さらに肥料も含まれているのでブドウ糖やリン酸あんどが葉っぱから吸収され樹液濃度が高まり耐寒性も向上します。

使い方としては開花3~5週間前に50倍に希釈しスプレイヤーなどで散布して使います。効果は1週間ほどとなっているので、何回か散布しましょう。グッドパートナー38と一緒に使うことで効果がでやすくなります。

  • 肥料登録番号:生第 90375 号
  • 保証成分量:窒素 0.3%、リン酸 0.6%、カリ 0.1%、苦土 0.60%
  • その他成分:鉄、ブドウ糖、ゼオライト
グッドパートナー38
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フロストバスター

コーヒー由来の天然エキスからできた防霜剤です。果樹や茶、野菜類など、多様な農作物に使⽤できる液体で散布することで、野菜や果実の花芽、花、果房に付着します。そうすることで凍ることを軽減して霜を発生しないようにします。

使い方も前日に散布でOKなところが助かります。天気予報を見てからの対策で間に合います。500倍に希釈し夕方よりは前に、1kgで20aを目安に散布します。

ただ効果は24時間ほどですが、-5℃まで耐えられます。同じような製品でアイスガードもありますが、-3℃までとなります。

グリーンシステム

こちらは何度かご紹介しているファイトクロームさんの商品となります。てんさいという北海道の大根から抽出した成分で作物の水分バランスを調整します。植物そのものを内部から凍結に強くするタイプの資材です。

葉面から吸収されて24時間ほどで植物全体に行き渡り、効果は2~3週間持続します。使い方は果樹、野菜など幅広くお使いいただけます。2~3週間間隔で葉面散布または土壌灌注します。10アール当たり200~500gの使用となります。

グリーンステム
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まとめ

農作物に多大な影響を与える霜害。霜害には2種類ありましたが、3~5月頃の晩霜害への対策が特に注意が必要です。対策をしないと収穫量が激減、下手をすれば全滅もありえます。

対策としては

  • 事前対策
  • 被覆対策(畑のみ)
  • 散水対策
  • 燃焼対策
  • 送風対策
  • 資材対策

などがありました。果樹や畑に使える方法や、どちらかにしか対応していない方法などがありますので注意が必要です。

どの対策も100%防げるものはありませんし、かなり費用がかかるものもあります。色々組み合わせて、できるだけ被害を少なくする目的で行いましょう。

アドセンスマルチ

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