春から秋まで除草の季節です。今まで除草に付いて様々な記事を書いてきました。
とはいえ草刈り機を使うにしても業者やシルバーに頼んで除草をしてもらうにも草刈りという選択になっていますが、除草剤を使って枯らすというのも有効な手段の一つです。今回はそんな除草剤についてです。
それこそ草の数程ある除草剤。一体どれを選べば良いのか、みんなに人気があるのはどの除草剤なのか気になっている方は実際多いです。今回は状況によって選ばなくてはいけない除草剤の見極め方とみんなに選ばれる最強の除草剤をご紹介していきます。
年間数多くの農業資材・園芸資材の展示会でメーカーの方とお話をする機会の多い管理人が、営業の方と話したときに小耳に挟んだ情報や自身が働く資材屋でのお客さんからの質問や人気などを踏まえてお話します。これで選べば良い除草剤がわかります!
まず知ってほしい除草剤の選び方
除草剤を選ぶにはまずは
- 農作物が周りにある所に使うか
- 農作物などが周りにもない所に使うか
の2つの選択肢から選びます。農作物などが周りにある所に使えるものは「農耕地用」で違うものは「非農耕地用」となります。この2つの違いは「農薬登録」されているかいないかです。除草剤のパッケージに農林水産省登録第○○号と書いてあるかないかで判断できます。
農耕地用のものは畑や作物や花、芝があるお庭に、非農耕地用のものは道路や空き地、駐車場など雑草のみしか生えていない場所で使うものとなります。
次に
- 水田など特定の場所や特定の植物を対象とするか
- とりあえず除草剤をかけたもの全て枯らしたいか
で選びます。特定の対象や場所で使うものを「選択性除草剤」といい、全て枯らすものを「非選択性除草剤」と言います。非選択性除草剤とは水田などで使う場合稲まで枯らさないようにしたり、お庭で芝以外を枯らしたい場合などが当てはまります。
ここまで選択すると自ずと絞られてくるのですが、最後に除草剤自体の種類があります。
最初に見るべき選び方
- 農作物がある⇒Yes(農耕地用除草剤) No(非農耕地用除草剤)
- 使った植物全てを枯らしたい⇒Yes(非選択性除草剤) No(選択性除草剤)
除草剤の種類と効果、そして使い方
除草剤の種類は上にあげた使う場所以外にも除草剤自体の種類もあります。それが
- 茎葉処理剤(液剤)
- 土壌処理剤(粒剤)
- ハイブリッド(茎葉+土壌)
の3種類ありそこから選ぶことになります。詳しく話していきます。
茎葉処理除草剤とは
茎葉処理タイプの除草剤は
- 直ぐに効果がでる
- 持続性がない
という特徴があります。大体100cmくらいまでの雑草に使え、直ぐに効果が発揮され数日で素早く枯らすことができます。また持続性がないため除草後に新しく植物を植えることも可能です。主に今生えている雑草を排除して作物を植えるときに使われます。
茎葉処理除草剤の使い方と使うタイミング
茎葉処理除草剤は名前の通り葉っぱや茎に希釈したものをかけて植物を枯らします。希釈率は除草剤に書いてあるのでそれを守って使いましょう。ちなみに土にまいても効果は全く無く、あくまで葉っぱより吸収された除草剤が効果を発揮します。
液体のため雨にはとことん弱いので、晴れた日にジョーロや散布器などで散布して更に散布後6時間ほどは日光を当てられる状況にすると葉っぱより成分が吸収され効果を発揮します。
グルホサートとグルホシネートの違い
液状である茎葉処理除草剤ですが、主な成分がグルホサート系とグルホシネート系の2つがあります。そっくりな名前ですが、この2つの違いは根まで枯らすか枯らさないかです。
グルホサートは根まで行き渡りしっかりと枯らし、グルホシネートは即効性が高くなりますが根までは枯らしきらず、畦など根を残して崩れないようにする場所などに使います。
土壌処理除草剤とは
粒剤である土壌処理除草剤は
これからも雑草が生えてきてほしくない
ときに使う除草剤です。特徴として
- 2~30cmまでの雑草が対象
- 効果は遅く1週間ほどかかり徐々に枯らしていく
- 使った後は3~6ヶ月効果が持続
となっています。雑草をこれからも生やしたくない場合に効果を発揮するので、伸び切ってしまった雑草には効果は薄くなりますが、枯らした後もその効果は続きます。
土壌処理除草剤の使い方と使うタイミング
粒剤で土にまくタイプなので、地面が湿っている状態に撒くのがベストです。ただ雨や風で流れていったり転がっていったりするので、雨のち晴れが続くタイミングに使いましょう。
容量はパッケージ等に書いてありますので、平米数での適量を守りましょう。また雑草が伸び切ってしまっている場合は草刈りをした後に使うのが効果的です。
ハイブリッドタイプの除草剤
ハイブリッドタイプは茎葉処理剤と土壌処理剤のいいとこ取りとなっている除草剤で
- すぐに枯らしたい
- 新たに生えてきてほしくない
という時に使えます。特徴としては
- 2~30cmくらいまでの雑草に使える
- 持続期間は3~6ヶ月
- すぐに枯れはじめ数日で枯れる
となっておりそれぞれの良い特徴があります。使い方は液剤のものと同じとなります。
ここまでで自分がどれを選択すべきかだいたいわかったかと思います。次にタイプを農耕地用と非農耕地用に分けて最強の人気除草剤をご紹介していきます。
農耕地用除草剤人気ランキング
人気ランキングになるので、汎用性が高いものが上位に、選択性除草剤のように対象を絞られたものは下位になってしまいランキングには入りませんでした。そこはご了承お願いします。
農耕地用茎葉処理除草剤ランキングベスト3
農耕地に使える農薬認定のある除草剤で液剤の茎葉処理除草剤人気ベスト3は
- ラウンドアップマックスロード
- バスカ液剤
- サンフーロン
となっています。すべて非選択性除草剤となっています。それでは詳しくご紹介していきます。
1位 雨が降っても大丈夫!ラウンドアップマックスロード
最高の除草剤と謳われるラウンドアップマックスロードが人気No1です。特徴として
- 散布から1時間後だと雨が降っても効く
- 低温時でもしっかりと枯らす
- 気候や時間をそれほど気にしなくても大丈夫
- 安全性が高い
天気の予想は大変なので、急な雨などが降ってしまうことも多いですが、ラウンドアップマックスロードであれば散布後1時間経っていれば雨が降ってもしっかりと効果を発揮します。また低温・朝霧・乾燥・曇などの天候でもしっかりと効くので時間や天気をそこまで気にしなくて良いのが優秀です。
1時間ほどで効き、その後は微生物に分解されるので土への影響も少なく、生物などへの安全性も高いです。
ちなみにラウンドアップには専用の噴霧器用ノズルやブーム用ノズルまで用意されています。それらはラウンドアップマックスロードの効力を少量で十分発揮できるようになっているので結果コスパがよりよくなります。
2位 大豆やかんしょなど登録作物は90以上!バスタ液剤
農作物を作っている人に特に人気が高いのがバスタ液剤です。多くの作物の登録がありその数90以上!水田などでは雑草の根まで枯らさないため畦が崩れないようになっており農作物を作る人に寄り添う除草剤となっています。
除草剤が聞きにくいほとんどの問題雑草にきき効果も7~14日ほど抑草継続するのでコスパよく除草ができます。特徴をまとめると
- 90以上の作物登録がある
- 幅広い雑草に効果がある
- 早く効いて効果継続
- 毒物・劇物を使っていない普通物
となっています。
3位 ジェネリックのため他のものと効果は一緒で安価!サンフーロン
薬などでよく聞くジェネリック製品。このサンフーロンもジェネリック製品のため効果は他の除草剤と一緒でも比較的安価で買えるのが人気の理由です。
特徴としては液剤の茎葉処理剤の特徴そのままとスタンダードな除草剤というイメージです。ただ彼はじめまでに7~14日程かかります。
ラインナップも500ml/2L/5L/10L/20Lと幅広くされており、家庭でも業務でも選ぶことができるラインナップになっています。
非農耕地用除草剤人気ランキング
次は農薬指定を取っていない非農耕地用の除草剤ランキングです。特に人気のものから茎葉処理剤と土壌処理剤をご紹介していきます。
非農耕地用茎葉処理除草剤ランキングベスト3
茎葉処理剤の人気除草剤は
- 一刀両断
- 速攻除草剤SJS-4
- グルホシネート18.5
となっています。詳しくお話していきます。
1位 園芸資材屋が作った除草剤・一刀両断
農業・園芸資材屋で有名なグラントマトさんが本気で作った非農地用の強力除草剤の一刀両断です。ラインナップも500ml・1L・5Lとなっており家庭用でも業務用でも選びやすくなっています。
グルホサート系除草剤でラウンドアップマックスロードやサンフーロンと同じタイプの除草剤となりますが、こちらは宅地、駐車場、公園、運動場、工場敷地、道路、鉄道、のり面などに使う非農耕地用なので間違えないようにしましょう。
2位 園芸資材屋が作った除草剤・速攻除草剤
なんでも作っているアイリスオーヤマの除草剤です。サイズのラインナップは1L・2L・4Lの3種類あります。
薄めたりせずそのまま使えるのがお手軽で、業務用というよりは家庭用の除草剤で3~7日でしつこい一年草やスギナなどに効果を発揮します。
3位 グルホシネートが使われている・グルホシネート18.5
農業資材で有名なメーカーである福島のシンセイさんの商品です。シンセイはもう一つ「はや効き」という除草剤をだしていますが、そちらは同じく非農耕地用ですが、グルホサート系の除草剤となります。どちらも人気ですが、グリホシネートの方が若干人気が高いです。
こちらは根を枯らさないタイプの成分となるので、傾斜に向いている即効性重視のタイプになります。ラインナップは500mlと5Lの2サイズから選べます。
非農耕地用土壌処理除草剤ランキングベスト2
次に茎葉処理剤ではなく土壌処理剤の非農耕地用のランキングを発表していきます。液剤よりは汎用性が低めなのでランキングに入ってきた2つをご紹介。
- 除草王オールキラー粒剤
- ネコソギエース
こちらも両方非選択性除草剤です。詳しくお話していきます。
1位 家庭園芸におすすめ!フマキラー除草王オールキラー粒剤
家庭園芸向けの商品ということで400g~3kgまでのラインナップで個人の方でも使いやすいサイズが揃っています。3kgで600平米まで撒くことができ効果も6ヶ月持続するという非常にコストパフォマンスがいい商品になっています。
パラパラ撒くだけでつくしやドクダミなど頑固な雑草にも効果を発揮します。
2位 3種類の成分で徹底的に枯らす!ネコソギエースV
ラインナップが100g~10kgのものまで本当に幅広くあり、家庭用でも業務用でも選びやすくなっている除草剤です。黒いパッケージのWはこの上位シリーズで9ヶ月発芽を抑える物となっています。
こちらのネコソギエースも液剤と粒剤がありますが、どちらも土壌処理剤です。ただこちらの粒剤のほうが人気が高くなっています。粒をパラパラ撒くので散粒機などで撒くのもおすすめで長期的に微生物に分解されていく成分で6ヶ月の効果があるものの安全な除草剤です。
まとめ
今回は除草剤の選び方とそれぞれのおすすめをランキングでお話しました。除草剤はまず
作物が植えている周辺の場所かそうでないか
で選びましょう。それからある特定の植物や場所専門で使いたいのか、そうではないのかを選択しましょう。その時点である程度絞られますので、あとはすぐに枯らしたいか、じっくり生えてこないよに枯らしていきたいかで決めることができます。
ランキングはやはりよく名前を聞くものが上位にきました。ラウンドアップやサンフーロンなどは地方ではテレビのCMもやっています。やはり人気があるものは良いものなのでこのランキングを参考にしてみてください。